«世界遺産»アンコール遺跡群

Angkor Wat(アンコールワット)

アンコール・ワットは、カンボジア北西部に位置するユネスコの世界遺産(文化遺産)であるアンコール遺跡の一つであり、その遺跡群を代表する寺院。
ヒンドゥー教寺院として作られたが、16世紀後半に仏教寺院に改修され、現在も上座部仏教寺院となっている。

サンスクリット語でアンコールは王都、クメール語でワットは寺院を意味する。
大伽藍と美しい彫刻を特徴としクメール建築の傑作とされ、カンボジア国旗の中央にも同国の象徴として描かれている。

12世紀前半、アンコール王朝のスーリヤヴァルマン2世によって、ヒンドゥー教の寺院として30年を超える歳月を費やし建立される。
(※Wikipedia「アンコール・ワット」より引用)

世界一周を目指す自転車旅行者なら誰もが読んでいる、石田ゆうすけ氏の旅行記「行かずに死ねるか!」。
氏は、9年間の旅行中で最も印象に残った古代遺跡に、グアテマラのティカル遺跡を挙げている。

氏にとって、グアテマラは旅行の序盤に訪れた国であり、ティカル遺跡は感動する美しさだったが、以降訪れた中でその感動を上回る遺跡はなかったという。
しかし、旅行の終盤に訪れたアンコール・ワットはティカル程ではないが美しく、印象に残っている…と同作の中で述懐している。

中南米はマヤ文明やインカ帝国の遺跡がごろごろそこら中にあり、その周辺を走行中は最初の頃こそ楽しみにして観光いていた。
しかしあまりの遺跡の多さに飽食気味になり、どれも同じようにしか見えなくなっていった。
ペルーのマチュピチュ遺跡なんかは、結局訪れず終いとなった。
ちなみに私の中で印象に残っている遺跡は、メキシコのウシュマル遺跡か、グアテマラのヤッシャー遺跡となっている。

アンコールワットはそんな南米以来、久しぶりに訪れる古代遺跡だ。
「カレーも毎日食えば飽きるけど、久しぶりに食えば美味い」と同様、古代遺跡も久しぶりに見れば感動するだろうと期待していたことと、「石田氏が言うなら良いのだろう」ということで、訪問を楽しみにしていたのである。

観光客の多くがアンコールワットでご来光を見ようとするらしいのだが、そのためには明朝4時くらいに起床しなければならない。
そこまでしてご来光を見たいものでもなかったので、日の出後の朝7時くらいから、同宿の二人とトゥクトゥク(三輪タクシー)を貸し切って観光することにした。


さすがに世界的に有名な遺跡だけあって、修復が進んで保存状態がめちゃくちゃに良い。

回廊にはインドの叙情詩「ラーマーヤナ」の物語がレリーフとして描かれている。

元はヒンドゥー教の寺院として建てられたアンコールワットだが、その後数百年後に仏教寺院に改修された歴史があり、仏像も安置されている。

仏像近くでは、僧侶が訪れる信徒のために祈りを捧げている。

壁には叙情詩の他にも細かなレリーフが無数にある。
その中には顔のない仏や神々がいる。
これは下書きがそのまま放置されたもので、完成されたものはしっかりと立体的に掘られた顔を持つ。

アンコールワットを離れ、お次はバイヨンと呼ばれる別の遺跡へ。
アンコールワット周辺にはいくつもの遺跡が存在しており、それを総称してアンコール遺跡群と呼ばれている。
遺跡群全体で見ると広大な面積に広がっているのであり、タクシーなどを利用しなければ1日で回りきることは難しい。

自転車でアンコールワットを回らないのかって?
前日に地雷博物館までの往復やらで70キロ走って疲れたから、パスしました。

バイヨンには仏塔がいくつも並び、それぞれに顔が彫られているのが大きな特徴である。

どの顔も、微笑みを湛えている。

門を潜り、最後にアンコールトムへ。

個人的にはアンコールトムが一番好きな遺跡だったかな。
衰退した文明が自然に飲み込まれ、歴史の表舞台から姿を消した雰囲気がよく表れている。

朝7時半頃から丸々半日歩いても飽きないくらい、写真を撮りまくっていた。
これはアンコール遺跡群の修復と保存状態の良さから、遺跡を歴史的な面から見るというよりも芸術作品の様な感覚で見る面が強かったからだと思われる。
私のような不勉強な人間でも、眺めているだけで楽しめる敷居の低さが、アンコール遺跡群の良さではないだろうか。

入場料が30ドル以上とべらぼうに高くはあるのだが、確かに訪れる価値はある、満足度は高い遺跡だった。

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