心を摘む戦い その①~Pallascaまで

9/13 (481days)
9/13
Angasmarcaの町を出ると、この日も未舗装路が待ち構えていた。
到底自転車が走れるように作られた道ではなく、拳大の砂利が道一面に敷き詰められている。
道から「さぁ来い、滑って転べ。へっへっへ。」という声が聞こえてくるようだ。
Angasmarcaからは下りなのだが、重量50キロ超にもなる自転車に乗りながら下るのは非常に危険なため、ブレーキに加えて足も使って踏ん張りつつ下っていく。
あれが あなたの 未来
(※作詞作曲:玉城千春・歌:Kiroro「未来へ」より引用)
曲がり角にはパウダー状の砂が敷き詰められ、自転車を漕ぐことなどできず、押して歩くしかない。
対岸を下りながら見ていた私の未来は、真っ暗も真っ暗なものだった。
この日は何か特別な日なのか、中央広場では楽器隊が音楽を鳴らし、それに合わせて人々が躍っている。
また、一人だけ仮面をつけて鞭を振るって踊り狂っている男がいた。
日本で言うナマハゲのようなものなのだろうか。
広場でアイスを買い、少し休憩を入れて出発。
上り坂と未舗装路は終わる気配も、斜度を緩める気配も一切ない。
エクアドル最終盤のZumba周辺の道など、ここに比べればお遊び程度だ。
ここは、この旅行中でも五指に入る厳しい区間であると感じた。
いや、決して体力的にキツイ道程ではない。
照り付ける暑さ、車が巻き上げる砂埃、終わる事のない上り坂・・・
それらに精神がどれだけ耐えられるか。
そう、これは肉体でなく心を摘む戦い!
・・・実際には相手(アンデス山脈)のHP(ヒットポイント)は無限なのであり、私の心が摘まれるか摘まれないか、なのだが。
標高は3000メートルを少し超えたところで頂上を迎え、そこから少し下った所でMollebambaの町が眼下に見えてきた。
Santa Clara de Tulpoの町のお祭りにでも行っているのだろうか、ほとんど町人がいない。
それでも町で恐らく唯一のレストランは開いていたため、ここで昼食を済ませておく。
そしてMollebambaの町を出ると下りが始まる。
ようやく長い上りを終えてホッとし、下っている途中に対岸の山が良く見えて、景色が良い・・・
あれが あなたの 未来
To Be Continued…
(走行ルート:Angasmarca→Mollebamba)