まだ始まったばかり〜Jagatまで

Besisahar~Jagat
5/8 (900days)

やはり空身の自転車だと、起床してから出発準備が整うまでの早さが段違い。
普段は自転車と荷物を宿の外に出すのに3往復は必要なのであり、時間もかかるし、気温の高い国だと走り出す前から汗だくにもなる。

重たいバックパックを背負って自転車を漕ぐのはきついけど、朝の準備が楽という点においては非常に助かる。

ベジサハールから、いよいよアンナプルナサーキットが始まる。
最初のチェックポストがあり、カトマンズで取得したTIMSとACAPを提示する。
パソコンでのデータ管理と、ノートブックにも情報を書き記している。
今のご時世、ノートに記入して後で見返すことあんのかな。

ベジサハール以降は未舗装路が続くと聞いていたのだが、本当に町の出口からキレイにアスファルトから未舗装路に切り替わった。

ちなみにアンナプルナサーキットはトレッキングの名所ではあるのだが、トレッカーのルートとは別に、車が通れる道がある。

ポカラを起点とすると、アンナプルナサーキットは全長で約450キロ程。
その内の、山頂付近の35キロ程だけが走行できないだけで、後は車もモーターバイクも走行することができる。

歩行者以外、乗り物で唯一自転車は山頂付近も走行できるのであり、そりゃそんな道があれば、一部の酔狂な自転車乗りはこぞってここにくるわな。

ベジサハールからしばらく走って、アンナプルナ保護区に突入。
今のところ、全くと言って良いほどトレッカーを見かけることがない。
4WDの車は時折通るから、トレッカーはもう少し先の集落からスタートするのかもしれない。

保護区には入域したけれど、アンナプルナはまだ見えない。
渓谷の川沿いに、ほとんどフラットに近い道が続いていく。

未舗装路と登り坂でかなり苦戦するかなと思っていたのだが、思ったよりかは良いペースで進むことができる。

11時ごろ、走り始めて15キロ進んだところにあったNadi Bazarという集落に到着。
この時点で標高はまだ930メートル。
地図をみるにこの先から登りが始まるようなので、ちょっと早いながら昼食を摂ることに。

昼食は当然、EBCトレッキングでもお世話になったダルバート。
400ルピー(約400円)と平地の4倍はする値段だけれど、おなかいっぱい食べられるし味も美味しい。

トレッキングなどのアウトドアレジャーをしていると、節約のためか食事をビスケットや缶詰なんかで済ませる人を偶にみかける。
個人的には、特に長期間に渡って体を動かす野外活動において、食費をケチるというのは愚行だと思っている。

活動中はしっかりと量を食べ、酒などのアルコール類は飲まずに、早めに眠り、翌日に備える。
これが、自然で遊ぶ人間の最低限のマナーだと思う。

さて話を本筋に戻し、Nadi Bazarからはやはり登りが始まった。
道には砂が多く、かなり滑る。
斜度もきつく、時折自転車の前輪が浮くくらいの区間もあり、いくら空身の自転車とはいえ体力的にも結構しんどい。

渓谷の対岸側の山をみると、山肌に細い道が通じている。
恐らくはそれがトレッカー用のルートなのだろう。

私が走っている道よりも随分高い所に道は通されており、トレッカーにはかなりきつい道中だろうと予想される。

そのトレッキングルートも、偶にこうした吊り橋によってこちら側の道と合流する。

道は登り坂一辺倒だろうと予想していたのだが、意外にもアップダウンが連続する。
道が悪いため下り坂でもブレーキをかけて降るのだが、空身の自転車が止まらないくらいキツイ斜度があったりする。
乗っていてもわかるくらい、かなりのスピードでブレーキシューが削れていっているのが分かる。

下り坂というのは本来、ペダルを漕がずに体を休め回復を図る区間、になる。
しかしこういう道だとブレーキを握りっぱなしなので、もちろん手は疲れるし、体も衝撃に備えて力が入っているため、全然休まらない。

更に悪いことに、この道中で休めるような商店というのがほとんどない。
トレッカーが歩く方のルートだともしかしたらあるのかもしれないが、ジープロード側では昼食以降全然見かけない。

気温も高いし体力的にも厳しい道中で、飲料水を全部飲み干してしまった時は焦りを感じた。
この日目指すべき集落はまだまだ先なのであり、このまま商店がなかったらどうしよう…
幸いレストラン兼商店が見つかり、水をそこで購入できた時は心底ホッとした。

この日の走行最後の2キロは、厳しいつづら折れ。
本来つづら折れというのは、斜度を緩やかにするために作られるものなのだが、ここの区間は斜度もきついし長い。

汗と砂埃にまみれて、ここさえ乗り切れば…ここさえ乗り切れば…という思いで進んでいく。

つづら折れを登りきった先、山の斜面にJagatの集落が見えた時瞬間、体から力が抜けるようだった。

Jagatの集落には15時半到着。
山小屋が結構な数あり、それぞれから女将さんが「ハロー」と声をかけてきて客引きをしてくる。
適当な宿に目を付け、値段を聞いてみると100ルピーで部屋で充電もできるとのことで、そこに投宿することに。

Jagatの標高は1,300メートル。
まだここではホットシャワーもWifiも使うことができる。
キツイ道中だと思った一日だけど、まだまだここは下界なのだと思うと、先は長いなぁ…

(走行ルート:Besisahar→Jagat)

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