Oh!ブラボー~Rio Bravoまで

Cochrane南64km~Rio Bravo
2/20 (641days)
2/20
パタゴニアの朝を包む冷気。
頭上から射しこむ木漏れ日が、その冷たさを徐々に融かしていく。
冷気にツンとしていた鼻が徐々に利いてきて、昨日の焚き火によって服に着いた煙の匂いがテントの中に充満している事に気付く。
今日乗る予定のフェリーは午後、15時と18時に出航している。
野宿場所から港は距離にして60キロであり、15時はいささか厳しいため、最終便の18時を目指して走り始める。
実際走り始めてみると道は平坦で、思った以上に良いペースで走れている。
このままのペースで走ることができれば、15時のフェリーにも乗れそうだ。
少し欲が出て、ペダルを踏む足にも自然力が入る。
その後もかなり良いペースで走れ、15時どころか14時くらいに着くんじゃないか?という程。
余裕をもって到着できるな。
そう思っていたら、残り20キロから上りが始まった。
渓谷の中を縫って進んで行くのだが、時折ふざけんなよという傾斜の上り坂が現れる。
なにこれ、SASUKEのそり立つ壁?
結局かなり高い所まで上らされることになった。
景色は良いのだけれど、到着予定時間が15分、30分とどんどん後ろになっていく。
しかも工事にも捕まり、結局は15時ギリギリくらいに到着するペースに逆戻り。
最後の坂を上り切って少し進んだところ、海が見えた。
後はこの下りを走り切れば・・・!
お前らそこどけーっ!
タッチの差で間に合わなかった・・・
この港、Puerto Yungayは待合室とカフェ以外は何も建物がない。
仕方がないので、18時までの3時間、待合室で本を読んで時間を潰す。
はい、3時間後。
この船は無料。
その割に内装は立派で、暖房まで付いていて凄く快適だった。
そんな立派なのに、航行時間はわずか40分程。
対岸の港、Rio Bravoにはカフェすらなく、待合室の小屋だけ。
船からは車がどんどん降りて、小屋の後ろに延びる道を進んで行く。
私はもうこの時間から進むのも嫌だったので、「誰もいなくなってから、小屋でひっそり寝ようかな」と考えていたら、船から降りて小屋付近で作業していたキャプテンが「こっちおいで」と声を掛けてくれた。
どうやら私みたいな旅行者のために、小屋を寝床として開放してくれているらしい。
中にはトイレもあり、水も確保できる。
なにより、雨を気にしなくていいのは本当にありがたい。
いやぁ、助かりました。
(走行ルート:Cochrane南64km→Rio Bravo)