この道は困難なり~Santiago de Chucoまで

Huamachuco南東27km~Santiago de Chuco
9/11 (479days)

9/11

夜中未明、雨がテントを打つ音がしていたが、6時半頃に起きて外に顔を覗かせた頃には雨雲は過ぎていっていた。
濡れたテントを乾かしつつ朝食を作り、野宿の時にしてはゆっくりな8時半に出発する。
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出発してすぐ、エクアドル以来で久しぶりにリャマを見た。
エクアドル出身のリャマはカメラを構えてもしばらくじっとしてくれたのだが、ペルー出身のリャマはすいすいすい~っと逃げてしまう。
イケずな奴らだ。
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しばらく走っていると目の前に湖が現れる。
こんな高地に川などある訳も無く、どうやって溜まってできたのだろう。
この付近は雨が多いことからなのか、それとも人口湖なのだろうか。
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先を見ると、この湖に沿って道が上の方に通されている。
幾つものカーブを曲がり、どんどん上っていく。
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途中、ぽつんと一つの標識が掲げられているのが目に入った。

「この道は困難である。しかし、不可能ではない」

元々がどういう意図があって立てられた標識なのかは分からないが、まさに自転車旅行者のためのものと言ってもいいのではないか。
少し元気をもらい、先へと進んで行く。
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標高4000メートル近くまで上ってきたところ、目の前の視界が開けたことから頂上に着いたことを知る。
やはり4000メートル近くになると、異世界にいるような雰囲気になる。
この黄金色の草原風景が寂し気な空気を作っていて、何となく私は好きな景色だ。
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このまま標高を維持しつつ少し進むと分岐点があり、Quirvuilcaの町の方へと進路を変える。
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上から見下ろすQuirvuilcaの町は何とも言えない妖しい雰囲気を漂わせている。
スラム街なのか?と思ったが、どうやら鉱山の採掘を主な産業としているようで、そのためか裏寂しい空気を感じる。
現実感の無い、どこかテレビゲームのRPGの中の町のようだ。
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町に入ってみたが特に用はないため、次の町となるSantiago de Chucoへの道を住民に尋ねつつ、脱出を試みる。

「少し進んだ先に分岐があるから、それを左だよ」という情報を複数の住民からもらい先を進む。
するとShoreyという集落の入り口手前に分岐点があり、「これだろう」と思ったのだが、ちょうど交番もその分岐のすぐ傍にあったため、一応警察に「Santiago de Chucoってどこ?」と聞いてみた。

2人いた警察官は「もう少し下った先だよ」と答えたため、その言葉を信じて坂道を下っていった。
1キロ程下った先の集落で住民にもう一度確認したところ、「Santiago de Chucoなら戻らないと。交番の分岐を右だよ」と言う。

・・・あの糞警官どもが!!!

坂を上る間、警官を呪う言葉を存分に呟きながら、汗だくになって交番に戻ってきた。
最初Quirvuilcaから来た時はちょうど裏側になっていて見えなかったのだが、交番のすぐ隣に看板が立っており「Santiago de Chuco→」という表示が。

・・・この糞警官どもが!!!

文句を言える程スペイン語の語彙力がないため、軽く睨みつけるくらいしかできなかったが。

思わぬ寄り道で体力と時間を消費してしまい、お昼ご飯時になってしまった。
ちょうど交番の目の前にレストランがあり、昼食を頼んだのだがメニューが一つしかないらしい。

とりあえず頼んでみたら大きな器に並々とスープが運ばれてきたのだが、中にブタの脂身がどっかりと入っていた。
肉の欠片すら付いていない「まんま脂」であり、何口か頑張って食べてみたが、旅行中で初めて食事を残すこととなった。

恐らく日本人の胃袋には、この脂を消化し切れる程の強さはないのだろう。
走行途中から異変に気付き、その後一日中、私の菊の門がノックされ続ける結果となった。
本当に全部食べなくてよかったと、この日走行を終えた時、心からそう思った。
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改めて分岐点を曲がると、標高3500メートルのShoreyからまた再度標高を上げていく。
恐らく鉱山採掘に必要な水を確保するための人口湖なのだろう、それと、道路を遠慮なく横断していく大量の羊達を見ながら進んで行く。
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再び標高4000メートル付近に到達し、黄金の草原とその背後に聳える山脈のパノラマが広がる。
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恐らくここが頂上だろうと思っていると、案の定下り坂が始まった。
事前にGoogle Mapで調べて紙地図に書き込んでおいた情報によると、次の街のSantiago de Chucoは標高3000メートル。
ここから一気に下っていくはずである。
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うっそよねーん。

・・・息を切らせて再び丘を越えていく。
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ようやく丘を上り切った。
ここが流石に頂上だろう。ほら、下りが始まった。
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うっそよねーん。

・・・。

おまけに雹まで降ってきやがった。
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もう一度丘を越えた。
これが流石に最後だろ?

うっそ・・・

今回は本当に一気に下っていくようだ。
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標高も4000メートル近くから3500メートルに落ちてくると、徐々に緑色の草も生え始め、家畜も現れ始めた。
3500メートル以下が、無理なく人が生活できる世界なのだと思う。

3500メートルを超えると、集落や町があっても自然の厳しさに曝され、どことなく異世界のような雰囲気になる。Quilvilcaのように。

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標高3000メートルまで一気に下り、Santiago de Chucoには15時過ぎ到着。
地図上では結構な町の様な表記なのだが、実際にはかなり小さい町で、ほとんどのホテルを覗いて見たが全部Wi-fiがないレベルの田舎っぷり。
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町の雰囲気はのんびりとしていて、過ごしやすそうな空気が流れている。
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「この道は困難である。しかし、不可能ではない」

下り坂のフェイクに多少イライラはしたが、この日の走行は全く困難ではなかった。
この調子ならさしあたっての大きな目標地点・Yungayまで余裕で行けそうだな。

この時はそう思っていた。
翌日以降こそが、この標語が言う困難な道が
待ち受けているとは知ることも無く・・・。

(走行ルート:Huamachuco南東27km→Santiago de Chuco)

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