エクアドルの地図を入手せよ&まさかの自転車トラブル

Quito(キト)
8/6 (441~443days)

8/4
エクアドルの首都・Quito。
私が滞在しているHostal Sucreは旧市街のど真ん中に位置しており、Quitoの旧市街とはユネスコによって登録された世界で最初の世界遺産なのである。
(※Wikipedia「キト」参照。正確には同時に12件登録された。)

初日に地図を探すために旧市街地を歩いたが、今まで訪れたコロニアル都市よりも少し雑然としているというか、生活臭が漂ってくるようで、じっくり回ってみたい気持ちはある。

しかし、ここQuitoに来た理由とは、エクアドル全域の道路地図を入手するためであり、前日にあれだけ練り歩いて一切見つからなかったことに焦りを覚える。
観光など後回し、この日は是が非でも見つけなければならない。
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流石の私も二日続けて当てもなく歩くほど阿呆ではなく、前日の夜にWarmshower(自転車旅行者同士が相互援助するコミュニティサイト・詳しくはこちら)にてQuito在住のホストに「エクアドル全域の紙地図はどこで買えるのか?」ということを事前に尋ねておいた。

彼の回答としては「Instituto Geogràfico Militar (直訳で軍事地理学校?)にあるよ」とのことであり、翌日朝早くから自転車に跨り、地図を目指してそこへと向かった。
なお、私はスマートフォンを持っていないため、服を買いに行くための服がないならぬ、地図を買いに行くための地図がない。
この施設は新市街地に位置しており、些か道順も厄介であるため、ここへ向かうために手書きの地図を前夜に作成して出かけた。

その甲斐あってか、すぐに地図は件の施設にて3ドル程で入手することができた。
この地図がでかい・・・。布団にできる程でかい。
が、これで憂いなくQuito以後の未舗装路地帯のどローカルエリアも走破できるはずである。
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ちょうどお昼ご飯時であったため、近くの食堂に入る。
出たな、ポップコーン。しかも白ご飯に上手くカモフラージュしてやがる。
ポップコーンはいいとして、温かいセビッチエというのは初めて食べた。
メキシコで初めて食べた時から、あの冷たい生の魚介類を食べるというのがどうも舌に合わないな、と思っていたのだが、温かくすると割といける。
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お昼を食べ終え、自転車に跨って坂道を下る時に前輪ブレーキを掛けると「パキッ」という嫌な音が鳴った。
「お、なんだ?」と思いチェックすると、前輪のブレーキレバーがプラプラとしてブレーキが掛らない。

「あちゃー、ワイヤーが切れたか?まぁ、近くの自転車屋に持って行けばすぐ直るだろうし、今はいいや!」

ということで、ブレーキのことはさて置いて、お次はアウトドアショップへ行く。
Quito以降のエクアドル中盤戦、走る道は激しいダートコースとなるはずである。

以前グアテマラのLanquin周辺の未舗装路を走ったトラウマというのは、私の脳裏にべったりと張り付いている。
あの自転車を漕ぐことが一切許されない激しい傾斜、押して歩くものの自転車ごとズルズルと下へと滑り落ちる砂利道・・・。

ああいう道が今後現れるとしたら、今履いているサンダルとコロンビアで買った安靴では乗り切れないはずである。
ここはケチらずに、良い靴を買おうと、Quitoに到着する前からそういう算段でいた。

いざ見てみると流石に高い・・・。80~200ドルくらいの価格帯の靴ばかり。
しかし、ケチって20ドル程度の靴を買い、余りの質の悪さに1日で履くことを止めたコロンビア、Cartagenaでの苦い経験はまだ記憶に新しい。

しばらく悩んだ結果、ローカットで防水性、靴底はランダムでブロックが配置されているトレッキングシューズを購入した。大奮発の150ドルだ・・・。
しかし履き心地は最高であり、これなら恐らく3年、いや5年以上は持ってくれるだろう。
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さて、いい買い物もしたし、これで南米縦断へ向けてすべての準備は整った。
後はブレーキワイヤーを修理して、今日はゆっくりQuitoの旧市街地でも観光するか、と自転車屋へ向かう。

「これ、ワイヤー切れてないよ。ブレーキのメカが壊れてるね。修理不可で全品交換だよ。」

「は?」

私の自転車は機械式ディスクブレーキ(モーターバイクのブレーキと同じような仕組み。レバーを引くとワイヤーとパッドが連動して、タイヤに付いている金属のローターが挟んで停止するシステム)を採用している。
そのパッドを動かすためのキャリパーが故障していると言う。

自転車屋は「全品交換だねぇ」と言い、どこのメーカーの物か分からない新しいブレーキセットを私の目の前に持ってきた。

「いやいやいや、俺は信じないぞ。ワイヤーがスカスカで引けなくなってんだから、ワイヤー切れだろうよ!」と判断し、「いいや、新しいのいらないよ」と自転車屋を後にした。

ブレーキの利かない自転車に乗り、ホテルに帰って「頼む、切れていてくれ」という縋るような思いでワイヤーを抜いてみる。
が、切れていない・・・。

次にキャリパーを分解してみると、正常に動作させるためのバネ仕掛けが真っ二つに割れていた。
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アラスカからここまで2万キロを走ってきたため、こうした細かいパーツというのはかなりガタがきているのだろう、壊れても仕方がない。
どうやら、このバネだけの取り扱いというのは無いらしく、全品交換が必須であることは間違いないらしい。
しかし幸い、ここは一国の首都であり、自転車パーツなどいくらでも手に入るはずである。
スポーツ車の取り扱いのある自転車屋を調べて、翌日改めて修理しよう。

この時は、すぐに解決するものだと高を括ってい
た・・・。
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翌日、朝から調べておいた自転車屋へ向かう。
後輪ブレーキだけしか働かないため、ゆっくりゆっくりと走る。
スポーツ車取り扱い店舗は新市街地にしかなく、10キロ程も走ってようやく新市街地に到着。
しかし、営業時間を過ぎても閉まったままだったり、完成車の取り扱いの店舗ばかりで、全く目当てのブレーキキャリパーが見つからない。
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何軒も何軒も尋ね、最終的にたどり着いたのは新市街地の北側郊外、超絶ローカルな自転車屋。
ここはめちゃくちゃ外見が汚いのに、Shimanoのパーツも割とグレードの高い物がある。
ディスクブレーキキャリパーもあったのだが、油圧式ディスクブレーキのみの取り扱いだった。(仕組みは機械式と同じで制動性が高いが、メンテナンスが旅行向きでない)
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この時の絶望感と言ったら・・・。

Quitoは仮にも一国の首都であり、この日私は新市街地にあるほとんどの自転車屋を尋ねたはず。
それが、どの店も一様に機械式ディスクブレーキを持っていない。取り寄せだと一か月は掛かると言う。
さらに言うと、Vブレーキ(一般的なママチャリに付いている様なゴムで挟むブレーキ)すらないのだ。

ふとスピードメーターを見ると、この日自転車屋を求めて35キロも走っている。
ここは本当に首都なのか?何故こんなにも物品がない?この街でマウンテンバイクに乗っている人を何人も見た。彼等はどこでメンテナンスしているんだ?

・・・私の旅行はここで終わるのか・・・?

もう今日はいい。疲れた。
今日ホテルでゆっくり考えて、本当に油圧式ディスクブレーキにするか考えよう・・・。

そう思い、旧市街tに向けて走り出したところ、一軒の自転車屋が目に入った。
Pack Tool(自転車メンテナンス器具メーカーの大手)の看板が出ている。
ここはまだ入ってなかったし、ダメ元で入ってみるか・・・と期待せずに入ってみた。

Pack Toolの道具がウィンドウにズラーっと陳列されている。Shimanoのパーツも上位グレードまで結構揃っている。
ここは今までの店とは少し毛色が違う。期待できるかもしれない。
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「やぁ、どうした?」とメカニックが声を掛けて来た。
私はこの日何度したか分からない、故障個所の説明をメカニックにし、新しいディスクブレーキが欲しいということを告げた。

すると彼は、「とりあえず見せてみろよ」と言い、私の自転車を分解してチェックし出した。
これは、今日他の自転車屋ではなかったことである。どの自転車屋も、チェックなどしてくれなかった。

そして彼は「バネが折れてるな。規格は違うけどバネがあるから、修理できるかやってみるよ」と言ってくれたのだ。
自分のことながら、よっぽど不安があったのだろう。私はもうこの時点で泣きそうになっていた。
もしかしたら修理できるかもしれないということで、ホッとして心が緩んだのだろう。
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修理を待つ間、彼等は英語で、私はスペイン語でお互い拙いながらも会話をしつつ、バネを規格に合うように切り、ペンチで形を曲げ、キャリパーに合わせてみてはまた調整をして・・・真剣に私の自転車に向き合ってくれた。

待つこと1時間ちょっと。
「できたぞ!」と、彼は修理完了を私に告げた。
確かに、多少ぎこちないがブレーキが利くようになっている!

この時といったらもう、嬉しくて嬉しくてたまらなかった。
また、無事に出発ができる!

そして彼等は「お代はいらないよ。無事に旅行楽しんでくれ!」と言ってくれた。
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実際には、この日ホテルに辿り着いた時にはまたブレーキが利かなくなってしまった。
彼等は確かに凄腕のメカニックであり、仕事っぷりも完ぺきだった。
ただ、もうこのブレーキが本当の意味で「死んでいた」のだろう。
彼等はその死んだブレーキに、一瞬だけ命を戻してくれた。
また振り出しに戻ってしまったが、彼等の親切に救われた気がした。
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この日は日曜日であり、ほとんどの店はシャッターを下ろしている。
ダメもとで旧市街地にある自転車屋街へと繰り出してみた。

この日はディスクブレーキは諦め、Vブレーキがないかを探して回った。
確かにVブレーキは置いているのだが、どこのメーカーか分からない華奢な物しか置いていない。
順番に尋ね歩いて、ついに自転車屋街の一番端っこの店に来てしまった。
ここでまともな物が無ければ、もう安物のもので諦めよう・・・。

「すみません、ShimanoのV
ブレーキはありますか?」
「おう、あるよ!」

「ま、マジですか!!!」

正直、もうQuitoではまともなメーカーの物は手に入らないと思っていた。
それが、最後の一店舗で見つかるとは・・・。
値段はリア・フロントセットで25ドル。何とか交渉し、予備ブレーキシュー込みで25ドルにしてもらった。

早速ホテルに持ち帰り、自転車に取り付けるべく作業に取り掛かる。

30分後・・・。

無事に作動するブレーキを見て、心からホッとした。
これで、ようやく憂いなくアンデス山脈に走り出せるんだ・・・。

ということで、この記事を書いている翌日、明日にはQuitoを離れて再び走り出します。
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コメント

  1. 大変だったんですね。店長…(-_-;)
    でも、良かったですねぇ❗
    やぱ、神様って居るんですかね(^^;
    相棒、復活おめでとございます❗

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