山岳地帯の温泉街〜Vashishtまで

Aut~Vashisht
6/22~6/23 (954~955days)

人間は「順応する生き物」とはよく言ったもので、昨日あれだけの山道を走り疲労困憊だったにも関わらず、起床は普段と変わらず明朝5時。

「それだけ長い間社会から離れてると、いざ旅行が終わった時に社会復帰できるの?」なんて事もよく言われるのだが、少なくとも早朝出社という項目だけは即戦力で復帰できる自信があります。
もし企業の人事関係者で見ている方がいらっしゃいましたら、よろしく御願い致します。

Autからはようやくメインハイウェイに乗り、スムーズに進むだろうと思っていたのだが、とんでもない。
交通量は段違いに増えた上に、何故か未舗装路の割合まで増え、
道は散水車が撒き散らす水でドロドロ。

走り始めて1時間もしないうちに、体も自転車も泥だらけに。
道が泥だらけになるまで水を撒くところに、インド人の想像力の欠如が垣間見える。
ちょっと湿らすだけでいいんだよ、ちょっとで。

11時前、35キロ走ったところで昼休憩に。
やはりターリーを頼むのだが、この日も出されたのはぶっかけ飯。
これも美味しいのだけれど、備え付けの汁物がカレーじゃなく、決まって豆スープなのだ。
やはりインドといえばカレーなので、これまで食べてきたターリーが恋しくなる。

道路標識には遂にLeh(レー)までの距離表示が現れた。
マナリからレーまでまでの約500キロの間に、峠は五つ。
その内の二つは標高5,000メートルを超えるものとなる。

最初の一つがこの看板にもあるRohtang(ロタン・パス)で、標高は3,977メートル。
スピティバレーの積雪通行止めがなければ、このロタン・パスを越えた先でマナリ・レーハイウェイと合流していたわけで、随分と長い遠回りをさせられている。

前方に見える山は、スピティバレーで見た山々よりも雪深い。
マナリ・レーハイウェイの方は積雪通行止めになってないのか?と不安にさえ思える光景なのだが、今のところそんな情報は入ってきてない。

15時、マナリに到着。
マナリ・レーハイウェイと名付けれられている通り、マナリはレー方面へ向かう入り口の街であり、たくさんの観光バスや車が停まっている。

街の中も人でごった返し、多くの人々がフル積載の自転車に乗った私をジロジロと見てくる
当初はこのマナリで休息日を設けようと思っていたのだが、あまりの混雑具合で、体も心も休まりそうにない。

マナリから4キロ進んだところに、Vashisht(ヴァシシュト)という集落がある。
そこに天然温泉があることを、ネパールで出会った日本人旅行者に教えてもらったのを思い出したので、そちらに滞在することにした。

ヴァシシュトまでの残りの2キロ程は斜度のきつい坂道で、ヘトヘトになりながらもなんとか到着。

マナリと違ってこじんまりしており、観光客は相変わらずいるが混雑はしていない。

これまで1,000ルピーからが相場だったインドの宿泊費だが、ヴァシシュトの宿は300ルピーと安く、これなら休養日として体にも心にも、財布にも優しい。

温泉は早朝の時間が人も少なく、お湯も綺麗だと聞いていたので、翌日に回すことにして、レストランへと向かう。

ヴァシシュトには日本食レストランがあり、日本人の奥さんが経営している。
さっそく唐揚げ丼を注文。
値段は250ルピーと、普段の食事の二倍以上するが、久しぶりに食べる日本食はやはりめちゃくちゃ美味しい。
食に関して言えば、日本に勝る国は今のところ見つからない。

しかし、インドも負けてはいない。
ヴァシシュトにはジャーマンベーカリーが何軒かあり、クロワッサンやチョコドーナッツなど、普段のインドでは見られないパンが売られている。
その中でも目を引くのが、アップルパイ。

ここマナリ地方ではリンゴが名産で、このリンゴが水々しくて甘く、とても美味しいのだ。
その名産リンゴを使ったアップルパイもやはりとても美味しく、二泊の滞在中、何個も食べてしまった。

6/23
到着翌日、5時半前に温泉へと向かう。
温泉はヒンドゥー教寺院の脇にある。

本来は参拝前の沐浴のために設置されているらしいが、私の様な旅行者が入っても問題はなく、そして無料。

かなり早い時間に行ったのだが、すでに数人の客が入浴している。
海外の温泉には珍しく、ここでは浴室は男女別に分かれている。
湯温はかなり熱く、日本人好みの温泉だろう。
私もかなり好きな湯温で、しかも久しぶりの風呂ときたものだから、茹で上がる直前まで長湯してしまった。

温泉は飲み水としても飲まれている様で、ポリタンク一杯に補充していく人もいる。

午後は自転車でマナリに行き、山岳地帯に備えて買い出し。
カメラ屋があり、スピティバレーで紛失したレンズキャップも購入できた。

ヴァシシュトでは、破れていた半ズボンも縫ってもらい、準備万端。

晩はまた日本食レストランでチキンカツ丼。
これで翌日からの山岳走行に喝を入れ、厳しい道にも打ち勝つ!

(走行ルート:Aut→Vashisht)

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