飛ぶと言ったな?ありゃ嘘だ〜Ramechapまで

Kathumandu~Ramechap
4/9~4/12 (871~875)

私が出会うサイクリスト全員からオススメされたミャンマーを諦めてまで、ネパールのカトマンズまで飛行機で飛んだのは、エベレストベースキャンプトレッキング(以下EBCトレッキング)をするために他ならない。

EBCトレッキングのシーズンは、雨季に入る前の3〜5月末か、乾期の10〜12月。
5月末になるとヒマラヤ山脈に雲が掛かり、全く景色が楽しめないらしい。
タイからミャンマー、インド東部そしてネパールと走ると、とてもじゃないがシーズンには間に合わない。
ということで、飛行機で飛ばした次第。

シーズンというだけあって、カトマンズを歩いている人間はネパール人よりも外国人の方が多い気がする。

通りの頭上は看板で埋め尽くされ、英語、日本語、韓国語、中国語と文字のちゃんぽん状態。

そして異常に埃っぽい。外を歩けば5分で喉が痛くなるため、マスクをすぐに購入した。

中心街であるタメル地区には、トレッキング用品が溢れかえっている。
なお、7割は偽物だったりB級品という話。

まぁシェルパ(ネパールの山岳民族で登山をサポートする人の通称)やガイドなんかはこの偽物アウトドア用品で年間通して何度もEBCトレッキングしているだろうから、トレッキング程度なら全然問題ない質だろう。

自転車旅行とトレッキングは装備に共通する物が多く、買い足す物もないだろうと思っていたのだけれど、結局杖やアンダーウェアにトレッキングパンツ、グローブとかなり買い足すことに。

タメル地区の店は接客がしつこいし、ぼったくり価格なので、タメル地区から少し離れた店で一式を揃えた。

トレッキングは夕方前には山小屋に投宿するだろうから、暇を見越して日本語の本を何冊か購入。

カトマンズには日本料理屋も多く、味も普通に美味しい。
特にレストラン・絆のカツ丼は美味しいし値段も300ルピー(300円)と安く、最終的にはここばかり通っていた。

こちらは中華料理の餃子…
ではなく、ネパール料理のモモという料理。

形も味も餃子にそっくりだが、付けるタレが違い、ドロっとしたソースを付けて食べる。
ソースは店ごとに違うため、食べていて飽きない。

タメル地区を離れるとローカルな雰囲気が増し、よりごちゃごちゃした町並みとなる。

何をどうしたら、電線がこんな事になるんだろう。

話をトレッキングに戻す。
カトマンズに到着してから慌ただしく準備をし、4日後にはトレッキングを開始することに。

トレッキングのスタート地点はいくつかあり、一番メジャーなのはカトマンズから飛行機で30分飛んだ先にある、ルクラという町。

お次が、カトマンズから車で数時間の場所にあるジリ、という町。
ジリ以降、ルクラまでは車が通れる道がなく、登山道しかない。
ジリからトレッキングを開始した場合、ルクラまでは大体1週間くらい掛かるらしい。

ネパールではEBCトレッキング以外にも挑戦したい事があり、それも梅雨前にやりたいため、そこまで時間に余裕はない。
ということで、今回はカトマンズからルクラまで飛行機で飛ぶことに。

飛行機代は片道169ドル。たった30分程のフライトに支払う額としては、余りに高すぎる。
まぁ、世界中から旅行者が集まってくるのだから、どれだけ値段を吊り上げても客足は途絶えずに航空会社はウハウハだろうな。

EBCトレッキングのルート自体も複数あり、私は初心者向きでかつ日数も少なくて済む、エベレストベースキャンプとカラパタールという展望台を目指すルートを採用した。
このルートだと、大体往復で10日間の行程となる。

今回はガイドもポーター(荷物を持ってくれる人)は付けずに、完全に個人で行く事に。
まぁ、標高は確かに高いけれど、所詮はトレッキングなので、装備さえしっかり整えていさえすれば自分一人でできるだろう。

そして迎えた4月12日、トレッキング初日。
私のフライトは10時半なのだが、ツアー会社には8時半には空港へ行け、とのことでタクシーで空港へ向かう。

ちなみに2018年現在、カトマンズの空港は改修工事中で、午前10時頃まで空港は使用不可となっている。
ルクラ周辺は雲が発生しやすく、そして一度雲が発生すると山頂に雲が引っ掛かってしまい翌朝になるまで晴れることはない。

そして困った事に、雲が発生すると安全状の問題で、飛行機が飛ばなくなるのだ。
よく聞く話だと、トレッキングを終えてルクラからカトマンズに帰るのに、飛行機が飛ばずに3日間ルクラに滞在を余儀なくされた…なんて事がザラにあるらしい。

雲はこの時期だと大体正午ごろから発生するため、できるだけ明朝の時間に飛ぶ事が最善の策なのだが、何を考えがえてネパール政府はその最も良い時間である6〜10時という時間で空港を閉鎖するのだろう?
なおこの工事は2年間続くのだそうで、その間ずっと馬鹿げた空港閉鎖を続けるのだろうか。

そういう事情があり、ツアー会社からはカトマンズからバスに乗り、ラメチャップという郊外にある町の空港からルクラに飛ぶ事をしきりに勧められた。
この場合は明朝6時から飛行機が飛べるのであり、ルクラに雲が掛かる可能性が低い。
ただしこの方法の場合、午前1時にカトマンズを出発し、バスに揺られて5時間も山道の悪路を進まなければならない。

私は5時間もバスの中、。知らない人間と肩を寄せ合うなどとてもできないし、酔ってゲロを吐く姿を容易に想像できたため、カトマンズ→ルクラ間の直行便に拘った。

さて、フライト時間は10時半なのだが、その時間を過ぎても一向に飛行機へ案内されない。
そして、なぜ待たされているのかの説明もないままに2時間も時間が経ち、ようやく飛行機への搭乗が開始された。

飛行機はプロペラ機で、店員は20人ほどの凄く小さな機体。

客室とコックピットは壁もなく、丸見えの状態。

さて飛行機は無事に飛び立ったのだが、実は飛行機に搭乗する前から、CAに「今ルクラには雲が掛かり、着陸ができない。なので、カトマンズから一度ラメチャップに飛び、そこで雲が晴れるまで待機する」との説明を受けていた。

カトマンズから飛ぶ事20分ほど、13時ごろラメチャップの空港に到着。
空港の周りには小さな建物が並ぶだけで、本当に小さな何もない集落である。
空港には私の飛行機と同様に、雲が晴れるのを待機する他のグループが3機程停まっている。

空港の外に出ても時間が潰せるような物はなく、客はみな空港のボロい建物で待機せざるを得ない。

3時間ほど待たされた夕方16時、ようやくルクラへと向かうとのことで、「やれやれ、まぁかなり待たされたけど今日中にルクラには着けるから良かったね」と、私も含め全ての乗客がそう思ったはずである。

まさか、いざ飛んでみたはいいけどやっぱりルクラに雲が掛かり、10分間飛んだだけでラメチャップに戻ってくるとは、誰も思ってもいなかった。

ラメチャップに戻ると同時に今日のフライトのキャンセルが発表され、「翌朝5時に空港集合」とのアナウンスがなされ、「はい解散」とリリースされてしまった。
もちろん航空会社によるホテルの手配なんかある訳なく、乗客それぞれが自らこの何もない集落で寝床を探さなければならない。

私は空港から歩いて15分程の場所にホテルを見つけ、何とか投宿する事ができた。

4/13

翌朝。朝5時に乗客が集まり、再び荷物をチェックインさせ、待機する。

しかし、一向にフライトする気配がない。
この日はどうやら明朝からルクラに雲が掛かっており、飛行できないという。

一度、13時半に「今から飛ぶぞ!」と案内が掛かった。
乗客はみな素早く搭乗し、飛行機も滑走路へと向かい、飛び立つ前に大きく音を立ててエンジンをふかし始めた。

ようやくラメチャップを離れられるぞ!
飛行機が滑走路を進み始める。
このまま加速してフライトだ!

乗客誰もがそう思ったのに、飛行機は加速せず、滑走路から再び待機場所へと移動した。
「また雲が出たから飛べない」というアナウンスがなされた。

朝5時から待たされ続け、もう乗客みなヘトヘトだ。

遂には待ちきれない人間も出てき始め、ヘリコプターでルクラへと向かい始める乗客も。
ヘリコプターだと雲の切れ間を縫って着陸ができるのだという。

ちなみにお値段は驚愕の2,000ドル!
できるだけ人数を集められれば、金額を割ることができて一人当たりは安くなるのだが、それでも最低300ドルは掛かってしまう。

結局、夕方16時まで待たされた挙句、「今日は飛ばないからまた明日5時に来てね」という案内が。

本当にトレッキング開始できるのかいな…

(ルート:Kathumandu→Ramechap)

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