ハイヴァン峠を越えてリゾートへ〜Da Nangまで

Hue~Da Nang
3/7 (838days)
観光も終え、Hueの街を出発する。
この日はベトナム国道1号線を南下し、ベトナム有数のビーチリゾートであるDa Nang(ダナン)の街を目指す。
途中にはハイヴァン峠という、海岸線を通る風光明媚で有名な峠が待ち受けている。
ラオスでの峠越え以降、全く山道とは無縁の走行だったため、この日はちょっと気合を入れてかからないといけないな、と気合を入れての出発である。
出発してからはしばらく平坦な道が続く。
というか、ハイヴァン峠はダナンの街のちょっと手前にあるため、フエから80キロくらい走ってようやく峠が始まるのである。
半日以上掛けて走って、体力的にも消耗した後に峠越えとは、正直言って今からげんなりなのだが。
ベトナムを走っていて何が楽しいかと言えば、そこら中に補給食になり得るものがあるということである。
ちょっと小腹が空いたり喉が乾けば立ち寄って、腹や喉を満たし、潤すことができる。
中でも私のお気に入りなのが、サトウキビジュースである。
これは屋台として出店していることが多く、注文すればその場でサトウキビを絞ってくれる上、氷も入れてくれるため、新鮮で冷たいジュースが飲める。
ハイヴァン峠が海岸沿いを走る道ということだけあって、しばらくすると海が現れる。
リゾート地であるダナンに近付いているだから砂浜でもあるのかな?と思ったが、入江になっており、漁港として使われているようだ。
後々聞いた話だと、ベトナムは東側が全て海に接しているが、海水浴ができる場所は非常に限られているのだとか。
理由は砂浜がなかったり、岸に近くても深くて非常に危険で、毎年少なくない水難事故が起こっているという。
私が海を見れば飛び込みたくなるような人種じゃなくて本当によかったよ。
かなりいいペースで走り、午前中のうちに60キロ進んで昼休憩。
ベトナムの安食堂、コムビンザンでご飯を食べる。
出来合いのオカズを指定して食べるスタイルで、海が近いからか小さなイカが入っている。
昼ごはん食べてすぐ、ハイヴァン峠への分岐に。
ハイヴァン峠はかつて北と南を結ぶ大動脈で、かつその山道のきつさから事故が多発したため、交通の難所でもあったらしい。
今はトンネルを通した新道があり、ほとんどの大型トラックやバスはもっぱらそちらを通っている。
旧道となったハイヴァン峠は原付や自転車が通り、どちらかというと観光客が多く利用している。
ハイヴァン峠の手前も、やはりビーチリゾートにはなっておらず港になっている。
橋から海を見下ろすと、浮かべた桶に乗って釣りをしている現地人が。
大物が糸に掛かった時、ひっくり返ったりしないのか、そればかりが気になる。
いよいよハイヴァン峠に差し掛かる頃、路肩で水が高く吹き上げられている現場に遭遇。
水を垂れ流してもったいないなぁ、と思っていたら、荷台にパンパンに載せられた豚に掛けていた。
さすがの豚も、日中の東南アジアの暑さには参ってしまうのだろう、水を掛けられてどことなく嬉しそうな顔をしているようにも見える。
峠ということでかなり厳しい道を予想していたのだが、意外と緩やかで走りやすい。
眺めも標高が高くなるにつれて、左手には断崖絶壁の絶景が広がるように。
峠に近付くと徐々に内陸に道は入っていき、何度も何度もカーブを繰り返して標高を上げていく。
道から下の方を見やると、自分が登ってきた道が山肌にすーっと伸びているのが見える。
そして遂にハイヴァン峠に到達!
1時間半も掛からず、「あれっ、もう着いたの?」と拍子抜けするくらい、あっさり到着してしまった。
峠には大型バスが狭い道路に幾つも停まり、観光客が所狭しと写真撮影をしている。
ほとんどは中国人観光客のようだ。
峠にはいつの時代の物か、何に使われていたのかは分からないが、石造りの門や廃屋があり、ちょっとしたいい雰囲気になっている。
峠での小休止の後、今度はハイヴァン峠を下る。
降ったすぐ先がベトナム有数のビーチリゾート・ダナンであり、なるほど綺麗な入江に砂浜が広がっているのが見える。
フエにいる頃、「ハイヴァン峠が観光名所になっている」と聞き、「なんでバス旅行者やバックパッカーが峠なんかに集まるんだ?」と疑問に思っていた。
実際行ってみて、たしかにこの峠で見る風景は綺麗で、これなら観光客が集まるのも納得。
標高も480メートル程なので、原付をレンタルして気軽に行けるのも、人気の一つなのだろう。
実際、バックパッカーが原付に乗ってハイヴァン峠に向うのを何組も見かけた。
ハイヴァン峠からダナンは降る一方なので、あっという間にダナンに到着。
ダナンはここ最近外国人観光客も増えてより発展しているそうで、川に掛かる橋も大龍を模したもので非常に豪華。
ダナンでは日本人宿、TABII HOTELに投宿。
フエの日本人宿で泊まっていた時、TABII HOTELのオーナーである小野さんに出会い、紹介してもらっていたのだ。
ドミトリーはないのだが、私は特別に従業員用の部屋で、格安で宿泊させてもらった。
今後、自転車や徒歩での人力旅行者や、ベトナムで語学留学をする様な人には、こういう形で部屋を開放することもあるとのこと。
TABII HOTELは新しいホテルであり内装も綺麗で、なによりも小野さんのおもてなしの心に癒されること間違いなしなので、ぜひ日本人旅行者がダナンに集まる様になってほしい。
小野さんに「ダナンは夜に歩くと綺麗だよ」と教わったので、夜中に少し散歩をすることに。
ベトナムは今まで歩いた街もそうだったが、基本的には夜中に歩いても、大通りであれば治安的な危うさは感じない。
昼間に見かけた大龍の橋の所がライトアップされるとのことで、そこまで足を伸ばしてみた。
運河沿いのビルがカラフルに光り、夜のダナンを彩っている。
そこに掛かる大龍の橋が、時間の経過と共に色が変化し、単調になりがちな夜景を飽きさせない物にしている。
夜景スポットなのでカップルが集う場所で、少し肩身が狭い思いもあったが、存分にダナンの夜景を堪能することができた。
ダナンには2泊し、翌日には近くにある世界遺産のHoi An(ホイアン)の街に行く予定だ。
(走行ルート:Da Nang→Hoi An)