Don’t stop me now〜深玔まで

惠东〜深玔
1/15~1/17 (787~789days)

ボツボツボツ…

うーん…やっぱり60元の安宿は壁が薄いのかうるさいのぉ…
まだ6時にもなってないのに、誰や騒いでるやつは…

寝惚けていた頭が冴えてくるに従って、その音の正体にものすごく嫌な予感を覚え始める…

やっぱり?

自転車を清掃すると、翌日は雨になる呪いにでも掛かっているのだろうか?
というか、冬のこの時期は雨はほとんど降らないとガイドブックで見ていたのだが。
こんなにも雨に降られるというのは、運が悪いどころではないのではないか。

昨日5時間かけて掃除した自転車が、ものの10分で泥だらけになる男の気持ちが分かるか?
え?中国さんよぉ。

深玔まで国道で走るとかなりの遠回りになるため、この日はかなり小さい道路を選択して進んでいく。

鴨家族が道路を横断するくらいには田舎です。

路肩に石碑があり、碑銘を見てみると「革命戦士」とある。
こういう石碑は初めて見たのだが、こういう田舎では、中華人民共和国建国のために尽くした人材というのは、まさに英雄的存在になるのだろう。

しばらく走り、小さな集落に到着。
定食屋もいくつかあり、タイミングもちょうどいいのでここでお昼ご飯に。

最初に入った店で席に着くと、よくわからない事をばーっとまくし立てられた。
取り敢えずウンウンと頷いて、椅子に腰掛けて待っていたのだが、どうやら団体客が来ているようで、大量に料理を作っては奥の部屋へと持っていく。
しかし、一向に私の料理は運ばれてこない。
というか、私自身何を注文したのかも分からない状況。
20分ほど待ってみたのだが、結局何もオーダーが通っていないだろうことを悟り、店を替えることに。

別の店ではすぐに麻婆豆腐が出てきてくれてよかった。

前日くらいからだろうか、料理と一緒にお茶を出してくれるようになった。
中国の定食屋は基本的に水とかは出してくれないのだが、その辺の食文化が南に来るにつれて変わってきたような気がする。

深玔が近づいてくると、流石に田舎ののんびりした雰囲気は無くなり、喧騒に包まれたいつもの中国に戻ってきた。

トランスフォーマーとかのアメリカアクション映画って、中国語翻訳で観るとカオスな事になりそう。
アメリカンな演技と、中国語のアクセントとか言葉の強さは絶望的に合わない気がする。

もう流石にサンタさんを家に帰してあげてください…

そして遂に深玔に突入。
さすがに大都市だけあって、突入してから目的地の中心部までは三十キロ以上も離れている。

深玔は近年になってIT産業を主として大きくなった都市であり、私の友人もそうだが各国からエンジニアやその他の職業人が集まり、半ば人種の坩堝のような状態になっている。
そうした関係からなのか、深玔に入ってからクラクションの数が激減したのには驚いた。

中国に入ってからは、クラクションを鳴らすというのは、屁をこくとか鼻くそをほじるとか、それくらい気軽で当たり前の行為だと思っていたのだが。
あれだけ「喧しい!」と殺意さえ覚えるほどだったクラクションが、なかったらなかったで寂しい…なんて言うと思ったか?
中国人全員が、この状況を当たり前だと考えを改めるべきだね。

深玔は思ったよりも大都会で、明るいうちに到着しようと目論んでいたのが大きく外れ、真っ暗になってもまだ到着できない。
車に轢かれそうになりながらも、大通りを進んでいく。

そして、無事に友人の家に到着。
奥井君は私の小学校の同級生で、今は彼女のウィッキーさんと一緒に暮らして深玔で働いている。

実は小学校の6年間、ほとんど話したこともないくらいの仲だったのだが、社会人の時に卒業以来偶然に再会。
その時にSNSを交換していた縁と、ブログを追いかけてくれていたこともあり、今回彼の家に招待してくれたのだ。

小学校の同級生が、こうして大人になって働いているというのを見るのはなんだか不思議な感じがすることと、異国の地で働いている彼を見ると、私よりも随分大人だな〜という感じがした。

「何日でも居ていいよ!」というありがたい言葉に遠慮なく甘え、数日間滞在させてもらうことに。

1/16~1/17
さて、深玔に来たのには、理由が二つある。

一つは、深玔と目と鼻の先にある香港へ訪問。
香港に入ると「中国を出国した」扱いなり、香港を出て中国本土へ戻った時に、滞在可能日数として15日を新たに入手できる、いわゆる「ビザクリ 」目的。

もう一つが、中国走行初日に発覚した、一眼レフカメラの修理。
中国のビザ日数が30日間と、ただ上海から深玔までの2,000キロを走るだけでもギリギリの日数であったため、道中で修理をすることができないまま走ってきていた。
(そもそも道中にPENTAXカメラの修理をできる店はなかっただろうが)
深玔なら、PENTAXでも修理できるカメラ屋があるだろうと期待していた。

深玔に到着して翌日に早速、深玔の秋葉原と呼ばれる华強北に行ってみる。

複数のビルが建ち並び、そのどれもが複数階層で、小さな店がひしめき合っている。
どちらかというと、中野ブロードウェイのような、少しカオス感を感じる雰囲気だ。

基盤であったり、ヒューズであったり、電化製品の細かい部品をバラ売りしているような店が多いのだが、一部でパソコン本体や、カメラを販売している店も存在している。

その中にはカメラの修理を受け付けている店もいくつかあり、比較的綺麗目な外観の店に入り、修理の依頼をしてみた。

幸いにも主人が英語を話せたため、「電源をオンにして、1枚目の写真が真っ暗になるため、絞り値調整不良ではないか」と説明。
修理日数を聞いてみると、「3日あればできるんじゃないか」とのこと。
こちらとしては1週間、最悪10日は掛かると覚悟していたため、喜んで修理依頼をすることに。

思った以上にスムーズにカメラ修理のことが進んだのであり、テンションも上がってカレーライスを自炊しちゃったりする私。

…だったのだが、翌日に届いたメールで「やっぱりPENTAXは修理できないアルよ」と言われガックリ。

落ち込んでもいられず、次の策を練るためにネットで調べてみると、なんと香港にPENTAXの正規修理代理店があるではないか!

カレー食ってる場合じゃねぇ!
ということで、香港の安宿の予約を済ませ、翌日には香港へと向かう事に。
中国でダラダラ休息を過ごす…というのには、ほとほと縁がないようである。

(走行ルート:惠东〜深玔)

コメント

  1. 奥井君、覚えてるよ。目元とか面影あるよ。家にも来てくれたね✨
    お母さんも可愛らしい感じやった。

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