≪世界遺産≫ヒヴァの旧市街地

Xiva
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17世紀、ホレズム帝国の聖都として台頭したヒヴァ。
外と内を二重城壁によって守られたこの宗教都市は、ウズベキスタン国内で初めて世界遺産に登録された人類史にとって重要な財産でもある。
世界遺産である旧市街地へは、東西南北それぞれに設けられた四つの城門から入場する事ができる。
東門、パルヴァン・ダルヴァザ門。
通称は”奴隷の門”。 これはかつてヒヴァが中央アジア一の奴隷市場を持ち、その市場がこの東門の付近にあった事に由来する。
奴隷売買は、1873年にウズベキスタンがロシア支配下になるまで続いたという。
西門、オタ・タルヴァザ門。
1920年に破壊され、現在の物は1975年に復元されたもの。
古からメインで使われていた門なのか、観光バスがこの前に詰めかけ、多くの人がここから旧市街地へと入場していく。
観光チケットもここから購入する事になる。
北門と南門は旧市街地の見所から離れているためか、観光客もおらず閑散としている。
旧市街地に聳え立つミナレットの脇にある、ジュマ・モスク。
こちらは10世紀に建造された、中央アジアで最も有名だと言われるモスク。
内部は多柱式の構造になっており、柱の数は213本にもなる。
光源はモスク中央にある天窓から入る日差しのみで、昼まであっても薄暗い。
モスク自体は非常に簡素で、柱に刻まれた紋様以外は、特別美しい何かがあるわけではない。
このモスク最大の見所は、日差しと柱が成す、光と影のコントラストである。
時間帯によって日差しの角度や色は変化し、それに合わせて影の出来方も変わってくる。
私が特におすすめしたいのは、夕方の時間帯だ。
昼間は観光客が多く、それ故に「人の影」という不純物が混ざる。
夕方は人がほとんどおらず、日没間際の柔らかい日差しを受け、モスクの床面には長い「柱の影のみ」が出来上がる。
サマルカンド、ブハラ、そしてここヒヴァと立て続けに世界遺産都市を巡ってきた。
どの都市も、青いタイルで彩られた美しい建物が並ぶ。
私は個人的にこのヒヴァで見る青いタイルが、一番好きだった。
違いは分からないが、他の二つと比較して青が一層鮮やかな気がする。