プンタ・アレナスまでの2日間~Punta Arenasまで

Puerto Natales~Punta Arenas
3/7~3/8 (656days)

3/7
到着した時とは打って変わり、風もなく静かな朝。
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ただ、北西から吹く風に対してPuerto Natalesからは南東へと進むことになる。
あれだけ苦しめられた暴風が、ここからは強力な味方となってくれると期待したのだが・・・

まぁ邪魔さえしてくれなければ、追い風がなくても問題なし。
がっかりはするけど。
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道はフラットで全く苦労はないのだが、後輪からの異音が日に日に大きくなってきている。
スポークテンションが緩くなっており、締めなおしたりして対処してみたのだがそれでも改善されない。
自転車の異音に気を取られて走っていると風景は中々頭に入ってこず、耳ばかりに集中がいってしまう。

とはいえ、集中して見る程の風景がないのですが。
牧草地しかない。
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120キロ走っても何も変わらない。
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120キロを越える手前から、「大失敗だ・・・」とは思っていた。
いくら進めども、障害物が全くなく、テントを張ると道路から丸見えになるような平原ばかり。
100キロ地点くらいなら、お願いすればテントを張れそうな建物があったりしたのだが・・・。

Puerto NatalesからPunta Arenasまでは約250キロ。
追い風を計算に入れ、2日間で走り切るつもりだったのだが、全く当てが外れてしまった。

まぁ、風を計算に入れるなんて愚かにも程があるんですが、向かい風の時はあれだけやられたんだから、期待しちゃうじゃない。
食料をきっちり2日分しか持ってきていなかったため、半分以上は距離を詰めなければどうしようもない。

その結果の120キロオーバー走行。
義務感で走る自転車旅行程、面白くないものはない。
しかも雨降ってきてるし。
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128キロに差し掛かった頃、その路肩に小屋が立っているのが見えた。
ちょっと気になったので、ドアに触れてみると鍵が掛かっていない。
中を覗くと、なんと机にベッド、トイレまである!

小屋から数百メートル離れた所には、政府関連の物と思われる施設があるため、その職員のための休憩小屋なのだろうか。

その施設は大きくて立派なため、わざわざこの小さな小屋に移動せず、寝泊まりはそっちでするだろう・・・
勝手にそう判断し、「もし小屋に誰か来たら誤ればいいさ」と開き直り、泊まらせてもらうことにした。
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この日も夜からは暴風が吹き荒れ、夜通し勢いが弱まることはなかったため、この小屋で泊まれたことは本当にラッキーだった。
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3/8
結局小屋には誰も来ず、安眠することができた。
ベッドで寝るなんて久しぶりの事であり、寝覚めは最高。
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しかし、何故かこの日は朝から向かい風が吹いている。
おかしい、進む方向は南東で変わりないのに・・・
おかげで全然前に進めない。
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途中、余りにも風が強くて堪らずに路肩にあった小屋に逃げ込んだ。

どうやら地元住民のバス停として利用されているようなのだが、これまでにも多くの自転車旅行者がここに逃げ込んだろう。
壁には彼等の物と思われる落書きが散見される。

中には風を罵倒する内容もあったり・・・私は落書き自体は余り良い行為だとは思わないが、分かるぞ、その気持ち。
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風のせいで必死だったのもあるのだろうが、この日の走行は全く記憶にない。
写真もPunta Arenasまでの120キロ、この写真しか撮ってない。
多分、つまらん道だったんでしょう。

アウストラル街道を走ったおかげで目が肥えてしまったな。
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で、Punta Arenasに18時過ぎ到着。
南米最南端の街はUshuaiaになるのだが、Ushuaiaは南米大陸本土には無く、フエゴ島という島にある。
「南米大陸の本土」という意味では、ここPunta Arenasが最南端の街になる。

どんな街かな?と少し期待したのだが、趣の無い、金持ちが好きそうなショッピングストアが並ぶハイソな街だった。

私は割と街歩きも好きなタイプだったと自分でも思うのだが、いつからだろう、気付いたら街や建物というものに全く興味がなくなってしまった。
以前なら精力的にカメラを持って繰り出して写真を撮っていたのだが、このPunta Arenasでは滞在時間が短かったこともあるが、カメラすら持ち歩かなかった。

思うに、2年近い自転車旅行を経て、自分の中で興味や好みというものの「ムダ」が削がれたのではないかな、と。
以前までなら自分の好みから多少外れても「有名だから。世間が評価しているから。」という理由で、写真を撮っていたりした。

今は、自分が興味がない物は全く面白く見えないし、写真を撮ろうとも思わない。
私が自転車旅行で最も楽しみにしているのは、結局のところ「自転車の上で見る自然」なのであり、人工物には余り興味がないのだろう。

ここら辺の話は、また旅行記とは別に記事に書いてみたい。
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さて、ということで翌日はマゼラン海峡をフェリーで渡り、遂に南北アメリカ縦断の最終ステージ、フエゴ島へと入っていく。

そういえば全くの余談だが、キャンプ場で日本人のバックパッカーと出会った・・・というか3回目の再会。
ペルーのLima、ボリビアのLa Paz、そしてPunta Arenas。

mont-belのテントがキャンプ場に張られていたため「間違いなく日本人だ」と思い、テントから出て来たところに声を掛けてみたら、その人だった。

自転車旅行者がその旅行中に出会った人と再会するなんて滅多にないのだが、3回も・・・
これが女性なのであれば、信仰心皆無の私でも「これは運命」と断じ、無理やりにでも自転車旅行に引き込むのだが、あろうことに野郎とは・・・。
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(走行ルート:Puerto Natales→Puerto Natales南東128km→Punta Arenas)

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