このタイミングで体調不良〜Recong Peoまで

Bhabhanagar~Recong Peo
6/9~6/10 (941~942days)

昨夜の雨も、今朝になるとすっかり上り快晴の空。
スピティバレーを走り切った後、マナリ・レー地方を走って更に国際空港がある都市まで走るとなると、インドの滞在日数はギリギリになる見込みだ。

スピティバレーは元々想定外の寄り道であり、ただでさえギリギリの日数で計算していたビザの日数が、下手したら足が出てしまいかねない。
そういう事情もあり、雨での停滞というのは是が非でも避けたいのだ。
…まぁ、避けたいと言っても、天候だけは私がどうこうできる問題でもないのだけど。

ちなみに上述で国際空港のある場所まで走る…としたが、インドを出国する時は飛行機を使う予定だ。
というのも、インドと隣接している国はネパールを除くと、パキスタンと中国なのだが、これが非常に厄介なのだ。

まず中国だが、インドと国境を接している中国側の土地はチベットであり、政情を鑑みておそらく個人では越境できない。
というか、地図を見ても開いてそうな国境が見当たらない。

次にパキスタンだが、こちらはビザの問題がある。
パキスタンに入国するにはビザが必要なのだが、国外では取得ができない。
取得するには在日本パキスタン大使館でパスポートを提出して申請しなければならない。
荒技を使えば国外にいながらに取得できるらしいのだが、これはリスクが伴うため非現実的。
(※2019年10月現在、パキスタン政府はネットで申請できるEビザを開始しています。)

そういう事情から、当初からインドを出国する際には飛行機を使う。
向かう先は中央アジアにしようというのは決めているのだが、この時点ではどこの空港から、どの国へ飛ぶのかという具体的な事は考え中。
とにかく、雨が降らず事故にも遭わず、無事にインドを走り切ることが先決である。

ということで、話を本編へ。

崖の上の方に位置するホテルから、チェックインした時と同じように往復三回を掛けて荷物を運び出す。
おかげさまで体はもう十分に暖まっており、準備運動も全く必要ない。

全く、とんでもない町のつくりだ。

道は綺麗なアスファルト舗装がされており、非常に走りやすい。
どうせほとんど未舗装路だろうと予想していたので、良い意味で裏切られている。

渓谷の隙間からは、雪山が顔をのぞかせている。
スピティバレーに入ってすぐの時は、ぼんやりと見えていた雪山も、大分奥までやってきた今だとはっきりと見ることができる。

30キロ走った所でTapriという町があり、ここで小休止。
町の入り口にちょっとした遊園地があるけど、客のほぼ100%が地元の子どもだろう。
というか、このちっぽけな集落にいる子どもなんて100人もいないはずであり、そう考えると贅沢な遊具だな。

喫茶店に入り、チャイ(ミルクティー)とお菓子を注文する。
パイ生地のお菓子と、和菓子の様な団子を食べたのだが、団子の方は不思議な食感でモチモチもしていないし、かと言ってガリッという固さもない。
味は甘いのだけれど、何を原料にしたお菓子なのかが分からない。

小休止を終えた後も、相変わらず渓谷を川沿いに走っていく。
時々道が影に入るのだが、そうすると肌寒さを感じるようになってきた。
徐々に標高が上がってきたということだろう。

11時すぎ、ぽつんと現れたレストランで昼休憩。
180ルピーとちょっと高いけれど、今まで食べたターリーで一番美味しい。

所々未舗装路も増えてきた。
砕けた石が混じっているのか、未舗装路は太陽光を反射して粒子がテラテラと光っている。
そしてその粒子は空気中にも舞っており、はっきりと肉眼で捉えることができる。
その数が余りにも多く、明らかに吸い込んだら体に悪そうなので、堪らずマスクを引っ張り出して装着する。

この日43キロ走った所で、分岐が現れる。
スピティバレーの上流へと向かうメインの道と、Recong Peo(レコンペオ)という集落へと向かう分岐。

この先、メイン道路を進むとインド軍のチェックポイントがある。
そこを通過するにはインド政府が発行する許可書が必要であり、レコンペオで取得することができる…ということをスピティバレーの存在を教えてくれたサイクリストから聞いていた。

ということで、分岐を折れてレコンペオへと向かう。
分岐からレコンペオまでは僅か6キロなのだが、斜度がきつい上に交通量も多くてかなりしんどい。
ただ、巨大な雪山がどーんと聳える風景は雄大で、非常に美しい。

坂道を登り切り、15時前にレコンペオに到着。
標高は2,400メートル。

許可書の申請もあるため、レコンペオでは二泊することに。
交渉して一泊900ルピーにしてもらったのだが、インドには安宿というのは無いのだろうか。
食事は安いのに、宿泊費だけが際立って高いし、かと言って野宿できる様な国でもないため、意外と 出費が嵩んでしまう。

6/10
この日は許可書の申請をしなければならないのだが、昨晩の夕食後あたりから腰が痛くなってきた。
私は体調を崩す時は決まって腰からくるのだが、やはりその後下痢を催してしまった。

今朝もその体調不良は引きずっているのだが、しんどい体を引き摺って町の入り口付近にあるツアー会社へと向かう。
このツアー会社が必要書類を揃えて代理申請をしてくれるとのことで、料金は400ルピー。

9時にツアー会社へ行き、必要書類に名前やらパスポート情報を記入した後、「10時にまた来てくれ」との事で、一旦宿へと戻る。

10時になり再び向かうと、ツアー会社のスタッフと一緒に、すぐ近くの観光局らしき建物に連れて行かれる。
その建物の入り口周辺には、私と同じく許可書を取得しにきたであろう観光客が大量にいる。

スタッフいわく、これからこの建物で照明写真を撮影するとのことで、皆その順番待ちなのだろう。

たっぷり一時間待たされた11時半にようやく呼び出され、写真を撮影した後はすぐに許可書を得ることができた。

体調不良が気になるけれど、これでスピティバレーの核心となるチベット文化圏へと足を踏み入れることができる。

晩ご飯はちょっと健康に気を使って野菜炒めと味噌汁。
どうか翌日は体調が戻っていますように…。

(走行ルート:Bhabhanagar→Recong Peo)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です