あけましておめでとうございます(旧)〜Hanoiまで

Voi~Hanoi
2/4~2/7 (807~810days)

この日は7時に起床。
窓から外を見てみると、いつもならもう少し薄暗い時間帯であるはずなのに、もう既に外は随分と明るい。

はて、と思ったのだが、すぐに合点が言った。
そうだ、ベトナムに入って時差が発生したんだった。
ベトナムは中国よりも1時間遅れるのだ。

今までの感覚で起きていると、日照時間をそのまま1時間損することになるので、早くベトナム時間に慣れなければ。

前夜に晩ご飯を食べた店で、朝食のフォー。
あっさりしていて朝にパパッと食べる分にはいいのだが、やはり腹持ちに不安が残る。
かと言って、中国のように簡単につまめるような一品料理があるのか分からないため、今はフォーだけで凌ぐしかない。

路上でよく見かけるのが、花が少し付いた樹の路上販売である。
追い抜く、もしくはすれ違う車とバイクの多くがこの樹を持ち帰るため、荷台に括り付けて走っているのを見るに、恐らくは日本でいう正月の門松に当たるものなのだろうか。

後に教えてもらったところ、推察通りであり、ベトナム種の桜だとのこと。
この樹をを玄関や家の中に、テト(旧正月)の期間中飾るのだそう。

首都に近づくと景色が単調になるのは万国共通であり、交通量の増加もあってストレスが溜まる…

というのが私のこれまでの経験則だったのだが、Hanoiに近付いてもそこまで交通量も増えないのは意外だった。
景色が水田ばかりで単調なのは、経験則通りだけど。

やはり朝食がフォーだけでは早い段階でガス欠状態になり、30キロ走ったくらいからヘロヘロ状態に。
しかし、高速道路沿いに走っているため町が全然なく、レストエリアみたいな物も見当たらない。

50キロ走り、ようやく小さな町を見つけたのだが、テトの大晦日の関係かレストランが全然開いていない。
人はいるのだけれど、「営業してないよ」と手を振って断られてしまう。

こりゃこの先もご飯は望めんな…
ということで、商店でコーラと小さな饅頭のような物を買い、Hanoiまでの残り30キロを砂糖の力でゴリ押す事に。

まぁ商店から走って少ししたら、路肩に青空食堂があったわけですが…
コーラと饅頭で十分に補給できているため、やはりそのままゴリ押すことに。

Hanoiを横切る様に、ソンホン川という大きな川があるのだが、この川に掛かる橋が長い。
3キロ程橋の上を走ると、ようやくHanoiの中心にたどり着く。

Hanoiにはそれはそれは多くの原付が、道路を埋め尽くさんばかりに走っているというのが、私のイメージだったのだが、実際にはそこまで走っていない。

「テトの時はみんな田舎に帰っているから、原付が少ない」という事実を、後ほど知る事になるのだが、正直なところ原付に揉みくちゃにされるのを少し期待していたため、肩透かしをくらったところもある。

事故に遭う確率も低くなるし、いいことではあるのだけれど。

中心部に入ってみて思ったのだが、首都にしては洗練されていないなぁ、というのがHanoiの第一印象である。

特に大きな高層ビルが立ち並ぶわけでもなく、小さな家や商店が並ぶ様は、どこか小汚い。
かと言ってスラムがあって治安に問題があるという風でもない。

そこら辺で路上販売や、果ては路上散髪屋があったりして、大都会独特の忙しなさを、Hanoiでは感じない。

昨日滞在したVoiの街や、通過してきた小さな町の雰囲気をそのままにして、街の規模だけを広げた様な感じだなと、私は印象として受けた。

Hanoiでは、日本での知り合いの方に紹介してもらった、ハナさんのご自宅にお邪魔することに。
テトというおめでたいタイミングにも関わらず、快く受け入れて下さった。

ハナさんは日本に1年間留学していた事もある現役の大学生で、日本語でベトナムの文化等を紹介してもらう事ができた。

到着した日がテトの大晦日であり、夜には原付の後ろに乗せてもらい、カウントダウンのイベントを見に行ける事に。

テトはやはり特別な日ということで、旧市街地には年越しを今か今かと待ち構えるベトナム人と、旅行者であろう欧米人がたくさん押し寄せている。

女性や子供たちの多くがアオザイを着て、新年を迎えようとしている。

路上売りが小さな小袋を売っており、あれは何か、とハナさんに尋ねると「ベトナムでは正月に塩を買うと縁起が良い」のだそう。

新年の0時になると、日本のちょっとした花火大会にも負けないくらい立派な花火が打ち上がった。
花火が打ち上がる度に、子ども達が「うわぁ〜っ!」と歓声を上げ、大人達もみな笑顔の表情で、赤や金色に染まる空を見上げている。

ベトナム人にとって、テトというのはとても大切で特別な日というのが、この花火の規模を見てもわかる。
私にとっても、全くお正月気分を味わえなかった今年の1月1日ではあったのだが、この盛大な花火を見て、この日ようやくお正月を迎えた様な感覚を覚えた。

随分と急ぎ足で駆け抜けてきた中国からベトナムだったが、少しの間、ハナさんの家で甘えさせてもらい、ゆっくり過ごす予定だ。

(走行ルート:Voi~Hanoi)

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