中国走り初め〜嘉興まで

12/25(766days)

6時半起床。
朝食用に買っていたバナナを食べ、8時半に出発。

半年振りにフル装備の自転車で海外を走るというには、あまりにも普通の走り出し。
特にドキドキ気分が高揚したりだとか、かといって不安もない。

多分、アラスカから出発した時の、どうしようもない不安だったりだとかワクワクする感じだとかは、もう一生味わえないのだろう。
経験を積み、多少の事で動じなくなった自らの成長とも取れるが、少々寂しさを覚える。

ただ、怠け切った体にはこの重さの自転車を漕ぐのは苦労するもので、感覚を取り戻すには少し時間がかかりそうだ。

中国の交通マナーは想像以上に悪く、信号無視は当たり前、逆走までしてくるわ自転車レーンに車が突っ込んでくるわの地獄絵図。
こちらが信号をどれだけ守っても、そんなマナーだといつ事故に巻き込まれるか分かったものじゃなく、全く気を抜けない。
ただテンパっているのは私だけで、周りの中国人は全く動じず、信号無視で突っ込んでくる車の隙間を見つけてスルスルと先へと進んでいく。
中国にいる間、この交通状況に慣れることができるのだろうか…

標識は当然ながら漢字。
なんとなく理解できるというのは、結構助かる。

道自体は、車と自転車レーンが柵で分離されていることがほとんどで、普通に走っているだけなら日本よりもよっぽど走りやすくはある。
ただし自転車レーンには原付も走っているのであり、これがよくもまぁそれだけクラクション鳴らすね、というくらいけたたましく音を立てて抜き去ってくる。

上海中心から抜けると、少し交通量も落ち着いてきた。
広告も、完全には理解できないけど何となく雰囲気はつかめる。
電車でも通す予定なんだろうな。

40キロほど走り、腹も減ったという事で小さな食堂へ。
メニューがかかっているが、ぱっと見ても何が出てくるかわからない。
適当に美味しそうな名前を指し、後は座して待つのみ。
この日はすき焼きみたいな料理が出てきた。
味は甘辛で美味しい。中国は食に関してはあまり困ることはなさそうだ。


ひとつ中国で驚いたことは、公衆トイレの存在だ。
他の国でももちろんあるにはあったが、都市圏にあるものはほぼ100%有料だった。
それが、中国では何と無料で利用することができる。
ニーハオトイレなんて揶揄される中国トイレ事情だが、ここら辺の事情は結構改善されてきているのかもしれない。

上海と距離が離れるにつれ、どんどん田舎へとなっていく。
ただし民家が途切れることはなく、ここら辺は日本とよく似通っている。


ここら辺で気付いたのだが、一眼レフが故障。
適正の絞り値にならず、真っ暗な写真が写る事象が多発するように。
なんで走り始めて初日で厄介なトラブルが発生するかな…
中国ビザは30日しかないのであり、新たに滞在日数を得る予定の香港まではカツカツのスケジュール。
修理するにしろ新しいカメラを買うにしろ、そこまで粘るしかない。

上海から少し走り、浙江省に入る。
入る手前で警察のチェックポイントがあるのだが、特にチェックされることはない。
ただ、中国の道を走ってみると、どんな小さな路地にも監視カメラが設置されており、車が通過する手前でフラッシュがピカッと点滅する。
いかにも中国らしい、監視社会だなと感じた。

中国の冬の暮れは早く、17時にもなればもうほとんど真っ暗になる。
100キロほど走り、嘉興という街に着いたので、ここで宿を探すことに。

中国という国は外国人が自由に宿泊できるわけではなく、中国共産党に対して宿泊者の外国人登録をできる宿泊施設のみに、我々は泊まることができる仕組みになっている。
種類は今のところ私が把握しているもので大酒店、賓館、旅館、住宿というのがある。
値段は左から順に高くなるのだが、大抵は大酒店というのが外国人向けの高級ホテルである。
ちなみにこの記事を書いているのが1月3日なのだが、今のところ青年旅館(ユースホステル)か、大酒店に相当する高級ホテルにしか泊まれていない。

この日、最初にパッと目に付いた「住宿」と書かれた宿に入ってみた。
値段は70元と安い。(1元=約16円。約1,120円)
しかしどうも外国人など来たことがないようで、受付にいた数人で議論が始まったようなのだが、こちらは中国語が分からないため何を相談しているか全くわからない。

結局、その内の一人が英語を話せたのだが、どうやらこの住宿には外国人は泊まれないらしい。
彼が私を連れて、複数の賓館に連れて行ってくれたのだが、どこもにべもなく断られてしまった。

最終的に連れていかれたのが、ビジネスホテル。
大酒店に相当するクラスであり、値段も159元と倍以上する。
しかし、既に真っ暗な状況で探す気にもなれず、ここで手を打つことに。

晩御飯を食べつつ、これから苦労しそうな宿問題(実際これからめちゃくちゃ苦労すること)に、少しばかり憂鬱を感じながらの初日であった。

(走行ルート:上海→嘉興)

コメント

  1. カメラって買ったやつ?

    1. 今まで使っていた一眼レフカメラです

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