メーカー | MSR |
商品名 | ウィスパーライトインターナショナル |
価格(購入時) | 14,000円 |
重量 | 423g |
アメリカのアウトドアブランド・MSR社のガソリンストーブ。
ガソリンストーブ業界では、圧倒的なシェアを誇っているのではないだろうか。
実際、旅行中に出会った自転車旅行者の多くがMSRのストーブを使用していた。(次点でPRIMUS)
その理由は、本体とパーツが世界に広く普及していることと、メンテナンスの容易さにある。
アメリカ本国は当然ながら、南米の中でも小国のボリビアでも、アウトドアショップに行けばストーブ本体からメンテナンスキットまでMSRの取り扱いがあった。
ただし、南米では値段が少し高く、特にアルゼンチンのメンドーサではウィスパーライトインターナショナルが23,000円という暴利で売られていた。
また、ヨーロッパではドイツ、デンマークではMSRの取り扱いがあったが、それより以北はPRIMUSとSOTOは見かけるものの、MSRは取り扱い無し、という店舗が多かった。
私が使っているのは、ウィスパーライトインターナショナルというモデル。
私は30オンス(約900mⅬ)のボトルを使用しており、ガソリン満タンの状態なら朝夕と自炊して、大体5~7日間は十分持つ。
火力調整ができないが燃焼音が静かで、人目に付かずに野営したい時には大きなメリットになる。
それに自転車旅行中、ガソリンストーブを使って凝った料理を使う人なんてほとんどいないだろうから、火力調整できないのは特に気にならないと思う。
なお、火力調整はできないが意図的にトロ火を作ることは可能で、ポンピング回数を減らして圧力を低い状態で点火すれば、トロ火になる。
メンテナンスに関してだが、付属の専用工具とオイルを使えば、素人でも簡単に行える程に単純な構造。
ポンプを分解した様子。たったこれだけのパーツで構成されている。
(※画像のポンプはウィスパーライトインターナショナル)
メンテナンス箇所はゴムになっている4か所。
破損がないかチェックをし、オイルを注す。
ゴムパーツの交換時期は、ストーブ本体をポンプから抜く時に漏れるガソリンの量が多くなったり、使用中に圧力が弱くなったりするように感じる時。
交換しても改善されないときは、チェックバルブも交換してみるといい。
なお、最後に組み立て直す時は、ネジになっている個所を強く締めすぎないこと。
ポンプ本体はプラスチック製で、非常に脆い。
私は過去3本、ポンプを交換しているのだが、すべて圧力が逃げてしまう症状が出てしまった。
恐らく、メンテナンス後にネジを強く締めすぎ、微細なヒビが入ったのではないか、と推測している。
ホワイトガソリンを使うならメンテナンス頻度はそこまで多くなくていいと思う。
ただし、車のレギュラーガソリンを使うなら、適度にメンテナンスをしておかないと詰まってしまい、最悪使用することができなくなる。
南米では、何人かの自転車旅行者から「ポンプが詰まって使用できなくなった」という話を聞いたため、ガソリンの質が悪いということも留意すべき点だろう。
アンデス山脈の僻地やボリビアでの宝石の道など、無補給区間を走るサイクリストならガソリンストーブは必携の装備。
その中でも、MSRのウィスパーライトインターナショナルはパーツ流通量、メンテナンスの容易さを考えるに、ベストな選択肢だろう。