トビリシの蚤の市

Tbilisi
10/31 (1085days)

トビリシに到着した日の翌朝、同宿の人達が市街地を観光するとの事で、私も便乗して着いていくことに。
なんでも毎週水曜日に蚤の市(フリーマーケット)が開かれているそうで、それを目当てに、地下鉄でトビリシ中心部へと出向く。

地下鉄から降りた後しばらく歩いて、蚤の市になっている公園に到着。
公園の遊歩道は売り物の絵画がずらっと並べられ、差し詰屋外美術館、と言ったところ。

公園の入り口に近い遊歩道沿いは、絵画や芸術品ばかりで、どうにもフリーマーケット感が薄い。

公園の奥に入っていくと、そうした芸術作品は姿を消し、徐々に蚤の市らしく、ガラクタや何でこんな物売ってるの?という物が並べられるように。
そうそう、こういうゴチャッとした変な市場が見たかったんだよな。

恐らく、遺品整理の末に処分が決定された品々が、ここに並べられているのだろう。
軍の勲章やヘルメットや水筒、古いコイン、身分証のような物まで売られている。
品々からは、一律生産された土産の工業製品的な匂いはせず、それぞれが個人の生活に寄り添って年月を過ごす内に移された生活臭が漂ってくるようだ。

蚤の市は公園内だけでなく、通りを挟んだ先にも続いている。
公園の外の店はアンティークのランプや食器など、もっと生活臭がキツくて、客も地元民っぽい人の方が多い。

流石にサーベルは地元民も買わないだろうけど。
「武器や防具は 持っているだけじゃ 意味がないぞ! ちゃんと 装備しないとな!」って、買った後言われてみたい。

再び公園へと戻る。公園側には本当、どうしようもないガラクタしか売ってない。
しかしそのどうしようもないガラクタが、どうにも魅力的に見えて仕方ない。なんで昔の物って、こうも購買欲を唆るのだろう?
あっちを見ては古いガラクタにおぉっ!と感嘆し、こっちも見ては別のガラクタにおおぉっ!と唸ってしまう。こんなにもワクワクする市場は、世界中探してもない。
特に羅針盤は、マジで買おうか悩んだ。値段は確か4,000円くらい。もう磁石も狂ってしまって使い物にならないのだけれど、紙地図派の私としては物凄く心をくすぐられるアイテムだった。
今でも、買わなかった事をちょっと後悔している。

その代わり後日、蚤の市とは別のフリーマーケットで、まな板を買った。
このフリーマーケットは全て職人達の手作り製品が並べられており、革製品やビーズの装飾品などが売られている。
まな板は、主にマッチ入れの木箱を売っている店で売られており、一目惚れしたのだ。
普段私は土産など買わないのだけれど、このまな板はどうしても欲しくなり、持ち運びに困るほどの大きさでもないし、遂に買ってしまった。

裏面は無地の木目のまな板で、表面は絵が描かれていてそれが気に入ったのだ。
ホステルに帰って早速同宿者に自慢をし、毎日開かれる酒の席ではこれにチーズやハムを載せて出していた。
チーズやハムは当然私の自腹にはなるが、そんな財布の痛みなど気にならないくらい、このまな板を使えるのが嬉しかったのだ。

トビリシの蚤の市には、ロマンが溢れている。

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