コロラダは燃えているか~コロラダ湖北東まで・宝石の道4日目

Arbol de Piedra~Quetena Chico分岐(Laguna Colorada北東)
12/3 (562days)

12/3
巨石に囲まれた場所にテントを張ったため、朝の日差しが全く射し込まず、朝の冷気が非常に厳しく感じる。
心なしか、写真に写る表情もかなり不機嫌に見える。
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さて、出発しますか。
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初日二日目とほとんど余裕がなくて回りが見えていなかったけれども、たまに動物がいたりする。
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まぁ、ツアーの車は飽きる程見たけども。
すれ違う度に砂が巻き上げられるため、顔をちょっと撫でて手を見てみると真っ黒な色をしている。

そういえば、宝石の道に入ってから鼻水の量がえげつない。
何の前触れもなく鼻の孔から鼻水がタラーっと垂れてくる。
やはり吸っている埃の量がえげつないのだろうか。
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60キロか・・・こっちはスピードメーターも反応しない3キロ未満で進んでいるよ。
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200メートルを自転車を押して進み、少し砂がマシになったと思って自転車に乗り、20メートル走ってまた砂が深くなって自転車を降りて押して200メートル進んで・・・。
宝石の道で必要なのは、この無限ループを気にしない、もしくは耐えられる我慢強さではないだろうか。
もう自転車に乗れないことの方が当たり前なのだから、「乗れたらラッキー!」と思える前向きな考え方というか。

もう大分前から坂の下にLaguna Colorada(コロラダ湖)が見えているのに、全く近づいている気がしない。
自転車に乗れず、砂に悪戦苦闘しながら進んでいるため、その距離は絶望的に感じる。
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Arbol de Piedraから走り始めて16キロ、湖畔の公園管理事務局に到着。
本来ならここで150BS(約2100円)を支払う必要があるのだが、日曜だからか何だか分からないが誰一人人がいない。
仕方がないので、ゲートをくぐって先へと向かう。
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ゲートを潜ってすぐに、湖畔のホテルに到着した。
休憩がてら寄ってみると、Uyuniで出会っていたヨーロピアンのサイクリストがいて、他のを合わせて合計5名ものサイクリストが羽を休めていた。

彼等曰く、「今朝ここから日本人サイクリストが2人出て行ったよ」ということで、まず間違いなくUyuniを先に出発した久保田さんと濱さんの2人だろう。
私は3日程遅れてUyuniを発ったため、まさかこんなにも接近しているとも、宝石の道で会えるチャンスがあるとも思ってもいなかった。

とにかくホテルで少し休ませてもらい、水を補充してパンを齧って40分程の休憩で出発する。
何故かホテル併設の商店は「もっと遅くならないと売れない」ということでジュースや食料の補給はできなかったが、十分すぎる程持っているため問題はない。
というか、なに?今日は日曜日だから公園事務局も商店もお休みなの?
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ホテルを出てからは、Laguna Colorada沿いにゆっくりとカーブしながら進んで行く。
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何故かは理由は分からないのだが、Laguna Coloradaは水色ではなく、真っ赤な水を湛えている。
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燃えている・・・は言い過ぎかもしれないけれども、赤い絵の具をそのまま垂らしたかのような、はっきりとした赤色をしている。
その赤に擬態するかのように、フラミンゴが湖の浅い所で生息している。
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しばらくして分岐があり、看板が立っているのだがよく理解ができない。
足元を見てみると、細い自転車の轍が左側、湖を西から東へ横断する形で伸びている。
恐らくは先行している2人のものだろうと判断し、それに着いて行くことにした。

いやぁ、いつの時代も後追いというのは楽なもので。
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そのまま轍に従って進んでおり、その先にも一つ分岐があったため轍に従った。
しばらくすると更に分岐があり、轍が2本とも、同じ方向に延びている。

当然それにも従い、「ふふ、こんな砂漠でもGPSもスマートフォンも必要ない!」なんてほくそ笑んでいた。
が、轍が辿り着いた先は湖から半島のように突き出た展望台で行き止まりになっている。
私が目指すべきLaguna Coloradaの北東はその展望台から、明らかに20キロ以上は先に霞んで見える。

「くそっ!騙されたっ!」
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まぁ、展望台があるなんて知らなかったし、寄るつもりも暇もなかったけれども、良い景色。
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この展望台の時点で15時前。
当初予定だともうこの付近でキャンプしても良かったのだけれども、朝のキャンプ地から思った以上にペースが速く、それなら欲を出してもう少し走りたい。

そんなわけで展望台はさっさと抜け出し、メインのルートへと復帰する。
と、あっさり書いたけれども深い砂で復帰するのにも一苦労。
で、やっぱり轍はこのメインルートからLaguna Coloradaの東側にまっすぐ伸びている。
くそっ・・・。

ちなみに日本人サイクリストでLaguna Coloradaの東側を走り、かつ北上した記録なんて、私が知る限りでは無い。
途中ツアーの車に道を確認し、ホッとしつつ北上していく。
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そもそも宝石の道攻略ルートとしては、Laguna Coloradaの西側をそのまま湖沿いに南下するルートが一般的。
何故私がわざわざ湖を横断して反対側の東側へ、更には進行方向とは逆に北上するのかといえば、この先に「世界で最も標高の高い道」が存在しているからに他ならない。

宝石の道まとめ記事でも書いたのだが、宝石の道メインルートから外れる事東に50km程、Quetena Chicoという集落があり、その集落からVolcan Uturuncu(ウトゥルンク火山)の山頂付近まで伸びる道がある。

その道は標高約5800メートルまで伸び、現時点で車及び自転車で行くことができる最大標高の道とされている。
私はこの道の存在を知らなかったのだが、ペアランしていた際、濱さんに教えてもらっていた。

「馬鹿と煙は高い所が好き」とはよく言われるが、サイクリストも「高い所と端っこが好き」な人種だ。
それも「世界一」と言われると、尚更登ってみたくなるというのがサイクリストというものである。

Uyuniで一緒だった久保田さんも濱さん経由でこの道を知ったらしく、やはりこの道を目指すと言っていた。
過去に日本人サイクリストが走った記録がない「世界で最も標高の高い道」に、ほとんど同時期に日本人サイクリストが3人も挑むことになる。

やっぱり、馬鹿なんでしょうなぁ。
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北上を続けてしばらくして、北へ伸びる道と西へ伸びる道の分岐点が現れる。
ここを西に進むことで、Quetena Chicoへとたどり着くことができる。

この日はこの分岐にあった小屋の側でテントを張り、風をやり過ごして、翌日にQuetena Chico到着を目標にして夜を過ごした。
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(走行ルート:Arbol de Piedra~Quetena Chico分岐)

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