100万ドルの夜景<1000円の美味いもん〜香港まで

深玔〜香港
1/18~1/21 (790~793days)

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さて、深玔でカメラが修理できず、香港でできるという事が分かった以上、すぐに向かわない理由がない。

ということで、自転車と荷物は奥井君の家に置かせてもらい、バックパックに必要最低限の荷物を詰めて香港へと出発である。

深玔から香港へはバスか電車での移動になるのだが、今回は電車を使って移動する事に。
バスって小銭を用意したりとか路線図が分かりづらかったりとかで、苦手なんですよね。

電車は中国側の国境管理がある駅で終点となり、そこで一度降りて出国審査を受ける必要がある。
上海入国の際に受け取っていた出国カードを紛失していたのだが、特にお咎めもなく無事出国。

香港側の入国審査はさすがに人が多く、30分ほど待ってようやく通過。
なお、香港側は特に入国スタンプとかはない。

深玔と香港の国境から、香港の中心部まではかなりの距離が離れているため、ここから再度電車に乗る必要がある。

電車に揺られる事30分、香港の中心部である旺角に到着。
さすがに国際都市・香港というだけあり、黒人から白人、アジア人と多種多様の人種がごっちゃ混ぜ。
高層ビルと高級ブランドの並ぶ通りと、どこの国に来たのか分からなくなる。

こういう中国共産党を批判していると思われる街頭演説も、中国本土では絶対に見られない。

散歩もいいが、まずはカメラの修理が最優先。
ということで、旺角にあるPENTAX正規代理店へと足を運んだのだが…

確かに修理はでき、費用も1万2千円と、日本で修理するのと変わらない額で可能。
しかし、日数が2週間。
さすがに2週間も同じ場所に留まることはしたくない。
私は観光も2〜3日もすれば十分すぎると感じるタイプであり、10日間は宿に引きこもっているのが易々と想像できる。

しかし修理するとなると、ここ香港を逃せば、次はタイのバンコクまで正規代理店は存在しない。
修理対応カウンターでかなりの時間を迷ったのだが、一旦保留にすることに。

私としては、ここでもう一つの案が思い浮かんでいた。
そう、新しいカメラを購入することである。
ただしレンズの互換性を考えると、新しいカメラもPENTAXでなければならない。

幸い、旺角はカメラ街として有名な場所であり、多くのカメラ専門店が軒を連ねている。

それぞれの店を何軒も訪ね渡ってみたのだが、やはりPENTAXというブランドはなかなか取り扱っていない。
取り扱っている店も見つかったのだが、10年前の型落ち一眼レフが8万円。
「もうこれに決めちまえ」という心の声を制し、この日はとりあえず宿に行って冷静に考えることに。

夜になっても香港のストリートは人の波が引かず、ネオンがあちこちに灯り、心なしか昼間よりも賑わいがあるように思う。

香港はいくつかの島に分かれており、私が今いる九龍半島の対岸には香港島がある。
その2つの島を隔てる湾はヴィクトリアハーバーと呼ばれ、ここで見られる夜景は世界三大夜景と呼ばれている。

毎日20時、このヴィクトリアハーバーではライトアップショーが行われており、私が訪れたこの日も、大勢の人が開始30分前からズラッと列を成し、ライトアップショーの開始を待っていた。

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翌日。
やはり宿で考えた結果、2週間も待ちたくないということで、カメラを香港で購入することを決意。
しかし、さすがに10年ものの骨董品は買いたくないため、もう少し粘って探してみることに。

その前にまずは腹ごなし。
香港は物価が高く、10元(160円)出せば腹一杯食べられる本土と違い、50香港ドル(700円)は出さないとまともなものは食べられない。

そんななか、行列のできているお粥屋があり、ここで食べていくことに。
有名な店なのか、中には日本人のお客もいたりして、朝から大繁盛である。

肉団子のお粥を注文。
値段は高いが、量も多くて味も美味しい。

旺角でも有名な、SIM CITY。
昨夜にネットで下調べした時にヒットしたのであり、ここならカメラも見つかるんではないかと、一縷の望みを託してビルの中に入る。

複数階層のビルの中は全てカメラ関係の店で、カメラ本体はもちろん、中古レンズがもの凄い数売られている。

しかし、やはりここにも一眼レフ本体は見つけられず。

諦めかけたところ、前日に見落としていた小さなカメラ屋があり、店頭のショーウィンドウをのぞいてみると、何とPENTAXのK70が!
K70は私が現在使っているK-S2の後継機であり、持っているレンズとの互換性も問題はない。

値段を聞いてみると、ボディだけで約6万円と、日本での販売価格と大きく離れているわけではない。
ほぼ即決で購入。
余りに嬉しくて、50mmf1.8単焦点レンズまで購入してしまった。
合計で約9万円。

そんな訳で懐事情は随分と寂しくなったが、これで憂いはなくなったということで、後回しにしていた香港観光をすることに。

香港といえばやはり、ブルース・リーをはじめとした映画スター。
ヴィクトリアハーバーが見える海沿いには、アベニュー・オブ・スターズという香港スター達の手形が展示されている。
そして、何と言っても目玉はブルース・リーの銅像である。

私が香港を訪れた時、アベニュー・オブ・スターズは改装工事中で、別の場所に移して展示が続けられていた。

私は映画を観ないのだが、そんな私でも知っている人物の手形をみると、さすがにテンションは上がる。
サモハンキンポーの手形は、合わせてみると私の1.5倍くらいあるんじゃないかというくらい巨大でビックリした。

さて、肝心なのはブルース・リーの銅像だ。
はっきり言ってブルース・リーの出演する映画なんか一本も見たことはない。

しかし彼をモデルにしたであろう、ギャグ漫画・浦安鉄筋家族の登場人物である春巻先生には、中学生の私は腸が千切れんばかりに爆笑させられた。
同じく彼をモデルにしたであろう、ファミコンの格闘ゲーム・ストリートファイターターボに登場するキャラ、フェイロンは私の持ちキャラであった。
そんな彼らのファンであるなら、元ネタのブルース・リーのファンを十分名乗ってもいいだろう。

しかし、どこを探してもブルース・リーの銅像は見つからない。
売店のおばちゃんに聞いてみると、「あぁ、もうすぐ改修工事が終わるから、ブルース・リーの銅像だけ一足早く元の場所に戻っちゃったんだよね。ちなみに工事区間だから入れないよ」

チーン。

ちなみにコロンビアのメデジンで見た、ボテロ作の銅像は発見。
あのふざけた銅像ばかり作ってる作家、世界的に有名だったんだな。

少々気落ちはしたが、香港最後の夜にもう一度夜景を見ることに。
今度は、私が前夜みたヴィクトリアハーバーの夜景を山の上から見るため、香港島へフェリーで渡る。

フェリー代金は物価の高い香港にあって、約40円と破格の安さ。

香港島には「ピーク(山頂)」と呼ばれる展望スポットがあり、その名の通り香港島での最高峰に当たる地点である。
ここから見る夜景は「100万ドルの夜景」と呼ばれ、世界各国から観光客が押し寄せるという。

ピークにはトラム、と呼ばれるケーブルカーを使用するのが一般的なルートらしいのだが、調べてみると2〜3時間も並ばなければ乗れないらしい。
私はそんな長時間を待てる程我慢強い人間ではないので、バスで向かうことに。

バスは待ち時間がなく、すんなりと乗ることができる。
30分間も山道の中を走るため、降りる頃には車酔いでグロッキー状態ではあったのだが。

ピークに着いたのはまだ夕暮れ時で、小雨もぱらついていたためレストランなどが集まる施設の中で時間を潰す。

蝋人形館があるようで、入場料が高いため入らなかったが、入り口にも精巧な人形が設置されている。

右のおばちゃんは人間です。

そうこうしているうちに陽も落ち、ようやく夜景を拝める時間に。

まぁこんなもんか、という感想です。

さて、夜景も15分も見れば十分であり、頭は既に晩御飯のことで一杯である。
夜景は見ても腹の足しにもならんが、飯は腹一杯食える!と考えてしまう人間です、わたくし。

ということで帰り道もバスに乗り、ヘトヘトになって麓へ到着。
向かった先は、点心専門店。
こちらはミシュラン一つ星の店でありながら、非常にリーズナブルな値段で料理を楽しむことができるということを下調べで知り、是非とも行ってみたかったのだ。

実際メニューを見てみると、目玉は飛び出る程ではないため、3品ほど注文することに。

さすがにミシュラン一つ星ということもあり、私が普段食べている中国料理とは味の上品さが違う。
特に海老点心は、なんじゃこりゃあ!と叫びたくなる旨さであった。


しかし、いくらミシュラン一つ星といえど、香港といえど、ここは中国。
私の隣の客は「注文した物がこない」と文句を言っているし、逆に私のテーブルには「注文していない物」が来る始末。

隣の客に「これ、あなた達の注文したもの?」と聞いたが、「違う」とのことであり、私の伝票にも注文が付いていない。

私としては、出された料理は全て食べる主義の人間であるため、出されたのなら仕方ない。

これだけ食べて1,000円くらいなのだから、やはりかなり安く、非常に満足度が高い晩御飯であった。

そして翌朝、再び深圳に戻り、奥井君の家にお邪魔になり、今後のルートを練ることに。
中国もいよいよ後半戦である。

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