森の色付き〜Zestaponiまで

Mokhisi~Zestapani
11/12 (1097days)

ジョージアでは初めてとなるテント泊だった昨晩。
深夜からの冷え込みは厳しく、冬用寝袋に包まっていても寒さで目が覚めるほど。
朝起きて自転車を確認すると、フレームに取り付けている1.5リットルの水が丸々凍り付いていた。

標高1,000メートル程度でここまで冷え込むということは、トルコ入国後、内陸へ進んだ時には冬も半ばだし標高ももっと高いしで、更に冷え込むだろう。
これまでの4年間は寒い時期を避けるか、暖かい地域に逃げるかしてきたけれど、本格的な冬季走行は初めてのことなので、寒さにどこまで苦しめられるか、私もよく分かっていない。

今のところは、冷え込むのは深夜から早朝にかけてのみで、陽が高くなったら半袖で走れるくらいの陽気にはなってくれる。
この日は下りが多く、順調に進んでいく。

ジョージアではキリスト教が信仰されており、ジョージア正教会がそれを統括している。
中央アジアで見てきたモスクは丸みを帯びた形状をしていたが、久しぶりに見るキリスト教の教会は、角ばった形状をしているように見える。

道中、パンを売っている露店が並ぶエリアがあった。
露店はなかなか途切れることなく、数キロに及んでいる。

これがこの周辺の名物なのかな?そう思い、物は試しと一つ買ってみた。
レーズンの入った黒糖パンで、これがなかなか美味しい。
なんていう名前なの?と露店のおばちゃんに尋ねると「ナズーキー」と言っていた。
後日ネットで調べてみても検索にヒットしなかったので、ジョージアのこの周辺だけの特産品なのかもしれない。

しばらくすると緩やかな上りが始まり、ここで昼食休憩。
オーストリとパン、リモナーダを注文。
オーストリとはジョージア風ビーフシチュー、リモナーダとはレモネードのこと。
このリモナーダが炭酸がよく効いていて、甘さすっきり控えめでとても美味しい。
味の濃いオーストリの良き相方的な地位を確たるものにしている。

私の場合は、このリモナーダが好きで、これを飲みたいがために味の濃いオーストリを注文している節がある。

昼食をとった後しばらくすると、トンネルが現れた。
このトンネルが結構長く、自転車ではとても走りきれない。
トンネルができる前に使われていたであろう道があり、そちらへと進むことに。

トンネルを迂回して山を越えるため、当然それなりに斜度のある坂道を走ることになる。
体力的にはきついが、交通量が少なく静寂の中を走るため、精神的なストレスは全くない。自然の中を健康的に運動していい汗をかき、むしろいい気分だ。

しばらく走り、ようやく坂道を登り切った。
峠はちょっとした広場になっており、ここで朝霜に濡れたテントや寝袋を干す。
それを待つ間、ベンチに寝っ転がって空を見上げる。
空へ向かって枝を伸ばす樹々たちが纏う葉は冬支度を始めていて、赤や黄色ばかりが目立つ。

峠からは長い下りが続き、本線と合流。
ジョージアは高速道路を建設しようとしているのか、それの基礎と思われる無機質な色の柱が紅葉し始めた山を侵略し、無愛想な存在感を漂わせている。

この日86キロを走り、Zestaponiという街に到着。
郊外にあるホテルに泊まったのだが、近くに食堂が一切ない。
2キロくらい歩き、街の中心部に行ったけれど、こちらにもレストランが全くない。一体この街の人たちは、お祝い事やデートの時にどうしているのだろう…?
仕方なく、売店で菓子パンを買ってそれを晩ご飯に。

(走行ルート:Mokhisi→Zestaponi)

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