雨は嫌いです~Puquio北45kmまで

Puquio~Puquio東45km
10/16 (514days)

10/16
前日のやっつけ仕事で修理したチェーンで果たして走れるのか?と心配していたが、ペダルを踏み込んでみて「あ、これなら大丈夫そうだな」と確信を得ることができた。

Cuscoまでは500キロを切った。
Puquioの標高は3200メートル。ここから標高4200メートルの峠を越えていくため、大体7日程度で着くだろうか。
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Puquioから出ると早々に上りが始まるのだが、この日は天気も良く空が澄んでいて、走っていて気持ちが良い。
NazcaからPuquioまでと、Puquio以後ではまるで風景が違うように感じる。

NazcaからPuquioまでは砂漠から草原地帯へという風景変化があった。
Puquio以降は、草原地帯から岩山地帯へ、という風に景色が変わったように思う。
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道路のすぐ傍には、どこから来たのだろう?という程の巨石がゴロゴロと転がっている。
近くに火山は見当たらないため、火山岩ではなさそうだ。

これから目指すCuscoでは石垣が有名だが、その石垣に利用されている石がどこから運搬されたかは謎のままになっているという。
案外、ここら辺から運ばれていたのではないだろうか・・・流石に遠すぎるか。
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敷地を明確に区別するためか、家畜を遠くへ行かさないためか、牧草地に石垣が敷かれている。
これもPuquio以降出て来た新しい風景で、はた目から見ると何かの遺跡の様にも見えてくる。
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かなり緩やかな上り坂で、ゆっくりと上っていく。
回りに遮る物がないため、かなり上ったところでもPuquioの街が見下ろすことができる。

高い所から見ると、意外と大きい街だったことが見て取れるのと、山の斜面に張り付いた苔の様に小さくも見れる。
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12時半頃、上り坂途中にレストランがぽつりと立っているのが目に入った。
Puquio以降はレストランなどないつもりだったため、既にバナナ等の携行食を昼食として取ってはいたので、スルーするつもりでいた。

更にこの時背後を見ると、確実に雨を降らせる暗雲がせり上がってきているのが見えた。
できるだけ距離を稼いで、同時に早い内にテントを張れる場所を探すのが最善策だろうというのは、頭の中では分かっていた。
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しかしそこは悲しいかな、自転車旅行者。
食える時に食っとけ!という強い感情が理性を跳ね除け、気付けばレストランに足を踏み入れていた。
しかし悲しいかな、牛肉の煮込みっぽいこの料理、獣臭くてとても美味しいとは言えなかった・・・。
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お代を支払って外を出てみると暗雲が更に濃くなっており、「これはヤバい!さっさと行かないと!」と出発準備をしていると、別席の客が外に飛び出して来て「写真撮ってくれよ!」と言う。
それは一向に構わないので一緒に写真を撮ると、今度は「中においでよ」と招かれ、お茶をご馳走されたものだから断れない。

結局食べ終わってから優に30分は居座り、再度外に出てみると、もう決壊寸前といった所まで来てしまっていた。
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案の定30分も走らない内に頭に冷たい物が触れる気配がし、「ついに降ってきたか」と空を見上げると、降ってきたのは雨ではなく雹(ひょう)。
しかも降り始めて一気にその勢いはマックスに達し、痛くてたまらない。

すぐさまレインウェアを引っ張り出して着用するものの、それで事態が好転するわけなどない。
近くに屋根のある場所などないのだから、進むしかない。

悪運が強かったのか、雹が降り始めてから少しだけ進んだ所、道路から外れた所に広い広場があり、そこに突っ込んで急いでテントを設営する。
その頃には強い雨と変化しており、テントに飛び込んだ時にようやくふぅーっと一息つくことができた。

時刻はこの時点でまだ15時半。
止む気配はなく、明るいテントの中でひたすらに文庫本を読みふけり、Limaで仕入れた貴重な文庫本を一冊読み切ってしまった。

結局雨はこの日止むことなく、激しくテントを打ち付けていた。

(走行ルート:Puquio→Puquio東45km)

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