風から逃げるように~La Esperanzaまで

Calafate~La Esperanza
3/2 (651days)
3/2
さて、ペリト・モレノ氷河の観光も終わったし、もうパタゴニアで観光することもない。
ここからはUshuaiaまで一気に行くことになるだろうと、Calafateの宿でUshuaia脱出の航空券も押さえ、出発。
Calafateまでの来た道を分岐まで戻り、あっという間に40号線に復帰。
行きはあれだけ苦しめられたのが嘘の様に、本当にあっという間だった。
しばらく平坦な道を進んでいると、目の前に大きな山が見えて来た。
どうもこの山を越えていくようで、上り坂が始まった。
いや、結構上っていくようで。
山肌に沿ってグネグネ進む関係で、終わりが全く見えない。
流石にここら辺で頂上だろう、と写真を撮っていたのだが、先に進むとまだ上りが続いている・・・というのを2、3回はしただろうか。
結局標高900メートルくらいまで上らされた。
上り切ってからはパンパ(平原)がずっと続いており、ひたすら平坦な道がずっと続いていく。
時折、ボリビアでよく見かけたビクーニャが姿を現す。
ビクーニャは標高4,000メートル付近になってようやく姿を現すイメージだったが、この動物はまた違う種族なのだろうか?
ビクーニャ同様に警戒心が強く、数十メートルくらい離れていても走って更に距離を開けようとする。
ビクーニャよりちょっと毛深いかな?
このパンパから横風が噴き出し、その強さはCalafateに着く日と同じくらいになってきた。
そしてこの日90キロ程走り、分岐が現れる。
一つはアスファルト舗装で、Rio Gallecosという街がある西へ向かって進んで行く。
もう一つは、未舗装路で南へ向かって進んで行く。
私はこれから南、チリのPuerto Natales方面へと向かうため、本来なら未舗装路を選んだ方が距離も近い。
ただ、この暴風の中未舗装路に進むのをビビってしまった。
一応アスファルト舗装でも、80キロ近い遠回りにはなってしまうが、次の分岐を西に進めば未舗装路と合流はすることができる。
また、途中までは追い風の恩恵を受けることができるため、多少はその遅れも取り戻すことができるだろう。
というわけでアスファルト舗装を選んだのだが、結果的にこれがミスチョイスだった。
最初こそ追い風だったが、途中からは向かい風になったり追い風になったりと、風向きが何度も入れ替わり、思っていた以上にはペースが伸びない。
それでもこの日167キロを走り、件の分岐にある集落・La Esperanzaに到着。
集落にはガソリンスタンド、レストラン、モーテルという施設くらいしかない、本当にただの分岐の補充地点のようだ。
少し郊外の、道路脇の小高い丘の影で野宿をすることにした。
さて、暴風から逃げるようにアスファルト舗装を選んだのだが、ここからは西に進まなければならない。
要は問題を先延ばしにしただけであって、翌日は西から吹く風に向かって進まなければ本来予定していたルートに合流できない。
Calafate手前の惨状を思い出し、気が重い中で夜は更けていった。
(走行ルート:Calafate→La Esperanza)