ナムチェバザールで延泊

Namche Bazar
4/15 (877days)
昨夜に感じた高山病の初期症状は、今朝は現れていない。
どうやらダイアモックスがうまく作用してくれたらしい。
6時頃にベッドから体を起こし、寝ぼけ眼でカーテンを開けて外を覗く。
ナムチェ バザールの背後に聳える大きな雪山が、視界いっぱいに飛び込んできて、一気に目が覚めた。
昨日は曇り空で全く見えなかったのだが、ナムチェバザールは周囲をぐるっと山で囲まれているらしい。
その山々と町との距離の近さに驚き、そしてその迫力にしばらく山から目が離せないでいた。
この日は最高の天気で、ほとんど雲も無いような快晴。
こんな日に歩かないなんて勿体ないのだけれど、高度順応のためにナムチェバザールで延泊していくことに。
エヴァンも高度順応のため延泊するとのことで、高度順応の散歩に、一緒にホテルの近くにある展望スポットへと向かう。
展望スポットには、登山家・ヒラリーと共に人類で初めてエベレストに登頂したシェルパ、テンジンの銅像が立っている。
誇らしげにポーズを取るテンジンの背後には、ヌプツェ、ローツェ、アマダブラム、タマセルクと、山に疎い私でも名前は知っているくらい有名な山々が聳え立っている。
この日はそのヒマラヤ山脈の一角であるアマダブラム峰が、特にくっきりと見える。
展望台には展示スポットもあり、写真や山岳民族の生活用品などが展示されている。
エベレスト登頂を目前にした、登山家ヒラリーとシェルパ・テンジン。
中国の文字を消し、チベットと書き直された地図。
ちょっと痛快な気持ちになるのは、ここだけの話。
展望台を降りた後は、もう一つの展望台へと向かう。
こちらの展望台は丘の頂上にあるホテルまで続いており、先程までいた展望台よりも高い位置からヒマラヤ山脈を望むことができる。
ホテルまで続く道はかなりの急勾配で、しかも距離が長い。
まだ高度順応が十分ではないため、息を切らしながらエヴァンと共にゆっくりと進んでいく。
高地で薄い雲が上空に漂っているからか、暈(太陽の周りに光の輪が現れる現象)が見られる。
ゆっくりながら着実に標高は上がっていき、来た道を見下ろすと、ナムチェバザールが遥か下に見える。
お鉢状に町が形成され、それぞれの家がカラフルな色で屋根を彩っている。
高い位置から見る家々は小さく、そのカラフルさも相まって、レゴブロックで作った町の様な可愛らしさがある。
トレッキングルートの入り口から2時間ほど掛けて、展望スポットであるホテルに到着。
標高は約3,800メートル。
エベレストベースキャンプ全体の工程としては、まだスタート地点から少し進んだに過ぎないここですら、既に富士山よりも高い標高になる。
一つ目の展望台よりもヒマラヤ山脈群との距離が近く、ますます迫力を感じる。
なお、エベレストは残念ながら雲に隠れていて拝むことができず。
展望をゆっくりと楽しみ、ナムチェバザールの町へと降りてきた。
ナムチェバザールは町全体がその名の通り市場のようになっており、カトマンズ程ではないがトレッキング用品も一通り揃えることができる。
普通に考えて、トレッキングする人間は絶対にカトマンズにまず滞在するだろうから、ここで買う物なんてないとは思うのだけれど、それでも買う人間はいるんだろうな。
いよいよ明日からは本格的にトレッキング開始だ。
ヒマラヤ山脈をこの足で歩けるなんて、楽しみだ。
(トレッキングルート:Namche Bazar)