最終ステージ・フエゴ島へ~Porvenir東75kmまで

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Punta Arenasからフエゴ島へと渡るフェリーは9時出航と早いのだが、キャンプ場から港までは8キロも離れている。
こういう時に限ってパンクやらのトラブルに見舞われるのが私なので、到着するまで結構冷や冷やだったのだが・・・
出航の15分くらいに乗船したのだが、既に船内客室の座席は満席。
キャパと乗客の数の乖離が激しすぎるだろ・・・。
この日は天気が良かったから良かったものの、雨とか曇りなら最悪だっただろう。


日本から見て地球の裏側、世界の最果ての地でも、TSUNAMIは共通言語。
TSUNAMIがいつから世界共通言語として使われたのか気になって調べたら、1897年にラフカディオ・ハーンが著書の中で記したのが初出らしい。
学生の時に読んだ著書・「日本の面影」は、外国人から見た日本文化の考察が書かれていて面白かったので、お勧めです。

さて、Porvenirからフエゴ島走行スタートとなり、ここ西沿岸からまずは真東に160キロ程走り、島の逆側、東海岸へと向かうことになる。
もう一つはローカル道で、沿岸沿いを進む道。

ちなみにPorvenirから東海岸までは、西から吹く暴風が強力な追い風となって後押ししてくれる「らしい」。
私も先人たちのブログで知っていたし、カナダ人も知っていたので、これはサイクリストの共通認識なのだろう。
私もそのカナダ人も、その追い風を完全に当てにしていたため、その数時間走った後に道中で再会した時は「全く、俺たちツイてねぇな」と苦笑いしたものである。
天候は徐々に回復し、半袖でも十分暖かいくらいになってきたのだが、道が全然フラットじゃねぇ。
これはカナダ人に騙された!・・・というよりも、普通沿岸沿いの道と言うのはアップダウンの連続なのであり、今までの経験上分かり切っていたことなのに、「楽だぜ!」という甘い言葉にホイホイ乗せられた私の落ち度なのだけれども。
しかし、アップダウンは厳しいけれども、静かな海沿いを走るのは心地よい。
楽しいとかキレイとか、そういう感じではなく、風の音もなく波の音も聞こえない程穏やかな海は、心を穏やかな気持ちにさせてくれる。
文字通り、波立たない心の平穏を与えてくれるような・・・それはちょっと臭すぎるか。
でも、本当に心地よい。
海には野生のイルカがいて、飛んだりはしないけれども、時折背びれを見せながら泳いでいるのが見える。
60キロくらい走って、Porvenirからの本線に合流。
合流地点から見ると、海沿いから結構上って来たのが分かる。
逆に本線は丘の向こうから下ってきていたので、やはり本線の方が楽だったんじゃないか。
まぁしかし、楽かどうかは置いておいて、海沿いの道を選んでよかった。
合流してからはひたすらに牧草地の中を進んで行く。
海からの距離も遠くなり、時折いる羊等の家畜以外には、退屈な道が続く。
Porvenirから100キロの地点に、自転車旅行者には有名な小屋がある。
恐らくは昔バス停として使われていたと思うのだが、今はほぼ自転車旅行者用の避難小屋として利用され、数多くのサイクリストがそこで寝泊まりをしている・・・と、これも先人のブログで見ていた。
私もそこへ、この日中に着こうと思っていたのだが、結局夕方になっても風は全く吹いてこない。
おかげで距離が全く伸びず、現実的にこの日中に到着は難しい。
この道は見渡す限り牧草地とはいえ、隙間なくフェンスが張られているため野宿できる場所がほとんどない。
困ったな・・・と思っていたら、道路のすぐ脇に小さな丘があり、そこなら何とか身を隠せそうな場所を見つけた。
まぁ、自転車旅行なんて計画があってないようなもんだし、案外こんな感じで行き当たりばったりでなんとかしています。
(走行ルート:Punta Arenas→Porvenir東75km)