上げて落とすタイプ〜盘陀鎮まで

廈門〜Pantuoの町
1/10(782days)

前日は休息日として自転車は乗らなかったのだが、観光で1日のほとんどを歩いて過ごしたのであり、疲労感は抜けきっていない。

正直、雨でも振ってくれりゃあそれにかこつけて「雨かよぉ。しょうがねぇな、もう一泊!」とか言って休めるのにと思いつつ眠りについたのだが、蓋を開けてみるとこの日は中国に来て以来、初めての快晴である。

こんないい青空見せられたら、走らざるを得ない。

廈門から中国本土へはいくつか橋が架かっているのだが、その尽くが高速道路であり、自転車が通れるのは、私が廈門に来るときに渡った橋しかない。
私は同じ道を走るのは最も忌むべき行為だと思うタイプの自転車乗りなのだが、そういう事情なら致し方ない。

橋を渡る前に朝食を。
蒸水餃と白米を頼んだのだが、米はないとのこと。

親父の言葉に適当に相槌を打っていたら、もう一つ別の餃子が出てきて、食卓が餃子まみれに。
それでも美味しいからぺろっといけてしまうのは、中国の素晴らしいところ。

で、同じ橋を渡って廈門を脱出。

いやぁ、しかし暑い!
何もしてなくても汗ばむ陽気であり、当然ながら半袖Tシャツに半パンである。
ちょっと前までフリースまで着込んで震えながら走っていたことを思うと、信じられない陽気。

私としては、自転車旅行はやはりこうでないといけないと思う。
肌をジリジリ焼かれているのが分かるくらい強烈な日光に、流れ出る汗が目に入って文句を言いつつ、暑さの中に時折感じる涼しい風に心地よさを覚える。
暑い中を走ってこそ、自転車旅行とは楽しいものになるのだ。

風景も心なしか東南アジアっぽくなってきた気がする。

まだまだ正月気分が抜けきらん中国ですな。

中国でキリスト教の教会を見かけるのは非常に珍しい。

仏像屋の神々たちの中に混じって、毛沢東。
個人的には、毛沢東は改革に失敗して未曾有の飢饉を引き起こし、大勢の人を死に至らしめた政治家という印象なのだが、それでも未だに中国で根強い人気があるのは何故なのか、とても不思議に思っている。
政策の失敗はさておき、現在の中華人民共和国を建国した、という革命家的な人気、チェ・ゲバラのような位置付けなのだろうか。

今日のお昼ご飯は、中国のバイキング屋こと快餐屋。
これだけオカズがあって、米が食い放題なんて、自転車旅行者は涙を流して中国に感謝すべきですよ。
食に関してだけは。

お昼ご飯の後は、高速道路の様に殺風景になった国道を走っていく。

サボテン園があったりして、本格的に熱帯地域に入ったんだなと実感する。

16時半ごろ、漳浦という街に到着。
この時点で120キロ程走っており、この先つぎの町までは30キロ以上離れているため、ここで宿を見つけることに。

しかし、この街が外国人の宿泊に関して非常に厳しい取り締まりをしているらしく、尽く拒否される。
どのホテルも看板を見せて「外国人が泊まるには身分証が〜」という掲示を出してきて、その後に「外国人が泊まれるホテルは〇〇と〇〇、〇〇」という紹介をしてくる対応。

対応が全く同じなのをみるに、公安警察の指導が徹底されているのだろう。

紹介されたホテルに行ってみたのだが、「予約してない人は泊められません」ときたもんだ。

途方に暮れたとはこのことなのだが、呆然としているわけにはいかない。
ホテルを探し回っている間にも時間は残酷にも過ぎており、今はもう17時半になっている。

ホテル探しは諦めて野宿をすることにしたのだが、公園の橋桁の下はすでにホームレスが陣取っている。
街のはずれにある村へ行き、住民に頼んで「空き地にテントを張らせてくれ」とお願いするも、にべもなく突っぱねられてしまった。

そんな事をしているうちに、日没を迎えて真っ暗になってしまった。
もうこうなっては進むしか選択肢はないわけで、真っ暗になっても交通量が衰えることなく車が行き交う国道を、当てもなく走り始める。
ナイトランなんて今まで経験したこともなく、しかもそれが交通マナー最悪の中国でやるというのは、もう2度と経験したくないことだ。

結局20キロほど走り、何とか竹藪を発見してそこに突っ込み、テントを張ることに成功。

昼間は気分良く走ってたのにさぁ。
ほんっと、中国嫌いだわ!

(走行ルート:廈門→盘陀鎮)

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