「緩」のペルー~Chotaまで

Cutervo~Chota
9/4 (472days)
9/4
前日はそんなにきつい行程でもなかったと思っていたが、流石に未舗装路で獲得標高1700メートルも行くと少し疲労が溜まるのだろうか。
起床と準備が少し遅れ、8時半過ぎにCutervoを出発する。
しばらく未舗装路の牧草地の中を走り、徐々に標高を上げていく。
何軒かの家が並ぶ道のコーナーを曲がると、急に深い谷の大パノラマが目の前に広がる。
まだ走行を開始して6日目なので印象論に過ぎないが、ペルーという国は山肌に道を作るにしても、山と山の距離が短い、狭い渓谷の中を通る道が多い。
そのため視界が広がらない中での走行となり、高度計を見ても「本当にこんなに標高高い所にいるの?」という感覚になる。
それがこの大パノラマを見て、ようやく自分が相当に高い場所にいるんだな、ということが実感できた。
しばらくは尾根走りの様な感じで、このパノラマの景色を堪能する。
少しすると道は一気に下りへと転じる。
谷底まで伸びる道は、下り切った先、対岸に聳える山にぶつかった後二手に別れている。
コンパスと写真を見るに、私の進行方向は南東、写真で言うと山と山の間を通って左上の方へと向かう様だ。
谷を下り切ると、今度は川に沿って渓谷の奥へと向かう道を走る。
車は通るものの交通量は多くなく、流れる川も静かなため、ほとんど周りに音が無い中で自転車を走らせる。
高度計を見ると徐々に標高が上がっている様なのだが、体感ではほとんどフラットに近い角度で進んで行く。
誇大広告もいいところな標識。
これがエクアドルならば、谷底まで落ち切った後、即上り返しがあり、えげつない斜度のおまけつきだった。
物事の例えに「動と静」という言葉があるが、エクアドルの場合は「動」を通り越して「激」。
ペルーの場合は「静」というよりも、「緩」という感じだろうか。
緩やかに下り、緩やかに上る。決して無理がない。
もの凄く綺麗にスパッと削れた渓谷。
人による掘削作業の結果なのか、自然にできた形状なのか。
いずれにせよ、こんなに滑らかになるものかと、感心しながら見ていた。
50キロ程走った所、Lajasという集落に到着。私の持っている紙地図には載っていない街だ。
しかしホテルが何軒かあり、立派な教会も備えている。
特に用も無くただ通過しただけなのだが、建物の密集度が凄く、不思議な圧迫感があった。
昭和の日本はこんな感じだったのだろうか、と少し印象に残った街だった。
その後も緩やかに上って行き、Chotaの街に15時半頃到着。
前日の35キロに引き続きこの日も65キロ程度しか走っていないが、この先の標高や街の有無が分からないため、無理はせず泊まることにした。
早く質の良い地図を手に入れないと・・・。
Chotaは中規模程の街で、人通りが多く、ホテルもたくさん建っている。
そして、この街も建物の密集度が高く、圧迫感がある。
これがペルーの標準なのだろうか。
それにしてもペルー人の作る中華は美味い。
前菜のスープが透明で、鶏ガラの効いたもので「何て日本的な味付けなんだ」と感心してしまった。
メインのTallalin(餡かけ焼きそば)よりも、むしろこっちの方が美味しかった。
今日、米食ってねぇや。
(走行ルート:Cutervo→Chota)