ここが好きだと叫びたい〜Storslett南西42kmまで

Burfjord西25km〜Storslett南西42km
5/28 (738days)
5/28
昨夜は少し雨が降り、朝に目が覚めて見ても曇り空。
また今日も悪天候か・・・と、雨合羽を着て出発したのだが、単なる朝靄だったようで、すぐに晴れてくれた。
前日に見えていた養殖場と漁船に近い位置まで坂を下り、そこから内陸に向けて上りが始まる。
海抜0メートルの位置から、ふぅふぅと息を吐きながら坂道を上って行く。
かなり上った所に展望台があり、そこからは見事なフィヨルドのパノラマと、入り江に浮かぶ小島の、見事な風景を見る事ができる。
その展望台から少し進むこと数100メートル。
急に視界が開けたと思ったら、目の前に広がるのは一面の銀世界。
辺りに動く物は無く、聞こえる音も無い。
ピンっと張ったような空気感で、まるで時間が止まったかの様に思え、この風景にしばらく息を呑んで見とれてしまった。
その銀世界を拝んだ後は、長いダウンヒルに。
景色としては、前述の銀世界が今日のハイライトでありピークだろうと思っていたのだが、下りの最中にそれを越える様な、「うぉぉっ、凄ぇ!北欧凄ぇっ!」と自然と声が出てしまう程の風景が。
坂の先には大きな湖と、それに反射する青い空、雪山達、湖畔に並ぶ家々。
家々はこの大自然の中では余りにも小さな存在に映り、それがまたこの北欧の自然の大きさを引き立てている。
ヨーロッパに入って以来、初めて走行中に心が震えた瞬間だった。
下り終えた後は再びフィヨルド沿いに戻り、ちょうど昼食のタイミングでベンチがあるパーキングエリアを発見。
ベンチ脇には小川が流れており、まずここで素っ裸になって水浴びと洗濯。
前に水浴びをしたのが二週間前。
水は少し塩っ辛い気がしたが、さっぱりと清々しい気分。
洗った洗濯物を干しつつ、ベンチで昼食。
休憩後、この日50キロを走ったところでStorslettという集落に到着。
ここで食料調達した後、インフォメーションセンターに行き、インターネットを使って作業。
やっぱり、標本があるということはクマが出るんだろうなぁ・・・
インフォメーションで2時間ばかり休憩した後、先へ進む。
Storslettを抜けるとトンネルが現れる。
このトンネルが自転車走行不可。
脇道があるのだが、ガードレールがあり、トンネルの入口付近からは脇道へ入ることができない。
渋々1キロ逆走し、脇道へと向かうのだが、ノルウェーはこういう意地悪な道路の作りが多いように思う。
トンネルよりもっと前に自転車走行不可の看板を出してさえくれれば、こちらだって対応できるのに・・・。
こういう、細かい気配りができていない、自転車にとって走りにくい状況というのは、日本とノルウェーはよく似ている気がする。
脇道は峠を越えるルートで、4キロ程は傾斜のきつい上り坂が続く。
この峠の最中に暗雲が立ちこめ始め、今にも天気が崩れそう。
峠の頂上にパーキングエリアがあり、そこで野宿をしようか迷ったのだが、時間的にもう少し進めると判断したのだが、これが失敗だった。
その後は左に急斜面の山、右に海へ落ちる断崖絶壁という道を進んで行くため、野宿をできるような場所が見つからない。
野宿できそうな場所も、集落となっているため、見つからないで野宿する事は不可能だ。
地図を見ても、その後100キロほどは同じ様な状況で道が続きそうで、「この日は眠れる場所が見つかるのだろうか・・・」と不安になりだす。
しかし、この2年間で上がりに上がった私の野宿スキル。
断崖絶壁の道の中、その崖の上に僅かなスペースを発見し、何とかテントを張る事に成功。
履歴書に「野宿検定準2級」くらい書けるレベルには達してきているのではないだろうか。
何はともあれ、よかったよかった。
(走行ルート:Burfjord西25km→Storslett南西42km)
これ、読んだと思う