アルゼンチン突入~シコ峠イミグレーションオフィスまで

Socaire南70km~Migracion de Argentina in Paso de Sico
12/16 (575days)
12/16
テントを張った場所の目の前には塩湖があり、野生のフラミンゴが多数生息している。
ボリビアに入ってからフラミンゴを飽きる程見てきたけれども、やっぱり何度も写真を撮ってしまう。
なんだか不思議な魅力を感じる鳥なんだよね。
朝から上り坂で、ピークの標高4600メートルへ向けて徐々に標高を上げていく。
アスファルト舗装はまだ続いていて、無理なく走る事ができる。
風景は素晴らしく、私が想像するアルプスでの風景のようだ。
実際アルプスがどんななのかは知らないけど。
28キロ走り、El Locaという名前が付いた道路工事のためのベースキャンプで昼食休憩。
ここでも水を分けてもらうことができた。
ちなみに昼食はパンと果物。
Atacamaの物価が高く、食料自体を余り買わなかったのだが、流石にパンにマヨネーズ掛けるだけの食事はわびしい物がある。
El Locaの時点で標高は4500メートル。
そこからもう少し標高を上げて4600メートルまで達した。
ここいらの地形はお鉢の形をしており、ここをピークに一度下った後、再度上り返しが始まるのだが、ここの下りがえげつない斜度をしていた。
斜度に加えて曲がりもないため、一気に自転車は加速して最高時速80キロにまで達した。
いやぁ、流石に不安になる速度だった。
そりゃ高速道路で走る車並の速度なんだから、びびるわな。
一気に下った後は上り返し。
振り返るとさっき下った道の異常さが際立つ。
「あぁ、北上組じゃなくてよかった。あれを上るとか考えられない・・・」と心底思った。
後日「シコ峠を越えてAtacamaへ行くよ」というサイクリストに出会ったが、この道を思い出し、心の中で「ご愁傷さま・・・」と呟いていた。
標高4500メートルまで上りなおした後は、アルティプラノ(高原地帯)に入る。
そして・・・
シコ峠・アルゼンチンの国境に到達!
特に「アルゼンチンへようこそ!」というモニュメント的な物はなく、一見したら全く分からない国境。
チリ側を振り返ると「Bien Venidos a Chile(ようこそチリへ)」という表示があり、これで「あぁ、アルゼンチンに入ったんだ」と実感できる。
まぁ、この国境でキレイにダート道に変わる為、それでもアルゼンチンに入ったというのが分かる。
チリ側は紹介した通りアスファルト舗装がされ、行われている工事ももうすぐ終わりそうであったため、恐らくこの先1年以内に全面アスファルトになるだろう。
打って変わってアルゼンチン側は、この国境付近もこの先も、全く工事なんてしていなかった。
両国の、道に対する力の入れようの違いが現れていて、面白い。
走行している途中はガッタンガッタン跳ねる自転車に、「キャリア折れるんじゃないだろうな・・・」と不安を感じながらだったけれども。
そういえば、カナダやメキシコ辺りはアスファルト舗装で走っていても頻繁に折れたけど、アンデス山中や宝石の道の超絶悪路ではキャリアが1回しか折れていない不思議。
ペルーのHuarazでしてもらった溶接工の腕がよかったのか、キャリアの弱い部分にゴムチューブを巻き付けているのが効果があるのか。
そこからしばらく走り、イミグレーションオフィスに到着。
砂漠の中にぽつーんとこの建物だけがあるのだが、この国境、自転車旅行者以外に需要あるのか・・・?
本当にこの建物内でチリの出国処理ができるのか不安だったのだが、確かにこの建物内でチリの出国も、アルゼンチンの入国処理もすることができた。
しかし、同一建物内で2つの国の出入国処理をしているとは・・・。
もし戦争や両国の関係が緊張状態に陥ったらどうなるのだろう。
イミグレーションオフィスの職員に「近くにテント張ってもいい?」と尋ねると、宿舎に案内してもらい、ベッドをあてがってもらえた。
キッチンやシャワーも完備しており、ガソリンが残りわずかになっていたため助かった。
これで晴れてアルゼンチン入国!とはいっても、最寄りの町らしい町まではまだまだ200キロ近く走らなければ・・・。
(走行ルート:Socaire南70km→Migracion de Argentina in Paso de Sico)