道路は金食い虫〜Hinheupまで

Kasi~Hinheup
2/23 (826days)

昨晩のうちはそうでもなかったのだが、流石に峠越えは体に堪えていたのか、この日は7時起きと少し遅めの起床に。

自転車旅行の場合、早起きすればその分出発時間が早まるわけで、その日の走行に余裕が出る。
普段は6時半起きなので、たかか30分遅れただけなのだが、30分走れば10キロ弱は走れるわけで、この差は実は結構大きい。

まぁ、別に急いで旅行しているわけでもないのだけど。

昨日大きな峠を越えたおかげで、首都・Vientiane(ビエンチャン)までほとんど平坦な道になるらしいので、非常に気楽に走れる。

ただ、路面状況がかなり悪い。
アスファルト舗装と未舗装路が交互に入れ替わるような状態で、未舗装路の部分は石が多く転がっており、自転車が壊れやしないか怖くなるくらい、ガタガタと振動を感じながら走っていく。

これは私の推測に過ぎないのだが、この道は以前は全面舗装路の立派な道だったのだろうと思う。
ラオスは各国からODA支援を受けており、それらは道や橋の建設などに使われており、「この道は日本国の支援によるもの」という掲示物を見るのも珍しくない。

ただ、いくらODAで立派な道ができたとしても、ラオスにはそれを維持する国力がないのだと思う。

最初は綺麗なアスファルトだって、その上を車やトラックが通れば剥げてきて、敷き詰めた石がむき出しになったり、穴ができたりしてしまう。
道を維持するというのは、非常に金が掛かるのだ。

我々日本国民はやれ高速代が高いだの税金が高いだの、文句をたくさん言うのだけれど、そのおかげで素晴らしい質が保たれているわけで。

ラオス政府は結局のところ、道路の質を維持する金がなく、放置するしかないのであろう。
ともすれば、この不自然にアスファルト舗装と未舗装路が交互に現れる不思議な状況にも納得がいく。
後数年もすれば、再び全線未舗装路になるのではないだろうか。

まぁ、そうなる前にまたどこかの国がODAを出すのかもしれないけど。

ルアンパバーンとビエンチャンの間に、Vang VIeng(ヴァンヴィエン)という観光名所がある。
クアンシーの滝に似たような滝があり、そこの小さな泉で泳ぐことができる、自然豊かな町らしい。

確かにヴァンヴィエンに近付くにつれ、益々風景は良くなってくる。
川は文字通り透き通った綺麗な水質で、橋から見下ろせば大きな魚が群れをなして泳いでいるのが丸見えになる程。

で、肝心のヴァンヴィエンはというと、スルーしました。
観光の目玉になっている泉の写真を見たけど、別にそこまで綺麗だと思わなかったし、泉で水泳ならルアンパバーンでしたし…
興味が湧かなかったので、先へと進むことに。

さよーならー。

しかしここから先の道は、この日の前半よりも酷い惨状。
未舗装路の方が多いメイン国道なんて、このラオスという国が初めてである。

そんな酷いメイン国道の脇では中国企業がせっせと高速鉄道を作っているのであり、「そんな下らんもん作るなら、まず道路整備に金出さんかい!」と思わず文句も言いたくなる。

あまりの路面状態の悪さに写真を撮ることもなく、無心で走って走行距離が120キロに到達した頃、日没ギリギリでHinheupの町に到着。

疲労とイライラで不快感が頂点に達した中での到着だったのだが、Hinheupの町の入り口に着いた時、町の背後に沈む夕日が見えた。
ルアンパバーンで見た夕日と同じく、見たこともない赤色をして山に沈んで行くのを見て、そんな負の感情は全てどうでも良くなってしまった。

なぜこんな夕焼け風景になるのだろう?
排気ガスが少ないからだろうか?

ちなみにHinheupには日本のODAにより、立派な橋が掛かっており、それを記念するモニュメントが設置されている。

日本が日出る国だとすれば、ラオスは日沈む国…と言えるかもしれない。

(走行ルート:Kasi→Hinheup)

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