テント・mont-bellムーンライト2型

メーカーmont-bell
商品名ムーンライトⅡ型
価格(購入時)27,864円
重量2.8㎏

日本が誇るアウトドアブランド・mont-bellの代表的テント。

テント選びというのは、自転車旅行をこれから始めるという時には必ず頭を悩ませる。
というのも、どのテントもカタログ上ではスペックは似たようなもので、どれが正解なのかが分からないのである。
実際、どのテントが自転車旅行に最適解かというのは、各自転車旅行者がバラバラのブランドを使うのを見るに、未だにはっきりしていないのだと思う。

そんな中で、mont-bellのムーンライトは良い意味で「無難」なテントだと言える。
「失敗しない」テントとも言い換えられる。
設営の容易さ、通気性の良さ、コストパフォーマンスの高さと、非常にバランスが良い。

テントとしては重量3キロ弱と重たい部類だが、重さを犠牲にした分頑丈で、頼もしい。
というのも、テントの破損で多いのが「ポールの折れ」。
テントの幕を張るためにポールにテンションを掛けるのだが、長く使うとポール強度が劣化し、このテンションの負荷に耐えられなくなってしまうのだ。
その点、ムーンライトはポールのポジションと幕の張り方的に、負荷が掛かりにくい。これなら、ポールが折れることはほぼ無いと思われる。

たまに「ムーンライトは風に弱い」という意見を聞いたりすることがあるが、荷物を四隅に配置して重しにすれば、その弱点は解消される。
暴風地域で知られるパタゴニアでも、特に問題なく一夜過ごすことができた。

続いてはデメリット。

・雨にはあまり強くない。
耐水性はインナーテントは2,000㎜と低くない。
対してフライシートは1,500㎜。こちらは逆に決して高くない。
横風が吹く雨の中で設営した時は、夜中に起きてみたらテント内部が一面水浸しだったことが何度かある。
ただ、ペグダウンせずに設営していた時に発生した雨漏れなので、きちんとペグダウンしてフライシートを張っていれば防げていたとは思う。

・入り口が一か所のみで、しかも横側面でなく、縦に設置されている。
これが荷物の多い自転車旅行には結構なデメリットで、荷物を運び入れる際、一番奥まで入れるのに結構な手間が掛かる。
入り口の大きさも小さいため、出し入れする際に荷物が引っかかったりする。

・居住空間が狭い。
ムーンライトは、入り口側から奥に行くにつれて、徐々に窄んでいく形になっている。
そのため、奥の方は高さ、横幅ともにかなり狭い。
居住空間として使える広さは、そこまで多くない。テントに寛ぎを求めるならば、キツイサイズだと思う。

 

と、まあデメリットを上げたが、それでも私はこのムーンライトⅡ型には非常に満足して使っていた。
やはり頑丈、設営が簡単、通気性もそこそこ良い。

アメリカ大陸縦断の1年9か月間で使用し、砂や塩によって最後はファスナーがすべて閉まらなくなってしまい、メッシュも穴だらけになったため、泣く泣く手放すことになってしまった。
それでも、次にまたテント選びに困ったら、選択肢の上位に入ってくるテントの一つだろう。