雲の列車~San Antonio de los Cobresまで

Olacapato~San Antonio de los Cobres
12/18 (577days)

12/18

アルゼンチンの道路整備事情は流石と言うべきか、昨晩に聞かされた、Saltaまでの道路上に起きた土砂崩れは夜の内に作業が終わり、通過できる状況になったという。
「自転車なら最悪担いで通り抜けられるかな?」と思っていたのだが、これで憂いなくSaltaへ向かうことができる。

病院の方にお礼を言い、線路の通る集落・Olacapatoを後にする。
IMGP2555

昨晩の雨で道が泥に覆われていないか不安だったのだが、ほとんど濡れていない程に乾いていてホッとする。
それでも、やはりコルゲーションと深い砂で道の状態は悪く、自転車には乗れるがキツイ。

更にこの日は何故かトラックやタンク車の交通が多く、すれ違う度に砂埃を巻き上げていく。

更に更に、この日は空が厚い雲に覆われ、太陽が姿を隠している。
手が悴む程に寒く、風も強く吹いていることが、フリースを着込んでも尚寒く感じさせる。

IMGP2556
IMGP2561

標高4,000メートルを超えているため、もしかしたらこれくらいが普通なのかもしれない。
というか、4,000メートルオーバーで半袖半ズボンでも暑く感じていた今までが、普通ではなかったのかもしれない。
アンデス山脈に身を置いてから、どうも標高に対する感覚が麻痺しているように思う。

IMGP2562

余りに寒く、このまま体温が下がると体力も奪われてしまうと判断し、線路沿いの砂丘に隠れて昼食を取る。
ちょうどこの休憩中に、雲が少し晴れて太陽が顔を覗かせた。

僅かな日差しが何と暖かいことか・・・!
これなら頑張れる!という気持ちにさせてくれる。

RIMG9407

休憩後に上りがあったが、太陽が出てくれたおかげか体が温まり、、あまり苦も無く進むことができる。

IMGP2565

峠のピークは標高4,560メートル。
アルゼンチンはこのように峠のピークに標識を置いていることが多く、見る度に達成感を感じさせてくれる。
それと、「ここからは絶対に下りが始まる」と分かるのが、何よりも嬉しい。

RIMG9413

IMGP2571
線路沿いに、ガンガンと標高を下げていく。

余談だがこの線路、この区間はどうやら走っていないらしいのだが、この日到着することになる街・San Antonio de los Cobresとその先にある都市・Saltaを結ぶ列車は「雲の列車」と呼ばれ、観光名所になっているらしい。

ちなみに、標高4,000メートルを越えて運行しているため、列車内には高山病対策の酸素ボンベを持った看護師が同情しているとのこと。
(※Wikipedia「Salta」の項目参照)
IMGP2569
IMGP2570

「雲の列車」もさることながら、この区間の風景は素晴らしく、周りを雪山に囲まれた盆地の中を、いくつもの九十九折を以って下っていく。

あぁ、九十九折れなんていつ以来だろう・・・。
はっきり言ってボリビア後半戦の道なんて、道なんて言っていい代物じゃなかったし。
そう考えると、未舗装路とはいえ、流石アルゼンチン。

まぁ、もうちょっと頑張ってアスファルト舗装してくれよ、とも言いたいけれども。
IMGP2581
IMGP2573
でもやっぱり、こういう道は未舗装路のままで残してほしい、という気持ちもある。
自転車で走っていると、自分の好みの道というのが出てくるのだが、私はこういう道、風景が好きであり、走りやすさは度外視して、このまま未舗装路のままでいてほしい。

未舗装路の方が自然と一体になっている感じがする。
よく分からんコロニアル都市を文化遺産として保護するなら、こういう道も保護、というか放置しておいてほしい。

後はぶっちゃけ、自分の後続のサイクリストが同様に苦しんでほしい。
「いやぁ、アスファルト舗装で余裕でした!」なんて言われるとイラッときそうなんで。
IMGP2582
IMGP2583
線路を潜るとSan Antonio de los Cobresに到着。
アルゼンチンでようやく「町」と言える規模の町に辿り着けた。

町の入り口でいきなり「町に入るための金を払いな」と酔っ払いが絡んできたため、印象は良くないのだけれども。

こんな辺鄙な町でもツーリストインフォメーションがあるとは、流石アルゼンチン。
ここで安宿を聞き、無事投宿。

同時にATMでようやく現金を引き落としできたのだが、手数料が1200円・・・だと?
あまりにもふざけてやがる・・・。

これでは迂闊に無駄遣いができないのであり、南米では恒例になっていた私の「自分への頑張ったで賞」であるアイスクリームが頻繁に買えないのは、些か問題だ。

アルゼンチン、先が思いやられるぜ・・・。
RIMG9444
(走行ルート:Olacapato→San Antonio de los Cobres)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です