カファジャテ渓谷~La Vina南76kmまで

La Vina~La Vina南76km
12/24 (583days)
12/24
テントを打つ雨音で目を覚まし外を覗いて見ると、激しく地面を打つ雨に、その雨によってできた水たまりに包囲された私のテント。
仕方なくテントの中でガソリンストーブを炊き、昨夜の残りのカレーを温め、雨が止むのを待つ。
9時ごろに勢いはなくなったが依然小雨降っており、テントを乾かすのは諦めて濡れたまま袋に突っ込み、La Vinaを後にする。
その小雨も1時間もすれば止み、青空も見える様になってきた。
道はうねるように、赤みを帯びた渓谷の中を進んで行く。
渓谷沿いにはブドウ畑が点在しており、でっぷりとした房が、美味しそうな実をたっぷりにぶら下がっているのが見れる。
太陽が出てくると途端に暑くなり、ちょうどバス停の小屋があったためその日陰に逃げ込む。
昼食に手持ちのパンを食べつつ、濡れっぱなしだったテントを広げて乾燥を待つ。
ものの15分程で、テントはあっという間に乾いてしまった。
昼食を終えた後も、道は渓谷の中を進んで行く。
左右どちらを見渡しても、変化に富んだ赤い岩山が目に入り、走っていて全く飽きることがない。
この道は観光名所にもなっているのか、ところどころ案内看板が立っている。
確かに風景は素晴らしく、自転車で走っていてもとても楽しい。
この渓谷は「悪魔の喉ぼとけ」と言われているらしい。
すぐ隣にも似たような渓谷が。こっちは誰の何ぼとけよ?
綺麗に削られた岩盤の流れから、アメリカのアンテロープキャニオンを少し思い出した。
その後も奇岩地帯が続く。
こういう形の岩石を見ると、「サクラダファミリアみたいだ!」といつも思う。
行ったことないんですけどね。
カエルみたい。
アルゼンチン最南部のパタゴニア地域とは、暴風吹き荒れる荒野で、まるで他の惑星に来たのだろうかという風景を見られると聞いたことがある。
アルゼンチン北部にも、こんな異世界みたいな風景の場所があったんですね。
チリ北部沿岸の退屈(と噂の)な道を回避するためにアルゼンチンに来たのだが、こんな景勝地があるとは知らなかった。
こういう異世界的な風景を、私の脳は「ファミコンのドラゴンクエストのような世界だな」と認識するのか、延々とドラゴンクエストⅢのフィールドBGMを流し続ける様になる。
風を防げる石組みがあったため、この日はそこに隠れてテント泊。
アルゼンチン、俄然楽しみになってきた。
(走行ルート:La Vina→La Vina南76kmまで)
奇岩地区の風景が素晴らしい。感動です。