大晦日なんてなかった〜温州まで

12/31(772days)
台州市大渓〜温州

時は大晦日。
元々の予定としては、日本でもう少しゆっくりして年越しと正月を味わってから再出発しようという目論見でいたのだが。
いざ出発してしまえば、自転車旅行者にとって大晦日だろうが正月だろうが普段と変わらない1日に過ぎない。

出発早々、結構な角度の上り坂が始まる。
そんな年の瀬に、なんでいきなりこんなに気合をいれて走らにゃならんのだ。

なんだかエクアドルを思い出す風景だな。
…と書いていてあれだが、アメリカ大陸縦断を終えてから「南米によく似ているな」という例を自分自身出すことが増えたように思う。
それだけ南米が素晴らしく面白かったからなのだが、今回の旅行では「南米を超える風景を見たい」という裏テーマを自分自身に掲げていたりする。
脱・南米。

しばらく登った後、温州市に入った。
温州人は中国でも少し変わったというか、一目置かれている存在らしい。
なんでも中国本土で台湾と最も近い位置に接している関係で、中国共産党からインフラ整備だったり支援が行き届かない様にされていたらしい。
そのため、温州の人々は半ば自治的な感じで都市を発展させ、特に経済面で大きく発展したことから、「温州人は商売上手」と言われているのだそう。

温州市に入ったとはいえ、都市圏はまだまだ先。
山深いままなのだが、やはり山道を走るというのは気持ちがいい。
自転車旅行をしている…という気持ちにさせてくれる。

中国沿岸部の走行を選んだ時から、ほとんど平坦な道を走るものだとばかり思っていたため、こういう風景が中国で見られるとは思ってもいなかった。
中国の山は奇岩であったり、岩盤の裂け目だったりが見られ、ほかの国にはない特徴があるように思う。

その後は下り坂が始めり、街も出てきたため昼食休憩。
この日は牛肉拉麺。パクチーが入っていて、どことなくベトナム料理っぽい。
中国では麺類を頼むと、食べきれないくらいに麺の量が多い。

温州の中心部に近づいてきたあたりから車の交通量が格段に増えたのだが、交通マナーがめちゃくちゃに悪い。
今までも中国の交通マナーは悪かったのだが、温州市は群を抜いて悪い。
逆走や信号無視は当たり前、渋滞になっているのに追い抜きにかかったりと、あまりにも自分勝手な運転をする。
運転マナーは悪いというより、幼稚、という方がしっくりくるか。
思いやりもない自分勝手な運転をして、気に入らなければクラクションを鳴らす。
中国に出荷する車は全てクラクション機能抜いてしまえばいいんだ。

そして温州市は中心部にたどり着くまでに橋と坂道が連続で続き、なかなかたどり着けない。
中心部に着いた時には、すっかり日がくれてしまっていた。

で、この日も賓館へ宿泊しようとしたのだが、店主が外国人登録の仕方を知らないらしく、「一緒に警察に行って許可をもらおう」ということになった。
「店主が説明してくれるなら許可も降りるだろう」と思っていたのだが、結果は許可が降りず。

結局、警察に連れられて高級ホテルに投宿することに。
298元が198元にまで負けてくれはしたけど、それにしたってこんな高級ホテルにいつまでも泊まれないよ。
本当、宿探しに関しては中国はストレスが溜まる。
毎日夕方近くになると憂鬱に感じてしまう。

日が変わり、元旦を迎えた瞬間にどこかで花火が上がった気がしたが、私としては、普通に走り、汗をかき、宿探しに苦戦する普段と変わらない1日として終わったのだった。

(走行ルート:台州市大渓→温州)

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