チリ再再々入国~Cerro Castilloまで

La Esperanza西94km~Cerro Castillo
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前日はあれだけ吹き荒れた暴風が、目を覚ますとピタッと止んでいる。
暴風が吹き荒れる時は周りの音は全く聞こえず、全てが風に掻き消されてしまう。

それが、風がないと「あれっ、耳がおかしいのかな?」と一瞬不安になる程の静寂が広がっている。

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先に出ていった3人の30分遅れ程で、私も出発する。

進む先の空模様が明らかに悪く、案じていたのだが、やはり雨が降って来た。

この日は国境を越え、再びチリに入国するのだが、国境への分岐が分かりづらく、一度素通りしてしまった。
私の持っている紙地図だと十字路になっており、それにぶつかってから西に進めば国境があることになっているのだが、実際は全く十字路ではなかった。

いまやアフリカの少数民族ですらスマートフォンを持っていると、テレビで見たことがある。
いつでもGPS付きのマップで確認できる今となっては、紙地図の精度というのはこれからどんどん落ちていくのだろう。

今回は数キロ進んでからおかしいことに気付いたからよかったものの、場合によっては取返しの付かない距離を進み、ルート変更を余儀なくされるかもしれない。

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ただ、その国境への分岐手前から雨は止んでくれたのは助かった。
この分岐からは未舗装路になってしまったので、雨が降っていたら自転車がドロドロになって、さらにイライラは募っていただろうし。

ちなみにこの前日あたりから、後輪から「バキッ」という嫌な音が頻繁になるようになっていた。
後輪も前輪もタイヤを揺らすとぐらつきが大きいので、恐らくはハブがもう駄目になっているのだろう。
そういうこともあり、南米縦断終了まではできるだけコンディションが悪い中を走りたくない。

しかし、雨は止んだものの、風が吹き始めた。
向かい風と合わせて未舗装路というのは、ストレスが凄まじい。
未舗装路には穴や大きい石があったりするため、そういった物を避けるために普段以上に集中する必要がある。

ただ、今は風が煽ってくるため、時折もろにそうした障害物に激突することがある。
ただでさえ自転車にできるだけダメージを負わせたくない今、穴や石に激突して衝撃を受ける度、自転車だけでなく私の心労も溜まっていく。

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分岐から走る事6キロ、ようやくアルゼンチン側のイミグレーションに正午過ぎ到着。

周りにほとんど建物が無い、孤立したイミグレーションのため、もしかしたらシエスタ(午睡)に入ってるかも・・・と心配していたのだが、窓口は開いていてホッとする。

処理はすぐ終わり、オフィスの前で昼食を済ませて先へと進む。

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2キロ程走り、チリ領域に。
国境の境からアスファルト舗装に変わる様は、両国の力関係が見て取れるようだ。

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ただ、ここから更に風が強くなり、国境から7キロの下り坂に、1時間も掛けてチリ側のイミグレーションに到着。
チリに入国する時は食料品のチェックが厳しいのだが、この時も鞄を全て開けられ、キャベツとニンニクを没収された。
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イミグレーションのすぐ脇にはCerro Castilloという集落があり、暴風から逃れるように逃げ込んだ。

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一応学校や図書館もあるのだが、はた目から見て機能している様には思えない。

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体育館の入り口に鍵が掛かっておらず、そっとお邪魔させてもらった。
まだ14時くらいだったのだが、体育館すら揺らすこの暴風の中ではとても進めるとは思えず、このまま籠ることにした。

体育館の中は暖かく、雨の心配もないため、ここ最近では最も落ち着いて過ごすことができた一夜だった。

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(走行ルート:La Esperanza西94km→Cerro Castillo)

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