雲の列車~San Antonio de los Cobresまで

12/18 (577days)
12/18
アルゼンチンの道路整備事情は流石と言うべきか、昨晩に聞かされた、Saltaまでの道路上に起きた土砂崩れは夜の内に作業が終わり、通過できる状況になったという。
病院の方にお礼を言い、線路の通る集落・Olacapatoを後にする。
それでも、やはりコルゲーションと深い砂で道の状態は悪く、自転車には乗れるがキツイ。
手が悴む程に寒く、風も強く吹いていることが、フリースを着込んでも尚寒く感じさせる。
というか、4,000メートルオーバーで半袖半ズボンでも暑く感じていた今までが、普通ではなかったのかもしれない。
アンデス山脈に身を置いてから、どうも標高に対する感覚が麻痺しているように思う。
ちょうどこの休憩中に、雲が少し晴れて太陽が顔を覗かせた。
僅かな日差しが何と暖かいことか・・・!
これなら頑張れる!という気持ちにさせてくれる。
アルゼンチンはこのように峠のピークに標識を置いていることが多く、見る度に達成感を感じさせてくれる。
それと、「ここからは絶対に下りが始まる」と分かるのが、何よりも嬉しい。
余談だがこの線路、この区間はどうやら走っていないらしいのだが、この日到着することになる街・San Antonio de los Cobresとその先にある都市・Saltaを結ぶ列車は「雲の列車」と呼ばれ、観光名所になっているらしい。
ちなみに、標高4,000メートルを越えて運行しているため、列車内には高山病対策の酸素ボンベを持った看護師が同情しているとのこと。
(※Wikipedia「Salta」の項目参照)
あぁ、九十九折れなんていつ以来だろう・・・。
はっきり言ってボリビア後半戦の道なんて、道なんて言っていい代物じゃなかったし。
そう考えると、未舗装路とはいえ、流石アルゼンチン。
まぁ、もうちょっと頑張ってアスファルト舗装してくれよ、とも言いたいけれども。
でもやっぱり、こういう道は未舗装路のままで残してほしい、という気持ちもある。
自転車で走っていると、自分の好みの道というのが出てくるのだが、私はこういう道、風景が好きであり、走りやすさは度外視して、このまま未舗装路のままでいてほしい。
未舗装路の方が自然と一体になっている感じがする。
よく分からんコロニアル都市を文化遺産として保護するなら、こういう道も保護、というか放置しておいてほしい。
後はぶっちゃけ、自分の後続のサイクリストが同様に苦しんでほしい。
「いやぁ、アスファルト舗装で余裕でした!」なんて言われるとイラッときそうなんで。
線路を潜るとSan Antonio de los Cobresに到着。
アルゼンチンでようやく「町」と言える規模の町に辿り着けた。
町の入り口でいきなり「町に入るための金を払いな」と酔っ払いが絡んできたため、印象は良くないのだけれども。
こんな辺鄙な町でもツーリストインフォメーションがあるとは、流石アルゼンチン。
ここで安宿を聞き、無事投宿。
同時にATMでようやく現金を引き落としできたのだが、手数料が1200円・・・だと?
あまりにもふざけてやがる・・・。
これでは迂闊に無駄遣いができないのであり、南米では恒例になっていた私の「自分への頑張ったで賞」であるアイスクリームが頻繁に買えないのは、些か問題だ。
アルゼンチン、先が思いやられるぜ・・・。
(走行ルート:Olacapato→San Antonio de los Cobres)