予期せぬペアラン~Curahuasi東55kmまで

Curahuasi~Curahuasi東55km
10/26 (524days)
10/26
夕方から立ち込め、夜には雨をもたらしていた暗雲は朝にはキレイさっぱり晴れていた。
Curahuasiのホテルを出発し、街の出口あたりで脇道から2台の荷物満載の自転車が現れた。
声を掛けてみるとセルビア人の女の子2人組で、Ayacuchoという町から旅行を出発させたとのこと。
ヨーロピアンらしく、バッグは後ろ側に2つしかつけていない軽装スタイルだ。
私も本来は2つくらいしかバッグは持ちたくないのだが、一体何が入って4つも持ち運んでいるのだろう・・・自分でも不思議に思う。
しばらく喋りながら進んでいたが、流石に彼女たちの方が軽装の分ペースが速く、一通り話し終わると先へと進んで姿が見えなくなった。
前日に標高3700メートルに達し、そこからCurahuasiまで下ってきたのだが、Curahuasiもその下り坂の途中に位置する街であり、街を出てからもその下り坂は遥か谷底まで続いている。
その後も下り続け、眼下に川が見え始めた。
そして標高1700メートルの川底に到達し、赤い橋を渡るとしばらく川沿いに走る平坦な道へと出る。
ちょうどこの橋を渡った所に標識があり、「Cuscoまで97キロ」という表示がある。
自転車旅行者(というか私)の感覚として、100キロというのが一日の走行距離の目安になるのであり、100キロを切ると「もう目と鼻の先だな」と思える。
とはいえここからまた標高3500メートルくらいの峠を越えるため、時間的には丸一日以上かかる距離なんですけどね。
流石に標高も2000メートルを切ると暑い。
更に再び道が上りに転じ始めたため、なお一層暑い。
標高は再び2000メートルを越え、2500メートルに到達した頃、Limatamboという町で昼食休憩を取った。
入ったレストランの昼食メニューが5ソルと安いうえに、飲み物のコップが空になると「おかわりはいる?」と必ず聞いてくれる女将さん。
日本では当たり前のサービスかもしれないが、ここまで細かい気配りを中南米で受けたのは初めてだった。
暑いことも相成り、調子に乗って4杯もお代わりしてしまった。
昼食を食べ終えて進もうとすると、先行していたセルビア人女の子2人組が別のレストランで昼食を取っていた。
そこで少し話した後、流れで一緒に走る事になった。
どうやら大学生らしく、「今は夏休み中なの?」と聞くと「いいえ、自主的バカンスよ」と言っていた。
この暑さで季節の感覚がおかしくなっているけれど、そりゃ夏なんかとっくに終わってるか。
彼女らの母国語はフランス語らしく、英語よりかはスペイン語の方が得意とのこと。
そのためスペイン語で会話をするのだが、私のボキャブラリーでは会話の内容も限られてくる。
更に困ったことに、オナラを気軽にぶっ放せない。
私は旅行に出てから何故かガスっ腹になって、走行中にやたらとオナラをぶっ放している。
今まで他の自転車旅行者とペアランしたことは何度もあり、その時も全く気にせずにぶっ放していたのだが、それは全員野郎だった。(もしくは男女ペアとか)
それが今回は二人とも女性であり、しかも私よりも若いピチピチの女子大生。
しかも私を挟むようにして前後に位置どっているため、ぶっ放すとなればまず間違いなく後ろの女の子の顔面に直撃する。
流石に私にも少しの羞恥心は残っているのであり、ガスでお腹がゴロゴロなるのを我慢しながらの走行はかなり辛かった。
幸い彼女らの方がやはりペースが速く、徐々に私と距離が開いたため、ここぞとばかりにぶっ放してやった。
やはり溜め込んだものを出すというのは気分がいいもんだ。
それがアンデスの山中だと尚気持ちが良い。
山の上でタバコ?山の上でコーヒー?山の上でラーメン?
いいえ、一番気持ちいいのは山の上でオナラです。
彼女達が商店で買い物をしている時に追いつき、そこのご主人が「テントを商店の裏で張っていいよ」と言ってくれていることが彼女達の説明で分かった。
時間的には15時半とまだ走れる時間ではあったのだが、この先テントを張れる場所を探すことが困難だろうと判断し、彼女達と一緒にテントを張る事にした。
話を聞いてみると、彼女達にとってこの旅行が初の自転車旅行であるらしく、これから南下してボリビアの「宝石の道」を走った後に北上してペルーのリマがゴールの予定とのこと。
「宝石の道」は私もこれから走る予定であり、美しい道として有名なのだが、同様に酷いダートに暴風で過酷なルートとしても有名なのだ。
それを初めての自転車旅行で目指すというのだから、やはりヨーロッパの女性というのは滅茶苦茶に行動的で勇敢だな・・・と改めて感じた。
「ここまで男勝りなら目の前でオナラぐらいしても平気なんじゃね?」と思ったりもしたが、結局できなかった私は典型的な日本人なのだろう。
(走行ルート:Curahuasi→Curahuasi東55キロ)
日本人は素晴らしい。最高。
(笑)
今回面白い(笑)