一大観光地・廈門へ〜廈門まで

泉州〜廈門
1/8(780days)

ユースホステルのベッドは、これまでの3年間で泊まったどの宿よりも固いもので、起きると逆に疲れているという代物だった。

そんな訳で、泉州では連泊も視野に入れていたのだが、とても休まりそうにないので出発することに。
そもそも泉州では特にすることもないし、休んでもネットで遊ぶしかしなさそうだし。

長期旅行者には大まかに2種類の人間がいて、一つは同じ場所にじっとしてらいられないタイプ。
二つ目が同じ場所に長い時間留まる、いわゆる沈没するタイプ。
私は前者であり、日本で日常生活をする時は一日中引き篭もるタイプなので、せめて旅行中は無駄な1日を過ごさずに何かをしていたいと感じる人間である。
まぁ、どちらが良いとか悪いとかではないのだけれども。

ということで、出発。

ユースホステルの周りは、こんな感じの謎のアニメキャラの像がいっぱい立っている。

何はともあれ朝食を食わなければ。
しかし、泉州は大都会であり、ユースホステル周辺は高級レストランしかないので、郊外まで何も口にせずに走らなければならない。
10キロほど走り、ようやくいい感じの廃れた定食屋を発見。

ここはメニューがないため、知っている単語の注文しかできない。
とりあえず、炒面(焼きそば)を注文する。
すると、注文していないはずのワンタンスープも一緒に付いてきた。

まぁ、ここの定食屋なら高くはならないだろうと気にせずに食べて、お会計をしようとする。

すると、女将さんが手を振って「いらないいらない」という仕草を見せる。
無愛想な女将さんだなと思っていたのだが、思ってもいない親切を受け、ありがたく頂いた。
謝々。

泉州からは国道を通っていたのだが、どこでどう間違えたのか、いつのまにかルートを外れて街に入ってしまった。

この街が建築材として石壁を販売する店がずらりと並んでおり、大理石やらの超高級素材が2×4メートルくらいの大きさで売られている。
面白いことに、どの店も天井の高い倉庫の様になっており、客はその店の中へ車ごと乗り入れていく。
恐らくは大金持ちの中国人が、これから建てる自宅のために、これらを買いにくるのだろう。

今日は随分と空気が淀んでいるな、と感じながら走っていたのだが、この街が石材を加工して、その屑が空気に舞っているのだと合点がいった。
どうりで喉がイガイガして痛いと思った。

前日に「中国の楽しさは食にあり」ということを改めて感じたのであり、折角だからこれから食事はできるだけ頼んだことを無いものを頼もうと思う。
この日はずっと気になっていた、「〇〇粉」というのを注文してみた。

字の感じから、日本人には予想も付かないメニューなのだが、出てきたのは意外にも麺類。
食べてみた感じ、素麺に近い食感であり、ベトナムでいうフォーとかそういう料理なのだろう。
まぁ、粉そのものよりも、一緒に入っていた黒色の鳥の足の方がびっくりさせられたのだが。

しばらく走り、廈門県に入る。
実際には、廈門の中心は橋の先の島なので、まだまだ全然走らなければならないのだが。

廈門にも、魔女の宅急便はいます。

80キロほど走り、ようやく廈門島へと通じる橋に到着。

廈門に架かる橋は「釣り禁止」の看板が掛かっているのだが、誰もそんなもの気にしないで釣りに没頭している。

で、橋を渡ってすぐにこの光景。
中国は公共のレンタル自転車が普及しており、そこら辺に大量に駐輪されている。
非常にいい試みだと思うのだが、こういう風に廃棄されているのを見ると、何だかなぁと思う。

廈門は小さい島なので、ほとんどが幹線道路であり、かなり苦労をしながらようやくユースホステルに到着。
結構見つけづらい立地。

しかしこのユースホステルもベッドが固いのであり、なに、中国のユースはそういう縛りでもあるのか?

何はともあれ久しぶりの観光地にたどり着いたので、翌日は休養日にして2日掛けて廈門を観光することに。

廈門はアヘン戦争でイギリス軍によって占領、その後の南京条約で外国人に対して開港された歴史から、ヨーロッパ調の建物が中心に建ち並んでいる。

そんな中にあっても、中国っぽい装飾も飾られており、街の中はネオンと装飾で、夜なのに目が眩むほどに煌びやかで賑やかだ。

廈門はショッピングの都市らしく、多くの店が並び、商品の袋を抱えた人が、歩行者天国になった通りを所狭しと闊歩している。

また、同時にグルメの都市でもあるらしく、多くの飲食店が店頭販売をしており、呼び込みの兄ちゃんが観光客を捕まえようと、大声を張り上げている。
流石に沿岸の都市らしく、海鮮ものの飲食店が目立ち、見た目にも美味しそうだ。

そして廈門の目と鼻の先には、台湾がある。
そうした位置関係から、廈門にはたくさんの台湾料理店が並んでいる。

その中の一つで、台湾のお好み焼き風の屋台が目に入ったため、そこで夕食をとることに。
蛤(はまぐり)をメインに作る料理で、調理方法はほとんど日本のお好み焼きと一緒だ。
ソースは少し甘辛なトロミが掛かったもので、フルーツベースなのだろうか?
醤油がベースになる中華料理とは、少し違う風味のように感じる。

久しぶりに観光地に来たことと、翌日が休息日で確定していることから、この後もちょこちょこ屋台をつまみ食いして回り、廈門の夜を満喫した1日となった。

(走行ルート:泉州→廈門)

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