«世界遺産»ルアンパバーン②

托鉢見学や仏教寺院がルアンパバーンでのメインの観光となるが、その他にもいくつか見所はある。

私はルアンパバーンには到着した日を含めて3泊したのだが、出発した日の朝はもう一泊しようか迷うくらい、好きな町であった。

ルアンパバーンから郊外へ30キロ行ったところに、クアンシーの滝という名所があると聞き、空身の自転車で向かった。

途中迷いつつ、2時間程で到着。

入場料に20,000キープ(約260円)を払い入場すると、まず最初に出迎えてくれるのは滝ではなく、ツキノワグマ。

なぜ滝が名所の自然公園でツキノワグマが飼育されているのかは謎だが、観光客には大変な人気者であり、みな競って写真を撮っている。

自転車旅行者である私からすれば、ラオスにツキノワグマが出るなんて寝耳に水であり、野宿してる最中に襲われたらどうするんじゃい…という方に考えが及んでしまう。

さて肝心の滝はというと、15分も歩けばメインのクインシーの滝の展望スポットに到着できる。

正直あまり期待していなかったのだが、予想以上の落差から落ちる滝と、グアテマラのセムクチャンペイに似た段々畑状に連なる様は非常に美しく、迫力を感じた。

クアンシーの滝はいくつか天然のプールがあり、そこで泳ぐことができる。
水温はかなり冷たいのだが、泳いでいる内に慣れてくるし、元々の気温が高いため、冷たい水の中が心地よい。

泳いでいると、プールによってはドクターフィッシュが生息しており、足をツンツンと突いてきたりする。

滝の見学と水泳に合計で2時間ほど滞在したが、非常に満足のいく観光だった。

来た道をまた自転車で2時間かけて帰り、ルアンパバーンにある赤十字が運営するサウナへ。
ここでは薬草のスチームサウナに入ることができる。
値段は15,000キープ程で、時間制限はない。

サウナは窓も灯りもなく、真っ暗な独房の様な部屋で、6人も入ればぎゅうぎゅう詰めになる狭さ。
ただ、薬草のいい香りのスチームを肺いっぱいに息を吸い込むのは気持ちがよく、何となく体に良いことをしている気分になる。

疲れたら吹き抜けの休憩所で、備え付けのお茶を飲んでだらっとして、またサウナへと入る。

丸々1時間ほど滞在して、存分に満喫した。

さて、滝とサウナを満喫した後は、市街中央にある丘を登り、メコン川に沈む夕日を見る事に。

日没は18時10分頃の予報で、私が山頂に着いたのは17時40分頃だったのだが、頂上の展望台は既に人だかりができている。

それでもなぜか良いポジションまで移動することができ、ゆっくりと夕日を眺めることができた。

ルアンパバーンで見るサンセットというのは、世界中の旅行者の間で有名かつ人気であり、私は本来そういう俗っぽい物はあまり好きでない、捻くれた性格である。

ただ、この丘から見る夕日というのは、たしかに特別な瞬間だな、と感じるものがあった。

夕日がその高さを下げてサンセットに迫るに連れて、空も町もオレンジ色に染まってくる。
そして、メコン川もオレンジ色に染まる。
夕日ではなく、メコン川の方が光源なのではないかと思えるほど、輝いて見える。

そして私の心を掴んで離さなかったのが、いよいよ日没寸前、輝きを失った太陽である。
見たこともないくらいに真っ赤な色になった太陽は、いくら見つめても眩しさを感じず、その丸い形をはっきりと両目で捉えることができる。

卵かけご飯の時の、白米の上に乗った生卵の黄身の様に、本当にツヤツヤしている。
私は人生で、こんなにも赤く染まった太陽は見たことが無く、静かに感動を覚え、山に太陽が沈み切るまで目を離すことなく見続けていた。

日が沈みすっかり暗くなったルアンパバーンだが、むしろこの町の活気が最高潮に達するのは、暗くなった夜の時間からである。

メインの道を埋めつくさんばかりにテントが並び、その軒下には土産物をずらっと並べた露店が、隙間なく出店されるのである。

ただしこのナイトマーケット、実にたくさんの土産物が売られているのだが、ラオス人は商売っ気がないのか、全く押し売りも声かけもしてこない。
そのため、全く買う気がない私の様な貧乏旅行者でも、気楽に歩き回って散策でき、非常に居心地が良い。

このナイトマーケットが出展されているのは、仏教寺院の目の前の通りである。
煩悩を捨てるために修行する僧侶達と、値段交渉をしてできるだけ安く土産物を買おうとする煩悩まみれの観光客。
その対立構造も、このナイトマーケットを興味深くさせる一つの要素であろう。

非常に見どころがあり、観光地にあってもどこか緩い雰囲気の漂うルアンパバーンの町。
一つの町にあまり滞在したくない派の私ではあるが、久しぶりに「ここなら沈没(長期滞在すること)してもいいかな」と思うくらい、気に入った町であった。

コメント

  1. お元気ですか?いやいや。元気みたいですね(^_^)
    こちらも忙しい毎日を送っています。店長変わって阿部店長になりました…懐かしい響きですかね(笑)本当に1人になり、あたし以外まだ何ヵ月しか出勤してないパートさん達なので、辛いです(笑)(((^^;)
    この街、素敵ですねぇ…夕日凄い!店長幸せ者ですね。ナイトマーケット掘り出し物ありそう!毎日が新鮮なのでは?どうですか?アジアは。これからも安全な旅を!ブログ一気に拝見しました(^_^)v

    1. お久しぶりです!
      お忙しそうですね…
      東南アジアはとても緩い時間が流れているので、ちょっと旅行に来られては?癒されますよ!

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