非日常フィールド~Limaまで

9/30~10/1 (498~499days)
9/30
前日にペルーの沿岸沿いを初めて走ってみて、思った以上に向かい風が強かった。
その教訓を生かし、朝の風が弱い内に走行距離を稼ごうと目論み、7時前にSupeのホテルを出発する。
通常の平地走行と同じペースで順調に距離を稼いでいく。
Supeを出発以降、砂漠が広がる中・・・というか砂漠しか存在しない中を走るのだが、これが苦痛で仕方がない。
初めこそ普段全く見ることなどない砂漠にテンションが少し上がったものの、砂漠の風景というのは変化が一切ない。
そのため上がりあけたテンションは一瞬で萎え、ほぼ義務感の様な感じで進んで行くことになる。
一応沿岸沿いを進んでいるため太平洋も見えたりはするのだが、意外と距離が遠いためはっきりとは見ることができない。
それに靄が掛かっていて決して綺麗な風景ではなく、テンションもそこまで上がらない。
しかも平坦化と思いきや、常にアップダウンの連続を走らされる。
何とか砂丘を削って平坦にできなかったもんかね、ペルー政府さんは。
以後、本当にこの写真の風景が延々と続くことになる。
一応Supe周辺ではこんな感じでサトウキビを満載にしたトラックを見る事もあったのだけれども、もうそれさえ見ることも無くなった。
こんな感じで限界まで積載してスピードを出せずにのろのろ進んでいるのを見ると、まるでスープ飲み放題のファミレスで、子どもがスープカップ擦り切れ一杯までスープを入れ、そろそろと席に戻るのを連想させられる。
「いや、程よい感じまで入れて、さっさと飲んでまた注ぎにくる方が早いやん!」と思うのと同じ感想を、このトラックにも持ってしまう。
いくら何でも積み過ぎやん、欲張りさんめ。
50キロ程走り、料金所を通過した所でレストランが立ち並ぶエリアへ到着した。
時刻はまだ11時にもなっていない。
この先都合よく集落があるのか分からない、というか午前中走った感じだと集落なんか見込めそうにない程何もなかったため、早めに昼食をとることにした。
沿岸部だからといって、米が常に美味しい訳ではないらしい。
ここは米がぱさぱさで外れだった。
この昼食休憩が、後から考えれば大正解の判断であり、以後全くレストランはおろか商店さえ存在していなかったと記憶している。
しかし、昼食以後は恐れていた向かい風が吹き始めたのであり、その強さがまた尋常ではない。
電動エアロバイクで負荷を「強」に入れた時のようにペダルが重く、全くスピードが出せない。
平地はおろか、下り坂においても必死に漕がないと時速10キロも出せないというのにはほとほと参った。
風が強いだけならまだしも、辺りは一面砂漠。
向かい風が砂を運び、砂がまるで蛇か、もしくはドライアイスから漏れる冷気の様に道路を張ってくるのが見える。
その砂が、容赦なく顔面に降り注ぎ、目から、鼻から、口から侵入してくる。
全くスピードの出せない重たいペダルと、つまらない変わらない風景に苛立ちはマックスになり、この時私は「この旅行中でもワースト1位の道だな」とこの状況を呪いながら走っていた。
エクアドルからペルーに入国する際、山岳ルートを選んでいないと、かなりの長期間こんな砂漠地帯をずっと走り続けることになっていたのだろう。
半日走っただけでもここまで嫌気がさすのに、これが1週間、10日と続くとかたまったもんじゃない。
もし後発チャリダーが当ブログを見てくれているのなら、声を大にしてお勧めしたい。
ペルー沿岸部は糞だから、是が非でも山岳ルートを走って欲しい。
山岳にはペルーの良さがぎっしり詰まっている。
と、散々ここまで文句を言ってきたのだが、時折「おっ」と思わせる風景があるのも事実。
というか、全く何も変化がないため、少しの変化にも敏感になる、というのが正しいか。
よくよく考えれば砂漠など日本には伊豆大島にしか砂漠は存在していないのであり、そういう意味ではこの状況は日本人にとって最高の「非日常フィールド」なのかもしれない。
そう前向きに考えられると、もしかしたら面白い・・・かも。
向かい風でなく、追い風なら私の感想も180度変わって「面白い!」だったかもしれない。
砂漠の中のロータリー
砂丘沿いに続く上り坂
80キロ走った頃からは沿岸から少し内陸に入り、風も少し弱まってきた。
これに
より少しペースが速まり、予定の106キロを走り切り無事にChancayの街に16時半到着。
というか、Chancay手前でテントを張れるような場所がなかったため、風が弱くなってなかったらたどり着けなくてかなりヤバかったように思う。
10/1
Chancayから首都のLimaまではおよそ70キロ。
この日も向かい風を考慮して早朝にスタートする。
道はもうずっと砂漠の中を走るため、紹介しない。というか、写真もこの1枚しか撮っていないから紹介しようがない。
50キロも走るとLimaの郊外に入ったようで、高速道路をバス、トラック、乗用車にもみくちゃにされ、クタクタになって日本人宿「お宿桜子」に13時半到着。
しばらくはここでのんびりと過ごす予定でいる。
Limaに到着することばかり考えていて、今後のルートが全く未定のため、それも考えなければ・・・
(走行ルート:Supe→Lima)
懐かしい。リマです。
悪化
リマ。リマ懐かしい。
リマ。リマ懐かしい。最高。
あっ…
沿岸か!?海岸とは違う?(^^;か