このタイミングで当たるかね〜Mu Ang Maiまで

Dien Bien Phu~Mu Ang Mai
2/15 (13days)

この日はついに、ベトナムを出国しラオスへ入国する。
なおイミグレーションは、ここディエンビエンフーから36キロ離れた場所にあり、しかも峠の頂上に位置している。

フルパッキングの自転車にとっては、嫌がらせでしかないな。

ただ救いなのが、ここディエンビエンフーでは安定食屋がそこら中にあり、しかも朝早い時間から開いていることである。

一皿の範囲内であれば、白米にプラスしてこちらが指定したおかずを装ってくれる。
これで30,000ドン(150円)くらい。

ベトナム最終盤でやっとこの手の安定食屋が出てきたのであり、あまりにも遅過ぎる登場ではあるが、これから峠越えをする身としては朝からがっつり食べられるのは嬉しい。

さぁ、気が進まないけど向かいますか。峠の頂上の国境へ。

走り始めて15キロくらいは、本当にこれから峠越えがあるのか?という程、平坦な道を進んでいく。
周りは水田に囲まれており、編笠を被って農作業をする人々という、THE・ベトナムの風景を見ながら進んでいく。
この風景がしばらく見えないと思うと、少し寂しくもある。

次第に道の先に山が見えはじめ、「あぁ、やっぱり峠越えあるんだな」と一気に現実感が襲ってきてゲンナリさせられる。

斜度は意外ときつくなく、案外いいペースで進んでいく。

とは言っても、時速10キロ未満での巡行ではあるのだけれど。

ベトナム側イミグレーションの手前数キロのみが少し厳しい登り坂ではあったものの、予想していた時間よりも少し早くの正午ちょうど、イミグレーションに到着。

このまますっと出国手続きをして、ラオスに入国だ!

しかしイミグレーションの建物に入ってみると、誰もいない。
他の通行客や両替商はおろか、職員すら誰もいない。

建物の中を歩いて回り、ようやく個室の中でベットに寝っ転がる職員を見つけ、出国手続きを頼んだのだが、「12時から13時まで昼休みだよ」とのこと。

そんな南米のシエスタみたいな文化をイミグレーションに持ち込むなよ…
いや、南米ですら国境にシエスタは無かったはずだぞ。

仕方ないので、イミグレーションの側に唯一一軒だけある売店で昼ご飯でも食べようと、中に入る。
トラックの運転手たちも数名、イミグレーションが開くのを待っているのかこの売店で屯している。

ここの売店はというと、注文して20分してもフォーが出てこず。
13時になってイミグレーションが開いたため、「もういいわ」と食べずに出て行こうとすると、「今から作るから」と慌てて調理する始末。

こっちもさっさとイミグレーションを抜けたいから慌てて掻き込んだけど、最後の最後でベトナムにケチが付いた印象。

出国処理自体は全く問題なく、待っている人間もゼロでスムーズだったんだけどな。

ベトナム側のイミグレーションを越えても、そこはまだ峠の頂上ではない。
そこから更に2、3キロ登り坂を進んだところがラオスとの国境になり、そこが頂上になる。

ベトナムーラオス国境のモニュメントは非常に質素。
ちなみに標高は1,200メートル程で、ディエンビエンフーから単純計算で700メートル上がってきたことになる。

ラオスではラオ語という現地語が使われており、アルファベットではなく独自文字が使われている。
ヘビが這っているようにしか見えず、全く理解ができない。

ラオスのイミグレーションも非常に小さく、全く人がいない。
ただ、よく分からない手数料で30,000キープ(約400円。キープはラオス通貨)も支払うことに。
両替商はこの国境におらず、イミグレーションオフィスの出国手続きレーン上に両替の窓口があるという、凄く変なイミグレーションになっている。

この手数料の存在は事前の調べで分かってはいたのだが、賄賂なのかオフィシャルなのか、依然はっきりしないまま旅行者は徴収され続けている。

ラオスのイミグレーションからは一気に下り坂。
谷底まで下り、メコン川の支流沿いに出てからは細かいアップダウンの連続となる。

Mu Ang Maiという集落でようやくATMを発見し、まとまった額のラオス通貨をゲット。
この時点で15時過ぎであり、まだまだ先へ進めるのだが、この先は再び標高1,000メートル以上の峠を越えなければならない。

どうしようか迷った挙句、「ラオス初日だし、ちょっとゆっくりするか」ということで投宿することに。

値段は80,000キープ(約1,000円)であり、ラオスの第一印象は「宿泊費がずいぶん高い」というものだった。

投宿してシャワーを浴び、少しベッドで横になっていると、体に少し違和感が。
どうもお腹の中から違和感がきているようで、しばらく寝っ転がっていたのだが、はっきりと気分が悪くなってきた。

「こりゃあ晩ご飯を食べずに寝っ転がってる方がいいな」と判断し、そのままベッドで横になる。
しかし良くならず、遂には吐き気を催し、実際に吐いてしまった。

この日はラオス側ではまだ何も口にしておらず、当たったとしたらベトナムで食べた朝食の定食か、昼食のフォーか。

ただ吐いた物の中に固形物はなく、胃液にオレンジ色の液体が出てくるだけ。
ベトナムで買って飲んでいた、着色料満載のオレンジ風味の炭酸飲料か?
でもこの朝に買ったばかりの新品で、ジュースが当たるということがあるのだろうか?
着色料の量が酷すぎて、拒否反応が出ているのだろうか。

何度か吐いた後は、悪寒を感じ始め、熱が出てきた。

ラオスという国は非常に険しい山道で知られ、路面状況もかなり悪いという。
また、ノービザで入国した私が滞在できるのは、15日間という短い日数。

ラオスを15日間で走るというのは、そう考えると結構かつかつの日程になりそうだな、と入国前から予想はしていたのだが。
まさか初日から体調を崩すことになるとは…

今日しっかりと寝て、明日の朝に回復してくれていれば良いが、回復してなかったら?
余裕のない日程と厳しい走行が予想されるラオスでは、オーバーステイのリスクを考えると余分な停滞は許されない。

非常に幸先不安なスタートとなったラオス初日となった…。

ちなみにラオスのお札は数字が2つ書かれている謎仕様。
どっちの数字をアテにして支払えばいいんだ!?
大丈夫なのかラオス走行!?

(走行ルート:Dien Bien Phu→Mu Ang Mai)

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