インスタントを侮るなかれ〜Alta西5kmまで

Olderfjord西30km〜Alta西5km
5/25 (735days)
5/25
多少ガスってはいるものの、この日は青空が見えている。
こういう良い天気の時こそ早めに走り出したいのだが、ダラダラ準備して9時過ぎ出発。
ガソリンバーナーに続きテントが破損したことで、細かい事は気にしないタイプの私もさすがに気落ちしたというのも影響しているかもしれない。
もはや珍しくもなんともないカリブーではあるが、ノールカップ周辺では全然見掛けなかったな。
やはり小さな樹々ですら見なかったし、やはり生きていくには環境的には厳しすぎるからだろうか。
川沿いに進んで行くルートで、アラスカを思い出させるような、雪を被った山脈のパノラマ。
終止アップダウンで、結構しんどい。
標高は最大で400メートルまで達し、風も向かい風ということもあってペースが上がらない。
ようやく峠を越えたようで、眼下には大きな湖が見えている。
この日は陽射しもあってか暑いくらいで、半袖で走っていても汗ばむ程。
下り坂のダウンヒルで受ける風が心地良い。
坂を下りきり、湖まで降りてきた所で後ろからバイクがやって来て、並走してきた。
黄色いボディのバイクに見覚えがあり、やはりノールカップで出会った鬼塚さんだった。
再会するとは思っていなかったが、前日のヒッチハイクで、私の方が追い抜かしていたようだ。
その後少し立ち話をしてから鬼塚さんを見送り、湖沿いに進む。
で、少し大きめの町、Altaに到着。
入口には北欧ではよく見掛ける自転車カウンター。
まぁ、この時目に入ったのは自転車の数ではなく、温度計なのだけれども。
31℃とは・・・そりゃ暑いわけだ。
ここまで暑いと水分摂取量も増え、ペットボトルもほとんど空に。
コンビニで補充して行く事に。
ちなみに北欧ではコンビニ最大大手はサークルKのようで、一番よく見掛ける。
コーヒーメーカーに併設されている水道で水を補充していると声を掛けられた。
私自身もペットボトルも汚れ放題なので、「嫌がられたかな?」と思ったのだが、「レジ内の水道水はよく冷えてるから、こっちで入れて上げるよ!」ということだった。
ノルウェーの人達は、こういう細かな気遣いをしてくれるというか、親切な人が多い。
こういう出来事があるかないかで、その国が好きになるか嫌いになるか、結構大きく左右される。
この2年間、訪れた国はいずれも好きな国ばかりなので、幸いにも良い旅行ができていると思う。
さて、このAltaには先住民が岸壁に残した壁画があり、世界遺産登録されている。
まぁ、事前に知っていた訳ではなく、町の出口に世界遺産マークを付けた博物館があり、そこでたまたま知ったのだけど。
もちろん博物館に入ろうとしたのだが、もう夕方で営業時間外。
アンラッキーなことに、この日は金曜日で、土日は閉館。
しぶしぶ観光は諦めることに。
その後、Altaから5キロ程進んで、自転車道の路肩に空き地があったため、そこで野宿。
自転車道からは丸見えで、時折自転車や歩行者が通るのだが、まぁ北極圏の田舎で犯罪に会うことはないだろう。
誰かが残した焚き火痕もあるし。
ということで、その焚き火痕で火を起こして調理。
作ったのは使えずにずっとバッグの奥にしまい込んでいたインスタントラーメン。
ただのインスタントラーメンなのだが、久しぶりにタコス以外の物を夕食に口にしたということもあってか、驚く程に美味しい。
スープも飲み干し、まだ少し名残惜しくてコッヘルの縁まで舐めてしまう程だった。
やっぱり、飯は自転車旅行には重要なんですな。
(走行ルート:Olderfjord西30km→Alta西5km)