それは変えないで〜Kampong Kdeiまで

Kampong Thma~Kampong Kdei
3/25 (856days)
言語というのは、国が変わればそれぞれ違った物になる。
それでも、私がこれまで訪れたほとんどの国はアルファベットを採用していた。
その場合、書いてある言葉の発音は分からなくても、ある程度の日数をその国で過ごせば「あれはレストランという意味だな。これはホテルという意味だな」という風に、認識ができるようになる。
それがラオス以降はアルファベットではなく、ラーオ文字やタイ文字、クメール語とそれぞれ独自文字が使われるようになった。
これらの文字は日本人には全く馴染みがなく、どれだけ頑張って覚えようと思っても、全く頭に入ってこない。
タイにいた頃、スマホに「ホテル」を意味するタイ語を事前にスクリーンショットしておいて、それを頼りに町でホテルを探してみた。
タイ語の文字はどれもミミズが張っている様にしか見えず、スマホの画面から目を離して看板の文字と見比べても、どれが同じ文字なのか分からず、結局ホテルは見つけられなかった。
その点、数字はアラビア数字(0〜9を表す数字)が全世界共通であり、どんなに言葉が通じない国であろうと紙に数字を書けば、買い物の交渉ができる。
アラビア数字こそが、言葉の通じない国を日常的に移動しながら生活する自転車旅行者にとって、心のオアシスなのである。
だから、数字をクメール語で書くのは辞めてください。
しばらく走り、やたらと石像が並ぶ集落に入った。
道の左右にずらっと並ぶ石像は壮観でもあり、不気味でもある。
集落全体が工房になっているようで、それぞれの露店で職人が現在進行形で石像を造っている。
30キロほど走ったところで雨に捕まる。
ちょうど大きめの町に着いたところで、ガソリンスタンドに避難できたのはラッキーだった。
雨が弱まったところでガソリンスタンド抜けて昼食休憩。
今日もおかずびっくり箱。
カンボジアではバイクだろうと車だろうと、とにかく積み込むだけ積み込んで、移動店舗として物を販売していることが多い。
車に服を大量に引っ掛けて、移動アパレル店を見たこともある。
途中でパン屋を見つけ、小休憩。
田舎でパン屋があることは本当に珍しい。
この日は124キロ走り、Kampong Thmaに到着。
カンボジアは内戦時代、大量に地雷が国土内に埋められた過去を持つ。
今でこそ大部分が除去されたようなのだが、未だに犠牲者が出るらしく、とてもじゃないが野宿をする気にはなれない。
(走行ルート:Kampong Thma→Kampong Kdei)