エベレストベースキャンプ到達〜Gorak Shepまで

Lobuche~Gorak Shep
4/20 (882days)

昨晩は小さな頭痛が続き、浅い眠りと覚醒を繰り返し、今朝も頭痛が続いている。
これまでの経験上、標高4,200メートルを超えると集落の数はガクンと数が減る。
人が住める環境としては、そこら辺の標高が限界なのだろう。
標高5,000メートル以上というのは、本来は長居すべき世界ではないのだ。

朝食はシェルパシチュー。
野菜とニンニクがたっぷり入っており、炭水化物としてマカロニパスタも入っている。
朝から必要なエネルギーが十分に採れ、正に山の飯として最適のメニューだろう。

この日目指すはGorak Shepという集落。
EBCトレッキングコース上の最後の集落であり、ここに荷物を置き、ゴール地点であるエベレストベースキャンプに到達する予定だ。

6時45分に出発。
進む先は曇っており、逆に下山方面は晴れている。
下山方面では、Tabucheがトレッキングコースを飲み込まんばかりの迫力で聳え立っている。

時間が立つにつれて進む方角も雲が晴れ出し、エベレストベースキャンプを目指すに相応しい天候に。
右手には5,820メートル峰のMehra Peakと思われる山が、白煙をオーラの様に纏っている。

道はかなり厳しい斜度の登りとなってきた。
呼吸を乱すと一気に高山病が悪化するため、とにかく呼吸リズムを乱さない事に集中し、ゆっくりと進んでいく。

ちなみにトレッキング初日からここまで、ギリシャ人のエヴァンと一緒に山小屋を相部屋しているが、歩いている時はほぼ別行動をしている。
ペースが余りにも違いすぎるので、どちらかに合わせようとすると、体力的に無理だったり遅すぎてストレスを感じたりするのだ。

そのため、滞在する山小屋で合流し、相部屋をして晩ご飯は一緒に食べる…というスタイルを取っている。
これは別にどちらが言い始めた訳でもなく、暗黙の了解のようになっており、付かず離れずの関係で気楽で良い。
この日も、歩き始めてからエヴァンは遥かに後ろの方に遅れ、姿が見えなくなるくらい距離が離れた。

登り切った先の丘から見える、クンブー氷河が侵食した谷間の展望が素晴らしい。
ここでエヴァンを1時間程待ってみたのだが、一向に現れないため先へと進む。

クンブー氷河の源流を辿っていくと、その側に黄色いテントが密集しているのが見える。
どうやらあれがエベレストベースキャンプらしい。

Gorak Shepには10時半に到着。
エヴァンは随分と遅れているようで、昼食には少し早いけれど山小屋でシェルパシチューを頼み、食べながら待つ事に。

私から遅れること1時間程して、エヴァンが到着。
山小屋で部屋を確保し、荷物を残していよいよエベレストベースキャンプへ!

待っている間に雲が立ち込め、雪が降り出してしまった。
地面は泥々になり、何とか靴が汚れなさそうな所を見つけて進んでいく。

泥々の区間を越えると、大きな岩が転がる様になり、大きく足を上げないと段差を越えられない場所が出てきた。
歩幅を小さくしてオーバーペースにならない様にするのが高山病対策となるのだが、運動強度が上がった事で息が上がる。

ベースキャンプは前方に見えるのに、一向に距離が縮まらず、とてつもなく遠く感じる。

そしてGorak Shepから歩くこと2時間程の14時頃、遂にエベレストベースキャンプに到着!

標高は5,464メートル。
スタート地点のルクラから歩き始めて7日間、遂にゴール地点に到達することができた。
ベースキャンプにはタルチョがはためくモニュメントがあり、そこではトレッカー達がみな喜びを隠さず笑顔で記念撮影をしている。

私も撮影待ちの列に加わり、しっかり記念撮影。

ベースキャンプには複数の登山隊が滞在しているらしく、たくさんのテントが設営されている。
テントのすぐ近くに氷河がせり出してきており、夜中はかなり寒くなりそうだ。
ここを起点に、エベレストの頂上である8,848メートルを目指す事になる。

エベレストを登るには、登山料として700万円近いお金が必要らしく、それでも年間にたくさんの登山客が頂上に押し寄せるとのこと。
私がEBCトレッキングを終えてからニュースになっていたが、頂上付近で大渋滞が発生し、複数名が高山病を発症して待っている間に亡くなった…という事が報じられていた。
タイミング的に、恐らくはこの時に滞在していた登山客なのだろう。

しばらく滞在していたのだが、氷河に近い事と風が吹き始めたため、かなり寒い。
到着から45分待ち、エヴァンが無事にベースキャンプに到達したのを見届けて入れ替わりで下山する。

帰りは脇目もふらずに黙々と下山していく。
Gorak Shepには1時間ちょっと、16時に帰ってくることができた。

集落では地元民がサッカーをしている。
Gorak Shepを発った時から既にサッカーをしていたから、4時間はし続けていることになる。
一体どんな肺活量をしているのだろう…ここからプロサッカー選手になってもおかしくない才能が眠っていそうなものだが。

宿に戻った後は体を冷やさない様、レモンティーを注文し、リビングで寝袋に包まる。
ちなみにエベレストベースキャンプでは、エベレストを見ることはできない。
Gorak Shepから分岐する、標高5,550メートルの通称・カラパタールという展望台からその頂上を拝む事ができる。

カラパタールからご来光や夕焼けを見るのが、トレッカーに人気なのだとか。
写真を見る限り、夕焼けに染まるエベレストがとても美しく、私も夕焼け時に登りたかったのだが、今の時期は正午を過ぎると曇ってしまい、それは望む事ができない。

ということで、翌朝の日の出前にカラパタールを登り始め、ご来光を拝む事に。
これがEBCトレッキングの集大成であり、いよいよ下山を始める事になる。

(トレッキングルート:Lobuche→Gorak Shep→EBC→Gorak Shep)

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