エクアドルの首都・キトに到着

Ibarra~Quito
8/2~8/3 (439~440days)
8/2
エクアドルの首都、QuitoまではIbarraからおよそ120キロ。
平地走行であれば一日で行けなくもないのだが、そこはアンデス山脈真っ只中のエクアドル。
恐らく、というか十中十無理だろうという事で、2日間に分けて向かうことにする。
もしそんな決心していたら、出発15分で心を折られるところだった。
この日はCerro Imbabura(セロ・インバブラ山。標高4,630メートル)沿いを迂回して南下することになる。

午前中の走行では、常にCerro Imbaburaを前方もしくは左手に見ながら進んでいく。
名前は分からないが、右手にも大きな山が聳えている。
こちらは山頂の縁にうっすらと白い線が見える。恐らく裏手は雪が積もっているのだろう。


しばらく走らせていると道は平地区間になり、左手に見ながら走っていたCerro Imbaburaの麓には今まで見えなかった湖が現れた。
朝出発したIbarraの街から見てちょうど山の反対側に来たのだろう。
太陽に照らされた湖は美しく、その側には雄大な山が聳えている。
これ以上ないロケーションだと思うのだが、どうも観光地化はされていないようだ。
前日の走行で見た素晴らしい景色のこともあり、エクアドルではまだまだこうした景色を静かに見ることができそうだと、期待に胸膨らませる。
南下するにしたがって左に見ながら走っていた湖がどんどんと背後に回り始め、それと同時に道は再び上り坂へと突入する。
この上り坂が傾斜はそこまできついわけでもないのに、体力的にかなりしんどかった。
下りが一切なく上りづめということもあるのだろうが、やはり毎日1000メートルのアップを繰り返すというのは、自覚のない疲労を体に溜めていっているのだろうか。
先ほどまでほぼ同じ目線上にあった湖が、もう遥か下に見える。
頂上に着く頃にはもうへとへとの状態で、レストランで昼ごはんを注文した後は椅子にべたんと座り込む程に疲弊していた。
走行中にこんなに疲弊するのは久しくなかったのだが、理由は簡単だった。
疲労の蓄積よりも、まず単純に空腹が限界点に達していた様だ。
出された煮込み系の牛肉をあっという間に平らげ、少しぼーっとしていると大分疲労もましになってきた。
できるだけ荷物を軽くするために携行食を持たず、走行中は空腹をジュースで誤魔化してきたが、この日の様に空腹でガス欠になってしまうというのが自転車旅行では一番恐ろしい。
そういう意味ではこの日の走行は大いに反省すべき点であった。
昼食の後は少しのアップダウンを繰り返して標高2900メートル台をうろうろした後は、一気に恐ろしい程の下り坂に変わる。
下り坂に変わる前に、雲で頂上が隠れていたが雪山がちらっと見えた。
下り坂の途中では、本当はこの写真の後が深い渓谷の素晴らしい景色だったのだが、ブレーキが利かなくなる程の下り坂で写真を撮る余裕など全くなく、ほとんど祈るような気持で下っていた。
一気に標高を1000メートル落とし、谷底まで下ってきた。逆に気温は上がり、相当に暑い。
そしてここから再度上りなおし。
この日80キロ走ってきて、また上りなおすというのは精神的にかなりくる。
この写真で言うと、右上の所まで上っていかなければならない。
距離にして3、4キロ程度なのだが、この区間がこの日の本当の鬼門。
気持ち的にはもう上りは無いと思っていた中での上りが、まさか最終盤にくるとは・・・。
こちらは上り切った後の写真。
一番奥の山の頂上から左下に見える川まで降り、中央右にうっすら見える道を上ってきたのだが、振り返ってみるととんでもない道路構成しているなと言わざるを得ない。
上り切った所にあるGuayllabambaという町でこの日は終了。
ホテルが一軒しかなく、15ドルと割高だったが致し方ない。
8/3
首都Quitoまでは残り40キロ。
距離的には余裕でも道程的にはさして余裕でもないのがエクアドル。
Guayllabambaからいきなり200メートル標高を落とし、そこから「はい、どうぞー!」と上りが始まる。
もうそれに対しては私も特に驚きもない。粛々と上っていくのみである。
あっという間にGuayllabambaの町は遥か下。
ちなみに大都市に突入する前は、私はめちゃくちゃ予習をしてから突入することにしている。
事前に宿泊するホテルは目星をつけ、Google Mapのルートは頭に叩き込み、交差点の曲がらなければならないポイントはストリートビューを見て目印となる建物を目に焼き付けておく。
「それ自転車旅行として全然面白くない?」と思われるかもしれないが、荷物満載の自転車を持ってウロウロと迷いたくないし、大都会は人口が多い分犯罪に巻き込まれる確率も高いため、さっさとホテルに投宿するのが賢い。
スマートフォンを買えば一気に解決しそうだが、「スマートフォンを使わず紙地図で走る」というのはこだわりたい。
もちろんこの日の前夜も、Guayllabambaのホテルで疲れているのにも関わらず、夜遅くまでルートを完璧に頭に叩き込んでいた。
見上げれば、空。見上げれば、太陽。見上げれば、坂。
自分がこれから下る道であったり、上ってきた道を見下ろすのは気持ちが良い。
しかし、これから上る道が見えているというのは「ふふっ」っと乾いた笑いが出てしまうので、どうか隠していて欲しい。
ただ坂のつくりとしては優しく、傾斜が緩やかなためゆっくりと上る分には難しくない。
マイペースに上っていると、ロードバイクのおじさんに声を掛けられる。
ロードレーサーのウェアの背中部分には水分補給用のウォーターボトルを挿せる穴が付いているのだが、おじさんはカットしたリンゴを大量に入れており、並走しながら私に何度も差し出してくれた。
しばらくするとおじさんの友達数人も加わり、しばらくグループで走る。
結局Quitoの入り口手前まで一緒に走り、コーラまでご馳走になってしまった。
ありがとう、おじさん。
さぁここからが前日の予習が試される時!
のはずなのだが、おじさん達曰く「直進すれば上り坂だけど街の中心部まで行けるよ」とのこと。
看板にも「大通り 10th Agosto 直進」とあり、予習段階では確かこの通り沿いに目星をつけていたホテルがあったと記憶をしていたため、予習を一切無視して全く別の道を進むことにした。
私を含め自転車旅行者なんてみんなこんな感じで気分屋の人種であり、そうじゃないとできないんだと思う。
どっちの道の方がよかったのかは分からないのだが、私が取った道は交通量は多いものの一本道で至極単純明快であり、スラム街も通らずに済んだことはよかった。
目星を付けていたホテルは呼び鈴を何度鳴らしてもウンともスンとも言いやがらない体たらくで、結局市街地でウロウロすることにはなったのだが。
こういう時のために一応切り札として、別のホテルまでのルートをデジカメに撮影していた。
Quitoでは日本人バックパッカー御用達となっているらしいHostal Sucreという安宿に無事投宿。
どうやら泥棒宿として有名になってしまい、現在は日本人は余り泊まらないようになった、という情報は事前の予習で得ていた。
実際、日本人が残していった旅行の情報ノートなんかは今は残っていないようだし、バックパッカー宿にしては雰囲気も活気が無くもうほとんど廃れた感じになっている。
6ドルで個室なので、安かろう悪かろうではあるのだが。
投宿して少し休憩した後は、エクアドルの紙地図探し。
Quitoの旧市街地は世界遺産であり有数の観光地でもあるのだが、ここに来た第一目的は地図の入手であり、のんびりぼけっとしている訳にはいかない。
しかし、行く本屋全てで取り扱いなし。唯一手に入ったのがツーリストインフォメーションの無料地図。
もっと詳細な地図でないと、これからド田舎ルートを攻めていくのに心もとない。
この記事はちょうどタイムリーに当日書いているため、翌日には新市街地へ迎い、大きい本屋を巡らなければならないのだが、天気予報は雨・・・。
どうか良い地図が見つかりますように。
(Ibarra→Guayllabamba→Quito)
いつの間にか、エクアドル突入してたんですね!
かなりハードな旅みたいで…
こうして写真見てると『おー!凄い景色ー。綺麗ー!』
文章読むとあたしには到底無理(^^;文章で心折れそうですよ(^^;
やっぱりコーヒーミル持ってこなかったんですね…(笑)
コーヒーミルは出発前のパッキング段階で入りきらず諦めたのですが、持ってこなかったことを後悔しています・・・
朝のコーヒー一杯という時間が恋しいです
> いつの間にか、エクアドル突入してたんですね!
> かなりハードな旅みたいで…
> こうして写真見てると『おー!凄い景色ー。綺麗ー!』
> 文章読むとあたしには到底無理(^^;文章で心折れそうですよ(^^;
>
> やっぱりコーヒーミル持ってこなかったんですね…(笑)