あわてないあわてない、一休み一休み〜Poohまで

Spillo~Pooh
6/12 (944days)
ストレッチと断食が効いたのか、腰の怠さは随分とマシになってくれた。
これなら何とか走る事ができそうだ。
まだ固形物を食べるのは控える事にし、ホテルの人に頼んでチャイをもらい、それを朝食がわりにする。
チャイを飲み干して外の様子を確認すると、小雨がぱらつく天気。
せっかく体調がマシになってきたのに、あちらを立てればこちらが立たず、か…。
それでも小雨なら大丈夫だろうと判断し、7時半に出発。
昨日ですっかりチベット文化圏に入ったと思っていたけど、ヒンドゥー教の祠もあったりする。
出発から3キロも進むと雨脚が強くなってきた。
引き返そうか迷ったのだが、レインウェアを着込んで先へと進む事に。
幸い道は平坦もしくは下り基調で、悪くないペースで進む事ができる。
時折、隊列を組んだ軍用トラックとすれ違う。
チベットという政情的に微妙な地域と国境を接していることから、中国政府を牽制するためだろうか、かなりの数の軍の詰所を見かける。
10時になった頃、雨脚がさらに強まってきた。
ちょうど留守の民家があり、その軒下に避難する。
雨宿りしながら空を見上げてみるが、山に囲まれた地形のため狭い範囲しか空を見通せず、雨が続くのかどうかを判断する事ができない。
ここから40キロ先に、Nakoという集落がある。
Nakoには古くから現存しているチベット仏教寺院があり、この日はそこまで行くつもりだったのだが、標高を1,300メートル上げる山道を走り切らなければならない。
この雨が続くようなら、40キロの山道を走り切るのは得策ではない。
ちょうど雨宿りしているところがPoohという集落の入り口付近であり、ホテルもありそうな規模のため、この日はPoohで走行終了とすることに。
Poohは入り口から九十九折を上り切った先にあり、3キロほど上ってようやく集落内に到着。
集落に入ってすぐにホテルがあり、500ルピーとの事で一泊お願いすることに。
結構サイクリストが泊まりにくるのか、自転車を部屋に運び込んでくれたり、色々と気を回してくれて親切にしてくれる。
まだ腸の快復に不安があるので、昼は消化に優しいトゥクパを食べる。
トゥクパはチベット風のうどんで、ネパールにいた時から結構好きで食べていた料理だ。
集落内を歩いていると、ダライ・ラマの写真が飾られているのが目に入ってきた。
ここには中国から弾圧され、インド側へ難民として避難してきた人もいたりするだろう。
その人達からすると、こうしてダライ・ラマの写真を気兼ねなく掲げる事ができるこの土地は、天国みたいな場所だろうな…と想像してみたりする。
昼を食べた後はホテルに戻り、ひたすら昼寝をして体力回復に努める。
次に目が覚めた時は17時で、すっかり晩ご飯の時間になってしまった。
晩ご飯を食べるために外に出てみると、昼間の雨雲はどこへやら、快晴の天気に。
これならちょっと雨宿りをした後にNakoへ向けて進めていただろうけど、こればっかりは結果論で仕方ないか。
昼寝のおかげか腸の具合はすっかり良くなったようで、晩ご飯はトゥクパに加えてモモ(チベット風餃子)まで注文。
やっぱり腹一杯食ってこそ、自転車旅行だわ。
(走行ルート:Spillo→Pooh)