酢豚が食べたい!〜海丰まで

普寧〜海丰
1/13(785days)
もうここまで散々文句を垂れているが、中国という国では、その日「どの街まで行く」というざっくりした計画を立てても、その街に宿泊できる保証は一切ない。
そのため、極力出発を早めて陽の高い内に距離を稼ぐというのが、最善かつ最大のリスク管理となる。
結果6時半起きと早起きになるのだが、ネットがあるとついつい夜更かししてしまうため、慢性的に寝不足状態である。
中国はどの定食屋もご飯が食い放題ではあるのだが、朝は大抵の店でまだ白米を炊いていないのが残念。
水餃子だけではすぐガス欠を起こし、この後20キロくらい走って肉まんと豆乳も買い食い。
日本製なのに燃費が悪いとは、これ如何に。
ちなみに私の勝手な調査になるが、各国の自転車旅行者を比較するに、日本人の自転車旅行者は他国に比べてエンゲル係数が高いように思う。
(※エンゲル係数=支出に占める食費の割合)
日本人自転車旅行者は純粋に食う量が多いし、自炊するにしても品目数が多い。
逆に圧倒的に少ないのが、フランス人。
1日100キロ走り切って、晩御飯をツナ缶一個で済ませているのを見て絶句した記憶がある。
その人だけが特殊なのかと思ったら、その後に会ったフランス人自転車旅行者も似たり寄ったり。
中国ではよく鳥の飼育場を見かけるのだが、どこも柵も網も張っていない開放状態。
これで食われるのを待っている鳥達は、馬鹿なのか?
中国あるある
この日はお昼ご飯に、排骨飯というのを指差しで注文。
角煮丼みたいな感じで、よく煮込まれていて美味しい。
中国料理のなかでもお気に入りになりそう。
お昼ご飯後に走っていると、前方から賑やかな音楽と共に、神輿が担がれてきた。
なにかの祭りか?と思ったら、神輿には写真が掲げられている。
どうやらお通夜のようだ。
昔読んだ椎名誠の本に、海外のお葬式について書かれた本があったことを思い出した。
そこに書かれていたのは中国ではないのだが、確か東南アジア、タイだったかな?
お葬式はまるでお祭り騒ぎで、神輿を担いで爆竹を投げまくり、音楽と共にパレードをするということが書かれていたように思う。
そこまで馬鹿騒ぎはしていないが、その本の内容を思い出す程には、今まで見たことがないお通夜のスタイルだ。
この日は特に面白いこともなく、もくもくと110キロを走って海丰に到着。
前日と同じく、和式ユニットバス。
ここら辺の地域は、このスタイルが当たり前なのね。
さてさて、投宿した後は晩御飯のレストラン探し。
すっかり中国走行においてのテーマが「食を楽しむ」というものになってきた最近。
広東料理の代表といえば、酢豚。
特別好きなわけではないのだが、やはり中国4大料理の一つと言われる広東料理にあって、その代表格である酢豚はぜひ本場で食べてみなければ。
しかし、かなりの数のレストランで尋ねて見たのだが、酢豚はどこもやっていない、と言う。
中国本場では高級料理の位置付けなのだろうか、それとも実はそこまで一般的な料理ではないのだろうか…
結局30分ほど探してみたけど諦めた。
代わりに食べた白菜肉炒めが十分美味しかったのが救い。
木桶に入っているのは中国南部の文化らしい。
帰り道、大きいホテルでパーティの現場に遭遇。
ウェディングドレスを着た女性が10人くらいいて、タキシードを着た男性も同じ数くらい。
お洒落な格好をした参列者と思しき人がたくさん。
合同結婚式なのだろうか?
奇妙なことに、彼等は全員ホテルの玄関にいるのであり、玄関でアーチを作る様に待ち構えている。
そしてホテルに入ろうとする人に、クラッカーを雨あられの様に浴びせかけているのであり、全く訳が分からない。
こういうよく分からん、と首を傾げるような文化を目の当たりにすると、「あぁ海外に来たんだな」と実感する。
中国は実感する頻度が多すぎる気がしないでもないけど。
(走行ルート:普寧→海丰)