フィヨルドを往く〜Burfjord西25kmまで

Tarvik北10km〜Burfjord西25km
5/27 (737days)
5/27
前日に吹き荒れた爆風も、樹々に囲まれた野営場のおかげでやり過ごすことができた。
その風も今朝は収まってくれたのだが、その代わりに雨が降っている。
雨の場合はテントでやり過ごせばいいだけなので、大きな問題ではない。
雨が降り止むのを待って9時半過ぎに出発。
南から吹いてくる風で、私が進む方角からすれば向かい風。
アップダウンが細かく連続する、沿岸沿いの道を進んで行く。
25キロ程進み、パーキングエリアで昼休憩。
ノルウェーではこうしたベンチ付きのパーキングエリアが多いため、休憩するのに重宝する。
天気が崩れそうで崩れないこの日。
何とか持って欲しい・・・。
休憩後も沿岸沿いに進んで行く。
海を挟んで向こうに見える山脈は、ギザギザと隆起しており、パタゴニアで見たフィッツロイ周辺の山々を思い出させる。
14時半過ぎ、Burfjordという集落に到着。
ここいらでカフェでも入ろうかと思っていたのだが、コンビニ脇のカフェが誕生日会か何かで貸し切りになっていた。
スーパーで買い物でもして先へ進むか・・・と思ったのだが、この小さな集落にあるスーパーの2つ
両方が閉まっている。
・・・そうか、今日は日曜日か!
北欧では日曜日でもスーパーが営業していることが多かったため、曜日を気にする事なく走っていたのだが、小さな集落ではやはり日曜日は定休日らしい。
これはまいった。
かなり空腹なのだが、手持ちの補給食がない。
見えているのに、手に入らないという状況ほど辛い事は無い・・・。
仕方なく、先へ進む事に。
動物注意の看板。
カリブーとムースをわざわざ分けている事に、この地域の人々の彼等に対する愛情と、こだわりが見える気がする。
その後もアップダウンを繰り返して行く。
どうやら魚の養殖をしているようだ。
この辺りで育てる魚といえば、やはりサーモンだろうか?
この広大な漁場で浮いている船が一隻のみの、こじんまりとした養殖場。
輸出を目的とした養殖ではなく、この地域で消費するための物なのだろうか。
ちなみに、この辺りを走っていると、道路上に落ちているカニの手を見る事がたまにある。
恐らくはカモメが穫り、落としたのだと思うのだが、そのカニの手がどれも、お正月でしか見た事無い様な、見事な大きさをしている。
これを見るに、やはりこの辺りは海産物が育ちやすい、良い漁場なのだろう。
この養殖場が見えてから程なくして、山側に上って行く脇道を見つけた。
時間ももう18時を過ぎていたため、その脇道を入って行くと、ちょうどいい野営場所を見つけた。
焚き火の痕もあるため、過去に誰かもここで夜を明かしたのだろう。
おあつらえ向きに、焚き火用の木が石組みの側にある。
今朝の雨でかなり湿っているが、冷え込んで寒いので、火を起こすことを試みる。
何度か着火をやり直したが、今回は案外すんなりと火を起こせた。
私の焚き火スキルも着々と上がってきているようだ。
この寒さで、しょうもないインスタントラーメンが最高に美味い。
補給食も食べずに走っていたため、ラーメンだけでは満腹感が満たされず、テントの中でタコスも食べる。
今度また、道路上でカニの手が落ちてたら拾って食べてみようかなぁ・・・。
(走行ルート:Tarvik北10km→Burfjord西25km)