見渡す限りの砂漠〜Bukhara西95kmまで

Bukhara~
10/1 (1055days)

ブハラには数日間滞在するつもりだったけれど、思った以上に規模が小さく、見たいところは昨日で周り切ってしまった。
サマルカンドから出発して日も浅く、蓄積疲労もないので出発することに。

ゆっくりと準備をして、10時過ぎに出発。
ブハラを去る前に、ミナレットの前で記念撮影。

私が走っているウズベキスタンの中部は、山は全くなく、起伏もほとんどない。
基本的には農地ばかりが広がる。

鉄道の線路を越える高架を渡る。
線路は地平線の端からそのまた端へ一直線、ずーっと伸びていて、その終わりは見えない。

この鉄道はタジキスタンのタシュケントから始発、ウズベキスタンを通って、カザフスタンのベイネウを終点とする国際鉄道である。
物流はもちろん、旅客列車も運行している。

ウズベキスタンからカザフスタンを抜けるルートは、1,000キロ以上に及ぶ無人地帯があり、景色も砂漠しかないため、この列車で輪行する自転車旅行者は非常に多い。
というかそれが正攻法になっているくらい、自走するサイクリストは少ない。

私はというと、輪行する気はさらさらない。
自転車が走れる道があるなら走りたいし、輪行するのは手続きや荷物の管理など、雑務が多くてストレスが溜まる。

高架を渡ってからは、360度見渡す限りの砂漠。
これはこれで、未だかつて見たことのない風景なので新鮮ではある。

ただ、いかんせん路面状態が悪すぎる。
月面の様にボコボコに穴が開いたアスファルトで、ボーッとして走るとその穴にハマり、ガツっという衝撃ではっと我に帰る。
そして意外にも交通量が多く、うるさくて仕方ない。

最初こそ新鮮味を感じた砂漠も、少し走ればもう飽き飽き。
ハァーッと一発、大きなため息をついて俯いたら、並走して野良犬が並走してきていたからびっくりした。
噛まれる!と思い、慌てて後ろに括り付けている棒を取り出して威嚇するも、犬は動じない。

停車して、木の棒で犬の顔をツンツンしてみても、犬は動じない。
どうやら敵意はないらしい。

走行を再開すると、犬も着いてきた。
早くも砂漠に飽きてしまった私の心中を察してか、癒しとして着いてきてくれているのか…

可愛い事に、私が写真を撮るために一時停止すると、待ってくれるのか犬も立ち止まってくれる。

20キロくらい走っただろうか、路肩に一軒のカフェが現れ、犬はそちらに駆けていき、そこでお別れとなった。

多分食べ物と水をもらいにいったのだろう。
空腹と渇きを癒した後は、また走り続けるのだろうか?
飼い犬というわけでもないだろうし、種族こそ違えど、この犬も流離の旅人なのかもしれない。

カザフスタンに入国する前の、ウズベキスタン側の最後の都市・ヌクスは、まだ480キロも先。
このヌクスからカザフスタンのベイネウまで、1,000キロの無補給区間と砂漠が広がると聞いている。

今はヌクスに行く前に寄り道をしている所なので、これから1,600キロくらい砂漠だけを見続けることになるのか…。

犬と別れた後は再び一人っきりで、砂漠を黙々と走り続ける。
人工物は、誇張抜きで一切何もない。
樹も生えていないので、遮蔽物も当然なく、直射日光が日の出から日没まで、容赦なく体に降り注ぐ。

日没が近くと、太陽がちょうど私の真正面に位置するため、眩しくて仕方ない。
あまりに眩しくて俯いて走るので、前方に穴があったとしても直前になって存在にようやく気づくので、避けようがない。

18時半になり、太陽は地平線へと沈んだ。
地表はまだ余韻で明るいが、暗くなるのも時間の問題で、野宿場所を探さないといけない。
砂漠には家はもちろんなく、どこでもテントは張り放題なのだが、隠れられる場所もなく、道路からは丸見えな上、交通量も多い。

しかしこれ以上走っても状況は変わらないので、舗装路から砂漠へ突っ込み、道路から数百メートルほど離れたところにテントを張り、野宿することに。

日没の余韻もなくなり、空に一面の星が広がる時間になると、地表は360度闇が広がった。
その闇の中に、時々車のライトが地平線の端から現れ、またその端へと消えていく。

今日から毎日、この光景が広がるのか。
風景写真も変わらないだろうし、感想も変わらないだろうから、当分この記事をコピペして記事数稼いでやろうかな…

(走行ルート:Bukhara→Bukhara西95km)

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