自転車でいく長野旅行①~野麦峠まで

高山~Aimix自然村南乗鞍オートキャンプ場
8/25

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日本に帰国して早2か月。

旅行中2年間の時間の流れ方よりも、遥かに早い日本での生活。
毎日少しずつ伸びる就寝時間に、少しずつ締まりのなくなる体。
そんな生活に退屈と焦りを感じつつあった。

「何とかしないと」と考えているところに、夏の終わりの8月末に、たまたま6連休もの時間が取れたた。
自然と「自転車でどこか行きたい」と考え、突発的に自転車旅行を敢行することに。

行先は、長野県。
ルートは昔から一度走ってみたいと考えていた、ビーナスラインという道路を中心に作成。

岐阜県・高山を起点に、乗鞍高原⇒松本⇒美ヶ原高原(ビーナスライン)⇒諏訪湖⇒野麦峠⇒高山と、時計回りに一周することにした。
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と、いうことで、8月25日の午前10時半ごろ、JR高山駅に到着。
大阪から高山まで、自転車を袋に入れて持ち運ぶ「輪行」という手段を取った。
始発電車から乗り継いで、5時間弱の移動。

駅を降りてみると、バックパックを背負った多くの旅行者がいる。
そのほとんどが欧米系の外国人で、「温泉はどこですか?」という判を押したように同じ質問を、それぞれ別の旅行者達が、駅前観光案内所の受付に投げかけている。

受付の女性はそんなことには慣れた風で、次から次にくる同じ質問の内容を、事務的にテキパキと回答していく。
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私はといえば、実は高山に到着する手前から、問題が発覚していた。

「もしかしたら、通行止めかもしんないねぇ」

日本では普通、電車に自転車を持ち込む人間がいたら、それはもう奇怪・好奇・迷惑などなど、様々な目を向けられる。
それだけ珍しい存在なのだが、この日は私以外にも何故か複数人数、そんな人間がいる。

不思議に思い、その中の一人に話しかけてみると、彼曰く、翌日26日、乗鞍高原を通る道路「乗鞍スカイライン」で、大規模な自転車レースが行われるという。
上の言葉は、彼がその話の中で発した言葉だった。

この乗鞍スカイライン、舗装路としては日本で最も標高の高い峠を通る道で、標高2,702メートルまで達する。
「馬鹿と煙は高いところが好き」とはよく言ったもので、一部のサイクリストにとっては聖地の様になっている。

私としても是非とも走ってみたい道だったのだが、その乗鞍スカイラインが通行止めになるという。
予定では25日に高山から道の入り口まで行き、26日に乗鞍スカイラインを走るつもりだったのだが、正にそのレースとド被り。

駅前の観光案内所に聞いても、通行止めになるのか、はっきりした答えは分からないという。
レース主催者の事務局も、レース前日の受付業務に追われてか、電話のコールには誰も出ない。

どうしようか。
しばらく駅前で考え込んでいたのだが、「どうせ高山がゴールになる一周コースなんだから、反時計回りに走って、乗鞍スカイラインは最終日に回そう」という結論に。

結論が出れば後は速いもんで、さっさと走り始める。
高山市街を抜けると、背の高いホテルやコンクリート造りのビルは消え、あっという間に田園風景に。
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その田園風景も越えると、徐々に山道へと入っていく。
帰国してろくに体も動かしていなかったため、膝が痛くなるかなぁ・・・と心配しいていたのだが、今のところはそんなブランクも感じず、進むことができている。
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大型トラックが通ることもなく、のんびりとした静かな道を進んでいく。
久しぶりに日本の夏の中にいるが、「こんなに蝉の声って少なかったっけなぁ?」なんて事を思ったり。
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途中、道の駅があったため、ここでこの日の晩ご飯となる食材を買い、売り子のお母さんと少し話をしたり。

「あらま、高山から?この暑いのに信じらんないわぁ」

「ま、自転車でこれから野麦峠を?またまた信じらんないわぁ」

話を聞くにどうやら、これから向かう野麦峠はかなりのキツさの様だ。
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道の駅から進むこと10キロ程、野麦峠への分岐に到着。
もう既に夕方の時間で、峠を越えるのは難しそうだが、いけるところまで行ってみるか。
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・・・しかし、この野麦峠がキツイ。
これまでアンデス山脈をはじめ、数々の峠を越えてきた自負がある私は、出発前から「日本の峠なんて」と舐めてかかっていたのだが・・・。

なんでこんな斜度にしちゃうの!?という角度が度々現れ、その度に立ち漕ぎでその坂道に必死に抗う。
あっという間に、顔から腕から玉の汗。

坂のキツさと回りを囲む森林から、メキシコやグアテマラでのキツい山岳走行を思い出す。
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ふらふらの状態になりながら、何とかキャンプ場に到着。
このキャンプ場は道の駅のお母さんに教えてもらっていたのだが、テントサイト一画の値段がなんと5,000円!

日本のキャンプ場だからと、2,000円は覚悟していたのだがまさかこんな馬鹿げた値段とは・・・。
しかし、このキャンプ場を当てにしてきて気力を振り絞ったのであり、これ以上峠を進む体力がない。
野宿できそうな場所もあるにはあったが、笹やら植物が密集していて条件がかなり悪そうだった。

もうほとんど思考停止、金ならあるよ・・・ということで、そんなおバカな値段を支払ってしまった。
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(高山→Aimix自然村南乗鞍オートキャンプ場)

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