石の樹~Arbol de Piedraまで・宝石の道3日目

Hotel Desierto~Arbol de Piedra
12/2 (561days)

12/2
ホテルの建物が風除けになってくれたこともあるし、宝石の道では昼過ぎから吹き荒れる風が、21時頃になるとピタッと吹き止む。
お陰でほとんど目を覚ますことなく熟睡することができた。
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それでも相当に冷え込んだらしく、初日と同様2リットルのペットボトルはボトルごと全て凍りついている。
昨日の晩の残りのカレーを温め、暖を取る。
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7時半にホテルを出発。
地図上だとホテルまでは一本道で、来た道を2キロ戻らなければならないはず。
なのだけれども、南に延びる道の方が轍が濃く、こっちでも行けるだろうと高を括り、来た道とは違う道を選択する。
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この道が来た道から続いていた道と比べてどうなのかは知る術もないが、「明らかに失敗した」とこの時は後悔しかなかった。
ホテル前ではあれだけ濃かった轍も徐々に薄くなり、踏み固められていない砂の道へと変わり、自転車を降りて押しても一向に進まない。

200メートル進んでは休んで息を整え、また進んで・・・
辛い。ただただ辛い。そんな思いしか浮かんでこない。
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ホテルから出て8キロ程押し続けた後、ようやく乗れそうな程にはマシになってきた。
それと同時にどうやら国立公園内に入ったらしい。
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国立公園の入り口地点で10時くらい。
普段だと大体風が吹き始める時間であり、この時も風が吹き始めたのだが、この日はなぜか追い風が。
風に押されて進む進む。
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宝石の道を走っていると、自然というのは人の味方ではないということを痛感させられる。
自然の気まぐれで風が吹き、気まぐれで砂が深くなり、気まぐれで朝に氷点下だった気温が汗ばむまで跳ね上がり・・・。
その気まぐれのお陰で、たった1キロ進むことがとんでもない大仕事になったりする。

もちろん気まぐれでこの日みたいに追い風で味方してくれることもあるのだけれども、そんなことは稀なわけで。
この感覚は自転車や徒歩で、要は自分の足でこの道を通ってみないことには分からない感覚だと思う。
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風に押されてホテルから25キロ程走り、砂漠のど真ん中に岩が密集している地点が見えて来た。
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大きな岩がこの地帯にだけ、ごろごろ転がっている。
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その中に一つ、Arbol de Piedra(石の樹)と呼ばれている岩がある。
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どっちかというとカリフラワーに見えるな。
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到着したのは14時半頃。
走行3日目で相当に疲労が溜まっていたため、半日休みとして日が暮れるまで文庫本を読み、日が暮れるとそのまま岩の影でテントを張った。

治安的に問題のない宝石の道では、風防にこだわらなければどこにだって、好きな時間にテントを立てられる。
これは自転車旅行の醍醐味であり、治安的に不安のある南米の幹線道路走行中にはなかった、北米以来久しくなかったことではないだろうか。

半日休憩という事もあるけれども、それを抜いても「距離は走っていないが充実した一日」だった。
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(走行ルート:Hotel Desierto→Arbol de Piedra)

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