クリスマスイーヴは上海で〜上海まで

12/23~12/24(764~765days)

12/23
フェリーで私に政治論を吹っかけてきた中国人の張さんが、上海の案内を買って出てくれていたのであり、「用事が済んだらメールしますよ」ということを、蘇州号での別れ際に言ってくれていた。

そんな訳で、ホステルに到着してからしばらくはのんびり過ごしつつ、連絡を待っていたのだが、一向にメールは届かない。
もう時刻はお昼時を回ってしまったのであり、折角の中国初日をただ待つだけで過ごすのは勿体ないということで、一人で出掛けることに。
張さんに教えてもらったメールアドレスはエラーで送れなかったし、こちらからはアクションしようがないので。

ちなみに中国はインターネット規制が非常に厳しく、Googleが使えないというのは有名な話。なので、Gmailは使えないことになる。
また、FacebookやInstagram、TwitterなどのSNSも一切使用できない。
これらの規制は私も予備知識で知っていたのだが、ライブドアやfc2などの大手ブログサービスも利用できないのであり、これについては知らなかった。
中国を自転車で走った先人達の情報が一切入手できないのには、結構な衝撃と不便さを感じていたりする。

さて、折角中国にきたのに正午を過ぎたのにお昼ご飯はまだ、ということで、上海料理の名物、小籠包を食べに行くことに。
これは日本にいる間に下調べをしていたのだが、上海の豫園という地区の中に、南翔饅頭店という有名なレストランがあるという。
地図で調べると、ホステルからはそこまで離れていないため、歩いて豫園へと向かうことに。

20分も歩けば豫園に到着できた。
地区全体で古い街並みを再現しており、中国に来たんだなぁという実感が湧いてくる。
建物は全てレストランや土産屋のお店であり、呼び込みと観光客の雑踏とで地区全体から活気を感じる。



少し豫園の中を歩いた後、改めて 南翔饅頭店へと向かう。
饅頭店というくらいだから出店みたいなもんか、と思ったら、とんでもない高級店の店構え。
入るのを躊躇していたのだが、入り口横に看板があり、 別店舗への案内図が書いてある。
どうやらここは本店のようで、別店舗ではテイクアウト式で営業しているらしい。

本店から3分も歩けば、別店舗へ到着。
ガラス越しに、小籠包の形を作る実演を見ることができる。

小籠包12個入りをレジで購入し、窓口で籠に入った小籠包を受け取る。
店内には立ち食いスペースがあり、ジョグサーバーが置かれている。
他の客を観察すると、受け取った籠の中に、ジョグから液体を注いでいる。
どうやら小籠包のタレのようで、私も真似をして籠に注ぐ。

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蘇州号での朝食から何も食べておらず、空腹も限界だ。
写真撮影も適当に済ませ、小籠包を一つ箸で摘んでパクッといく。
タレは醤油ベースで紹興酒が入っているようで、「随分タレの味が強いな」と感じた次の瞬間。
皮を破って出てきた肉汁の味とタレが混ざり合い、実に深い味が口の中に広がった。
こんなに小さな小籠包に、ここまで深い味を出してくるとは、中国とは食に関してやはりとんでもない国だと関心してしまった。
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小籠包に大満足した後は、ホステル方向へと戻り、外灘という地域へ。
黄浦江という運河沿いに遊歩道が設けられており、対岸には上海のシンボルである上海タワーを見ることができる。


夜になると、高層ビルそれぞれが発する光が、外灘の夜を鮮やかに彩る。
経済成長著しい中国の活気は、日本を遥かに凌駕していることを実感させられる象徴的な場所だと思う。




12/23
この日朝、張さんからメールがあり「15時頃にホステルに行きます。中国語の教材と、中国でのクリスマスイーヴの過ごし方を紹介します」という。
クリスマスイーヴをどう過ごすのか、興味があったため是非、と返信を打つ。

夕方、きっちり時間通りに張さんがホステルに現れ、本屋へと連れて行ってくれた。
そこで中国の詳細地図と教材を購入。

その後はフェリーで同乗していたもう一人の中国人の愛さんと、張さんの友人と合流してキリスト教会へと向かった。

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中国は全国民が儒教の文化だと思っていたのだが、教会内には100人を超えるであろう人が集まっており、キリスト教が中国にも広まっていることに少しばかり驚きを覚えた。

ミサには南米やヨーロッパで何度か参加したことがあり、中国のミサもそこから大きく変わることはないのだが、細かいところで面白いこともあった。

ミサが始まる前に、係員が看板を持って歩いており、張さんに「あれは何と書いているのか」と聞くと、「言われた通りにしろ、と書いてある」との事で、思わず吹き出しそうになった。
何とも中国らしい話だなぁと思ったのだが、実際ミサの最中は約100人がほとんど一糸乱れずに礼をしたり、祈りを挙げたりしていた。

また、これまでの国では教会で祈りを捧げるというと、十字を切ったり跪くということが普通だった。
もちろん中国でもそうしている人はいるのだが、大多数の人が頭を下げて一礼をする、というものであった。
またミサの終盤には、自分の前後左右の人に一礼と挨拶の言葉を交わす、というものがあった。
これは中国の儒教とキリスト教が、微妙に混ざり合っているのだろうということが、とても興味深かった。

ミサは大体1時間程で終わり、中国のクリスマスイーヴは私にとってとても興味深いイベントとなった。
張さんには晩御飯までご馳走になりました。ありがとう私のはじめての中国人の友人。
(左から私、張さん、愛さん、張さんのご友人)

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